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無口な将軍と甘いもの ―飛葉―
朝の鍛錬のあと。
廊下を歩いていると、角の先に人影があった。
「お、結花」
「飛葉さん」
軽く手を振る彼に、結花の表情がふっと緩む。
「これ、食う?」
差し出されたのは、小さな黒い塊。
「……チョコレート」
思わず、声がこぼれる。
「久しぶりに見た……」
そのとき――
「ユイカ」
低い声。
振り向くと、ユーリスがこちらへ歩いてくる。
「……それは?」
赤い瞳が、じっと手元を見つめる。
「チョコです。甘味ですよ」
「甘味?」
眉が寄る。
「一個、いる?」
飛葉が気軽に差し出す。
一瞬の逡巡。
やがてそれを受け取り、口に入れる。
僅かに、目が見開く。
「……美味い」
「だろ」
飛葉が笑う。
結花も、口元をほころばせた。
外では、草花が静かに揺れていた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
ユイカの物語は、
『無口な将軍は、戦場で覚醒した私を離さない』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GX32H7NT
としてKDPでも一冊にまとめています。
このあとに続くユイカとユーリスの二人の時間や、別視点の物語も書いています。
気になる方は、のぞいてみてください✨




