表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/617

『編入へ』

「できれば断りたいのだけど……

 こうして話を持ってきたということは、ほとんど王命ということかしらね」


「そうですね。

 陛下がご存じないということはあり得ないと思います」


『じゃあ、決まりじゃん』


 思わずオフェーリアは心の中で毒づいた。


「はぁ〜

 ドーソン、王宮への返事、代筆を頼みます。

 渋々お受けすると、正式な書式でお願いします」


 高位貴族が公式文書に右筆を使うことはよくあることだ。

 特にオフェーリアはこの国の書式に慣れておらず、まずはこれから勉強だ。



「これで如何でしょうか?」


 さすがに異国の花嫁の教育係を任される人物である。

 オフェーリアもそれなりの手跡だがドーソンはそれ以上だった。


「拝見致しますわ。

 ……なるほど、こういう言い回しを使うのですね。

 結構です」


 最後にサインして、王宮に届けるように言うと見た目でわかるほど脱力した。


「まさかこの歳で学生をすることになるとは思わなかったわ」


 ドーソンは苦笑いするしかない。

 しかし王宮がこのような手を打ってくるとは少し意外だった。


「ドーソン、あなた王宮にツテはあって?

 あちらで何が起きているのか、少し調べてみてちょうだい」


「わかりました。

 うちはあまり高位の貴族ではありませんが、それなりのツテはあります」


 この後ドーソンは自身が手紙を持って王宮へと足を運んだのだ。




 そしてオフェーリアの高等貴族学院への留学が決まり、公爵家嫡男の一年下、5年教育の4年生に編入することに決まった。

 その翌日から制服の採寸やら何やらで忙しくなってしまい、ピピとの時間が取れずにオフェーリアはおかんむりである。


「編入試験、編入試験ねぇ」


 一応目を通すように言われた、この国の歴史などの本を手に、気乗りのしないオフェーリアはまた毒づくのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >「編入試験、編入試験ねぇ」 お願いされていくのにね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ