街に繰り出すのだ! その2
「んー?」
「? どうしましたのですか薫さん」
「いいやー、にゃーんでもないよ」
ほんとはあるけど。ただこれはルヴィに言っても分からないか。
さて、ルヴィの後をついていくのはいいけど、ここってどこ?
「ここはグラスパー通り。さっきの箒屋の所から続く通りなのですが、一番お店が揃っている通りになります」
なるほど、確かにさっきよりさらに人通りが多くなっている。そして看板を出しているお店もたくさん。
「ルヴィはどこに行くの?」
「それは、こちらです」
そこには《甘味処》と呼ばれる和風(?)な看板をたてているお店だった。
「ここの白玉あんみつが絶品なのですよ」
「白玉あんみつがあるの!?」
「ルヴィさん、もしかして知っているのですか? 確かに東洋の魅惑のスイーツとしてこのマギカに来たとのお話ですから、ご存知かもしれませんでしたか」
スイーツ(笑)。にゃんとも日本的な……まあ白玉あんみつ美味しいし、仕方ないね。
あたしは久しく口にしていないスイーツとやらを食べるべく、そのお店の列に並ぶ。
メニューは注文するときに見ることが出来るみたいだけど、お客さんの雰囲気だとメニューを見ずに注文している人が多いっぽい。
「薫さんはトッピングはどうされますか?」
「トッピングって、普通だけど」
餡蜜のトッピングって、白玉とあんことアイスぐらいじゃないの?
「では白玉あんみつ、レギュラーと注文すれば大丈夫ですね」
え、何それ。あんみつにレギュラーってどういうこと!?
あたしの疑問をよそに、ルヴィの番が回ってくる。
「ご注文はお決まりになりましたか?」
あたしはてっきりルヴィもレギュラーだとばかりに思っていた。だが――
「白玉あんみつ寒天下地に黒蜜マシマシ餡控えめ抹茶アイスバニラアイスイチゴバナナのせで」
「はい、かしこまりました」
……えっ?
「ルヴィ今なんて言ったの?」
「え? ただの注文ですよ薫さん」
いやいやいやいや! 魔導方程式の呪文を唱えていたようにしか思えませんでしたけど!?
あたしが挙動不審になっている間に、今度はあたしが注文するばんに。
「次の方どうぞー」
「あ、白玉あんみつの、レギュラーで……」
「かしこまりましたー」
店員の対応は変わらないけど、これ絶対おかしいよね!?
「ルヴィ、あんた将来凄い魔導師になれると思うよ」
「道端でそんな、褒めないでくださいよー!」
ルヴィは普通に照れているけど、アンタのさっきの注文するときの真剣な表情をあたしは忘れないよ。




