表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/116

6 三日目。栃木・福島(1)

 翌朝。

 着衣はまた少し、その面積を減じさせていたのでした。

 上衣の裾はいよいよトップバストに迫らんとしていますし、肩まわりはさらに広くむき出しです。下衣は下衣で、ウエストがますます下がったうえに、サイドはもう、ヒモになんなんとしています。お尻なんて半分も隠れているかどうかってところ。

 サンダルの編み上げも、アームバンドも、径は変わらず、長さだけが短くなっていて、おかげで洗濯のせいではないことが、はっきりとしたのでした。

 衣料すべてに言えることですが、厚さも2ミリ程度にまで薄くなってしまってます。うぶ毛さえ、すじとなって見えるんじゃないかってほどで、このまま進行すれば、最終的に極薄テープを一本体に巻き付けた感じになってしまうのではないかと危惧されたのでした。

 むう、と唸ってみたものの、どうしようもありません。

 今日は蘭と合流する予定ですが、とても会いたいような、とても困るような、そんな複雑な感情に弄ばされたのでした。


 今日の予定ですが、移動距離はラインにして約86kmです。

 実走距離は、その3、4割増しと考えとけばいいでしょう。

 自分は“まっすぐライン”に沿って北上するだけですが、蘭は、いよいよテーマである天然湖群に行き当たります。彼女も観光に時間を掛けるでしょうから、合流地点では、こちらが待ち受ける形になると思われました。

「よし!」


 旅の三日目。7月23日、火曜日。ゆっくりと、午前9時に――


 旅館玄関前を出発です! 国道400号を西へ、川に沿って、山の方へとコン吉を走らせます。

 振り仰ぐと目に染み込むほどの青い空でした。今日も上天気で、それだけで、幸せな気持ちで心がいっぱいになります。

「うーんんん……」

 伸びをします。

「ん……」

 天気に絡んで、ふと思い出すことがありました。


 旅は楽しい方がいいに決まってますから、機会があれば積極的に住人の方々に話しかけ、コミュニケーションを取ることを心がけていたのですが、その際、天気は、じつに都合の良い話題でした。皆さん親切に相手してくれて、それはそれで大成功だったのです。が――

 そのうち、その誰もが、的中率100パーだったことに、驚くことになったのでした。

 昨夜も、『旅の期間中は天気が崩れることはない』、と宿の古参らしき仲居さんに太鼓判を押してもらってて、その通りの今日の、この上天気です。こうなると超能力でした。


 なぜ、フラットランド(ここ)の皆さんは、こんなにも正確に天気予報ができるのでしょう?


「――あはは?」我に返る、大ギツネの鞍の上。

 いったい何で、こんなこと考えてしまったのでしょうか?

 今、自分一人だけだから、手持ち無沙汰に、こんな些細なことまで気になってしまったのだろうと割り切り、それはそこで、考えを終わらせたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ