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スキルマイスターの苦悩  作者: 水田万里
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事の発端の発端。

頬を撫でる風に熱を感じる。


起きろ。体を起こせと言わんばかりのセミの声を聞きながら、

無理矢理目をつむり眠りに入ろうと雑念を振り払う。


「あっっっづい」

最悪の目覚め。いつもなら会社にいる時間だ。


「折角の休みに何で暑さやらセミに起こされなきゃならんのよ」


滴る汗と一緒に不満を口にする。


休みの週はじめなどここ何年も味わっていない、何故かはお察しである。


ここで普通ならばもうひとつの疑問点が浮かぶ。

何故、平日に休みを取れないほどの会社に勤める私が激動の週はじめに暇をとっているのか。


いやこの表現には少々の語弊がある。


好きで休んでいるのではないのだ。


休まざるを得ない理由がある。




会社が潰れるのだ。


不景気の煽りを受け、一言で言うのは簡単である。


理由なぞどうだってよかった、生憎と会社にはたいした思い入れもない。

更に言えば、労働基準法など会社からすれば「なにそれおいしいの?」状態であったため使う機会の無い金はある程度無職でいてもノーダメージくらいには貯まっている。


実は心が踊っている。


昨日から何をして過ごそうか考えているのが楽しいのだ。


「まずはこのポンコツエアコンを買い換えだわな」


そう口にして重い腰を上げる。

亀更新ですが生暖かく見守ったりしてください

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