表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/116

4 一日目。栃木(5)

「次に“簡単なこと”は何でしょう」と蘭が催促します。

「うーん。この世界に二人とも来たのか、それとも違うのか、でしょうか……」

「この世界に訪れたのは、組み合わせで考えると、

(1)文太郎×花子

(2)文太郎×ハナコ

(3)ブンタロー×花子

(4)ブンタロー×ハナコ

 の、どれかである、ということですね。

(1)はさきほどの第一の説だし、(4)は第二の説です」

「そうです。で、『花子さんレベルの人間ならば、その登攀跡を見つけられたはずです』という話がありましたので、理屈として、

(3)ブンタロー×花子

 を、推したいところです」

「別の地球のブンタローは、この世界に来ても、富士山登攀はしなかった、ということですね」

「はい。ぼくらの文太郎は、ここではない別の世界に行き、そこの『富士山を直登し頂上を通過した』はずなのです。ですから――あの富士山では、“それ”は実現不可能です。ありえない……」声が自然に細まります。

 二人とも、文太郎の“極限ルート”を思い出していたのでした。同時に、“客死”の覚悟のことも。この世界では、“あの”山ならば、登るだけで“死ぬ”ことが可能だったのです。

 蘭が注意深く発言します。

「これは……どの組み合わせなのかは……データ不足。今の段階では、決定できないことのように思われます」

「了解です……」

 行は少し項垂れたのでありました。


「次に簡単なことは何でしょう」

「一気に難しくなります。まず、“預言者・ハナコ”は、何をもって預言者になったのか、です」

 蘭が顔を明るくさせたのでした。「それには考えがあります」

「どうぞ」

「富士山で出会えなかった彼女は、そのあと東京に来て、文太郎さんの画像を持って、『この人を見かけなかったか?』と聞いて回ったのだと思います! それも、印象に残るくらい強烈にです。なにしろ詩人ですから、得意な詩と、画像を組み合わせて、この世界のメディアを総動員して、(メガ)ヒットを現出させたのかもしれません」

「なるほど……!」

「こうして名前が残ったくらいだから、実際に大成功したはずです! さすが花子さん! そしてその後、“ブンタロー”が“神”として降臨したので、“ハナコ”は自動的に“預言者”にされてしまったのです!」

 行は心からの言葉を発したのでありました。

素晴らしい(エクセレント)! 感動してしまいました。大いにお見それしました!」

「えへへ……」顔を赤らめてぽりぽり。

「探せば、ビデオくらい残ってるかもよ! それが証拠になる」頭がいい。

 そのうえ可愛い。どんどん魅力にハマる行だったのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ