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42. ランのお料理(4)


女王による呼び出しの後、リアンは自室に戻った。最近見ていなかったせいか、ひどく懐かしく感じる。


「コレー、イベル、聞いた?」


「はい、大変なことになりましたね……」


(やっぱり、聞いていたのね)


そう思った時、リアンはランがいないことに気付く。


「ランはどこなの?」


「ここにいますよ」


いきなり現れてビクッとなったリアンにランは紅茶を出した。


「ありがとう」


そういってそれを飲んだ時、舌に異常なほどの塩気を感じ、むせた。リアンの顔色が悪くなっていたため、とっさに3人は反応した。


「っ、毒ですか?」


「い、いえ。違うわ。ねえ、これ入れたのって、誰?」


「あ、はい、私です」とランが手をあげた。それを見てランを除いた全員が察した。


「……砂糖と塩、入れ間違えてない? これ、辛い」


リアンは普段はストレート派だが、ランがリアンが疲れていると思って気を使ったのだろう。そしてそれが斜め上に走ったと……。


「あ、す、すみません。ちょっと慌てて、間違えちゃったかも……」


それを見たコレーは真っ先に口を開いた。


「……今すぐ入れ直しなさい」


「は、はいぃ」


コレーの笑顔を見たランは即座に入れ直しに行った。リアンはついつい共感してしまう。なぜなら目が全く笑っていなかったからだ。その笑みには、軽くマイナス50度はあるんじゃないだろうか。

一方、コレーはランが入れ直しに行ったのを見送ると、リアンに声をかける。


「大丈夫ですか?」


「……多分」




***




しばらくしてランは新しい紅茶と、何やら青い物体を持ってきた。それはまるでスライムだった。だが、通常のそれより格段に色が濃い。そしてそれをリアンの前に置いた。


「……こ、これは?」


「よくぞ聞いてくださいました。これぞ新作品のブルーゼリーです」


リアンは一度スプーンでそれをつついて見る。すると確かにそれは弾力があった。


「あ、コレーとイベルさんの分もありますよ」


その爆弾発言に二人は硬直した。


「え……」


「わ、私も……?」


リアンは直感的に終わったと感じた。さっきの爆弾発言で二人の援護射撃が完全に動かなくなったからだ。仕方なくそれをスプーンで掬う。


「い、いただきます……」


そういって覚悟して口に入れた。


(あ、甘っ)


途端に常識を超える甘さに顔をしかめた。甘すぎて舌が壊れそうだった。何より先ほど塩の紅茶を飲んだためか、通常の倍の威力を誇った。

他の二人も、顔を真っ青にしている。


(……うちの子は兵器でも作るつもりかしら?)


商売好きのリアンが兵器だと感じた瞬間だった。




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