真っ白な 世界
気がつくと、そこは真っ白な世界だった。
眩いばかりの白。
そこには一人の老人が佇んでいた。
荘厳な雰囲気を醸し出している老人がゆっくりと口を開く
「どうじゃ今の気分は?」
どうだと言われても…別に何も気分は悪くないし
、特別悪くもないけど…
「思い出せんか?」
「何を?」
「この場所を、そして儂をじゃ。」
眉間にシワを寄せながら老人が呟く。
何を言っているんだ?意味がわからない。
この場所?…この…場所?
見たことある…いや、来たことがある。
「ふむ。その様子だとあまり鮮明には思い出せんようじゃな。」
「はぁ」
「お主は誰かの?」
なに言ってるんだこのじいさん
「俺は…あれ…あれ?」
俺は誰だ?
「おいおいおいおい、わからない…いや、」
「そうじゃの。お主は覚えてないのではないし、ましてや忘れてもおらん。」
「お主は知らんのじゃよ。お主自身をな。」
「そんなばかな事があるかっ!」
「頭を貸してみなさい。」
そういうと老人は手を頭に置いた
すると頭が一瞬ヒヤリとすると情報が、記憶が、
映像が流れ込む。
「っぁぁああがっ」
頭が割れるっうぅぅぁ
なんだこれっなんなんだ
「もう暫しの我慢じゃよ。」
相も変わらず難しい顔をした老人はそう呟いた。
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「はぁはぁはぁっ」
「して何か思い出したかの?」
額に浮かぶ脂汗を拭いながら口を開く。
「えぇ、思い出しましたよ神様。」
「どこまでじゃ?」
その質問に答える前に聞かなければいけないことがあった
「ナナシはなぜ死んだ?」
「なぜそう思うた?別段儂がお主に幻覚を見せておるだけという可能性もあるぞ?」
「前回、ここに来たときは死んだ時だったから今回も、というのは思考の流れ的には普通かと。」
「それに…只の一般人に時間を割いてまで会いに来るなんてそんなバカなこと…しませんよね?」
「早計じゃし買い被りじゃな。」
そう言って肩を諫める。
「儂とて興味を引かれるものもあるし、それに時間を使いたいと思うこともあるわ。」
「まぁお主の考えは半分は当たっとる。」
そういってなにもないはずの空間から椅子を二脚取り出し、座れと言った。
「少し長くなるやもしれぬが聞くのがお主の義務じゃ。」
なんだその有無を言わさない感じ…
まずは、と髭をいじりながら神々しい老人は語りだした。
「端的に言うとお主は死んだ。殺されたのだ。」
俺は静かに目を閉じ、あの日の夜の事を思い返していた。




