傷跡
ものすごく遅くなってすいません!!
特に何かあったとかではないのですが、気付いたらここまで遅くなってしまいました。
次の投稿は出来る限り早くしたいと思っているのでよろしくお願いします。
東西南北どの国にも所属しない唯一の場所であるルズニカ魔法学園の一室。
それぞれの国の王が正方形の机を取り囲み深々と椅子に座っている。
そんな重苦しい空気の中会議室の扉が開かれた。
「この度はお集りいただきありがとうございます。」
「挨拶など後回しでいい、さっさと本題に入れ。」
北の国の王であるカールが苛立ちを見せながら言う。
「それもそうですね、それでは本題に入ろうと思います。」
学園長は手に持つ資料に目を向け、険しい表情のままゆっくりと口を開いた。
「今回の東の国で起きた大事件、様々な被害はありましたが軽傷者が4人、重傷者が2人、死者が1人となっています。」
各国の王たちも手元にある資料に目を向ける。
「これは四魔獣のうちの一体であるアンタレスがオスタで封印が解かれ暴れ出したことによって出た被害でその他の避難時に起きた怪我は含みません。」
「アンタレスが封印から解かれたのに随分と被害が少ないんだな。」
「アンタレスのもとに丁度封印の一族がいたらしからな。少なくても普通だろう。」
被害状況を聞いてカールとダーゲルトは言う。
「今回のことの発端はオスタがとある組織と手を組んで起きたことにあります。それについてトルテ様の意見を聞かせてもらいましょうか?」
東の国の王であるトルテを除く者の鋭い視線が突き刺さる。
「・・・・・私は組織と手を組むことによって世界の再編を行おうとしたのだ。」
「世界の再編?」
「そう世界の再編だ。世界征服とも言えるだろうな。」
追い詰められたトルテは学園長の疑問に対して強気に出る。
「そんな身勝手なエゴの為に四魔獣を復活させたと・・・。」
「なら貴様は今の世界をどう思う?私はこんな軟弱な世界が気に食わん!!」
トルテは気でも狂ったのか今にも高笑いしそうな表情で自分の理想を語る。
「強者が生き残り弱者は絶滅していく世界が私の理想なのだ!!貴様らも王であるならわかるであろう!弱者が大量にいたところで国は発展どころか衰退するばかりだと気づいているはずだ!」
各国に同意を求めるが返ってくるのは冷たい視線だけであった。
「弱者は滅び強者のみが生きる世界がトルテ様の望みであると。」
「そうだ!私は王として当然の世界を作り上げようとしたのだ。」
学園長は手をゆっくり上げてトルテに向ける。
「グロント。」
短く魔法を唱えると、指先にできた魔法陣から鉄の塊が現れ勢いよく射出される。
目にも止まらぬ速さで放たれた鉄の塊はトルテの額を貫いた。
「理想を語りそれに多くの人間を巻き込んだ。貴方にはルグニカ魔法学園学園長と各国の王からの全会一致で死罪が決まっています。」
目を見開いて倒れるトルテに対して冷酷に告げられた罪状だが、言い渡された本人が聞くことはなかった。
ルグニカ魔法学園の保健室、もはや病院の域に達している保健室ののなか二人の男がつまらなそうにしていると一人の少女が入室してくる。
「調子はどう?少しは良くなった?」
サリアは大量のフルーツが入った籠を机にそっと置く。
「もう退院できるぐらい良くはなったのに医者がまだ三日は安静にしてろってよ。」
リンゴの皮を向いているサリアに言う。
「先生はどうですか?」
「俺か?俺は明日で退院だ。」
「もっとかかると思ったんですけど意外と早いんですね。」
「まぁ俺はあんまりアンタレスと戦ってないしな。学園には優秀な治療魔術師もいるしこんなもんが妥当だろ。」
リンゴの皮を剥いて均等に切り分けたサリアは拓斗の横に座り、拓斗の口元に運ぶ。
「ほらタクト口開けて。まだ退院まで時間かかるんだからしっかり栄養とらなきゃ。」
「そんな押し付けなくても食べるって。」
爪楊枝に刺さったリンゴを食べる。
「おいおい見せつけてくれちゃってー。ここには俺もいること忘れないでくれよ。」
「別に見せつけるつもりなんてありませんよ。何なら先生もリンゴ食べます?」
呆れた表情でデルベに言うが、そんな拓斗の口に無理矢理リンゴが突っ込まれた。
「ムゴッ!?」
明らかに不機嫌になったサリアは、ふんっとそっぽを向く。
「女心の分からぬ男め。」
女心の分からぬ男は口の中にひたすらリンゴを突っ込まれるのであった。
サリアが保健室を出ていくのを確認すると神妙な顔つきで口を開いた。
「どうだった?」
「どうだったって何が?」
「ルシュレだよ。あいつ辛そうだったか?」
「・・・・・無理矢理明るく見せてたと思う。」
「やっぱりか・・・。」
実の姉を失ったサリアが数日で立ち直れるはずがないとデルベは予想していて、見事にそれは的中したのである。
「タクト。」
「何ですか?」
「教師として、大人として情けないとは思うが、今のサリアの支えになってやれるのはお前だけだ。あいつを救ってやってくれ。」
「・・・言われなくても分かってますよ。サリアは俺の相棒ですから。」
「頼んだぜ。」
その後二人は話すことはなく、翌日の朝デルベは退院していった。




