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『第四王子との再会』

 オフェーリアはけじめの挨拶のために王宮に来ていた。

 まずは宰相の元に行き、そして国王との会見。

 その場でオフェーリアは魔法族としてはこれで一切の交流を破棄するわけではないが、婚姻を結ぶことはないだろうと言うマザーからの言葉を伝えた。

 そして宮殿から下がるまでまったく第四王子エクトルの姿が見えなかったことに多少の不安を感じる。

 あの求婚を断った日、あっさりと引き下がったことに引っかかりを覚えたことで警戒は解いていないのだが。なので今日などは何か仕掛けてくるのではないかと気を引き締めていた。


「でも、名前すら話に上がらなかった……

 これは故意なのかしら、それとも」




 今日は少しだけ大きくなったピピを連れて、彼(彼女?)の故郷であるダンジョンを訪れていた。

 ピピは体に巻きついた尻尾を使ってバランスをとることを覚え、かなり敏捷に動けるようになっていた。


「じゃあピピ、お願いね」


「ピィ」


 オフェーリアは今、薄暗い洞窟タイプの階層の岩場の隙間に生えた、ほんの2cmほどしかない、蕾のついた植物を根ごと採取していた。

 その間の見張りを頼まれた仔鰐は張り切ってあたりを見回している。


「あら、誰か近づいてきているようね」


「ピ」


 もちろんオフェーリアも探査をかけて接近してくるものを監視している。

 そしてその対象者が近づいてくるにしたがって、それが第四王子エクトルだと確認できた。



「フェリア嬢」


 さすが王族である。

 重量軽減の付与がされたミスリル製のプレートアーマーで身を固めた第四王子エクトルが兜を取って近寄ってくる。

 片手を上げ、笑顔を向けてくる彼に敵意は無さそうだが、今何故こんな人目のないところで2人きりになろうとするか、良い考えが思い浮かばない。


「殿下……

 こんなところにお供も連れず、如何なさったのですか?」


「それはもちろん、あなたとふたりきりになりたかったからに決まっている」


 嫌な予感しかしない。


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― 新着の感想 ―
[一言] 結局、バカは恐怖と痛みからしか学習できないんだろうな。 お望み通り、王子様には不幸な事故に遭って貰いましょう。
[一言] こうなるとばか王子を叩き潰すしかないよね(笑) あまりにもオフェーリアさんをなめすぎだわ(笑) オフェーリアさんとレベルが違い過ぎて足手まといにしかならないからダンジョンにも連れて行けないし…
[一言] 迷宮の中で近寄ってきたら、死んでも文句言えないよね
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