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そして、彼女に鎖で繋がれ異世界を旅をする! ?  作者: 村山真悟
第四章 多重世界は魂の連なり
86/112

其の13 狂気なる想い

遅くなりました(o_ _)o


なかなか更新できずに申し訳ありません。

<(_ _)>


今回は少し暗めです


では、お楽しみください



 いつもと変わらぬ街並みをあてもなく歩きながら意思造りの皇子サイアス・シーサーいやこの場合はメイソン・リーと名乗る方が正しいかもしれない。


 容姿は同じであり、その人格もサイアスではあるのだが本来の彼は屋敷から一歩も出ていない。


 メイソン・リーと呼ぶ仮の姿でサイアスは自らの世界を散策していたのだ。


 街中で、その存在に気付いた者が頭を垂れるのを彼は顔に貼り付けた笑顔で対処する。


 この世界で彼は賢帝と呼ばれ人々から慕われていた。彼らにとって彼は世界をより良い世界に導いてくれる存在と認識させられていたのだ。


 勿論、そうなるように世界を切り分けてきていた。誰も意識することなく突如、隣人が姿を消しても疑問にすら思わない。


 まるで最初から存在しなかったかのように彼に刃向かう者は淘汰されてきた。


 そして、彼の血脈の力がそれを行えた。


 彼の世界は彼を敬い畏敬の念の在る者しか存在していない。それが当然であるかのように…。


 この世界ではサイアス・シーサーが皇子であり、世界の中心であった。


 その弟であるメイソンは傍目から見ても家督を継がぬ第二皇子として認識されていた。


 だが、メイソンもサイアスも同人物である。


 容姿は瓜二つであり、他者には一見して区別することすら出来ない。


 だが、それは当然の事と言えた。


 なぜなら、その姿は彼の理の力が関係しており、切り捨てた可能性の世界から存在したかもしれない自分自身であったからだ。


 サイアスはその肉体から意識だけを切り取り、自らの意識を移動させ、仮の姿を造り上げていたのだ。


「さて、どう動くべきな」


 無精ひげの生えた顎を撫でながら思案下に空を見つめる。帝の使い達の情報は各世界に放った斥候により詳細に彼の元に届けられていた。


 世界が変革を始めている。


 頬が緩むのが分かった。


 どれだけの時間待ち焦がれたのだろうか、あの戦乱は多くの野望を抱かせた。


 サイアスもその一人である。


 だが、彼は他の世界の皇族とは違い、ある人物のみに執着していた……なよ竹の姫、彼が初めて出逢った当時の彼女はその様に名乗っていた。


 彼女の言動、行動、目的、全てにサイアスは身震いするような歓喜に身体が包まれるのを感じた。


 欲しい……心の欲求が乾きを訴える。


 彼女の見る世界を共に見たい。


 二人だけの世界を……。


 彼は自らの理を理解すると直ぐさま、彼女を追い求め始めた……全てを切り捨てながら。


 だが、その力は自らが統治する世界でしか使えないことに気付かされ愕然とした。


 何のための力なのか?


 彼の思考が自分自身の力を理解するために深く深淵のような思考の闇へと堕ちていく。


 そして、彼は辿り着いた。


「全てを手に入れれば良い…」


 短略的にも思えるその結論だったが彼は何故か確信を持って呟く。


 全てを手に入れるのは簡単なことだ。


 自らが帝になれば良い。


 この多重世界の中心とも言える存在、自らの持つ血脈の本流、その存在に自らがなれば良いのだ。


 彼の理の力なら十分に可能であった。


 自らの住まう世界を多重世界の中心に置き換えれば良いのだ。それは、彼の理の力が及ぶ範囲でなければならないが彼は出来ると確信を持っていた。


「…バルクナール」


 帝の直轄地でありながら各世界の屯所がある都市の名を呟く。勿論だが理の力を仕えるはずもない。


 だが、彼は既に自らの欲望を叶えるために行動を起こしていた。あの都市が発展した理由、それは理の力に左右されない異世界の住人が現れる次元の裂け目が近くの森にあるためだった。


 異世界の住人は理の力に左右されない。


 それが彼にとって好機であったのだ。


 彼の能力は意思造り、自らの世界を切り捨てることも可能である。そして自らに心酔する者を生み出すこともまた……可能なのだ。


 彼は着々と世界を浸食していく。


 誰にも気付かれぬように……。


「…もうすぐだ、もうすぐ望みが叶う」


 青空を見上げながら彼は呟いた。


 永きに渡り求め続けてきた世界、二人だけの世界を想像し彼は身震いし、思わず頬が緩む。


 他者が見ればその姿は醜悪に映るかもしれない。けれど、彼には関係が無いことであった。


 自らの望む世界を想像し実現するためには……そう考えた彼の表情が欲情の無いものへと変化する。


「…あれ(・・)が邪魔だな」


 その瞳に怪しげな殺意が籠もる。


 邪魔になる存在は排除しなければならない。


 自らの願いを叶えるために……。


 いま、帝の使いと帝の意志を継ぐ者がフェンリルの世界にいることは斥候からの報告で知っていた。その存在が自らの世界で出逢った若者であることも理解していた。


 当時は可能性に過ぎなかった存在が神器に触れ、帝の人格の一人を取り込んだと知ったとき彼は怒りがフツフツと沸き上がったのを今でも覚えている。


 それを思い出し苦々しく思いながらも、心の奥深くから湧き上がる闇が蝕んでいきのを感じた。


 無意識に彼の足取りが速くなっていく。


 焦燥感が彼の歩みを早めたのだ。


 そして、闇に満ちた想いを胸に抱き、彼は目指すべき場所である自由都市バルクナールへと向けて進み始めたのだった。 


読んでいただき有り難う御座います

<(_ _)>


なかなか更新できず本当に申し訳ありません

(o_ _)o


筆の遅い作者ですが見捨てずにいてくださる読者の方には感謝の思いでいっぱいです。


今後ともよろしくお願いします

(o_ _)o(o_ _)o


では、失礼いたします

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