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歌姫と男

男はその時になって気がついた。その少女と歌手が同一人物だったことに。

少女が帰った後、男はベンチで当時のことを思い出していた。慣れない仕事に厳しい上司。何度も心が折れそうになった。

でもこの歌が勇気づけてくれた。

だから彼女には返しきれないほどの恩がある。

男は久しぶりにほかの曲も聞いてみようと思った。

家に帰って押し入れを漁っていると沢山のCDとグッズが出てきた。

「ああ、懐かしいなぁ…どれだけつぎ込んだか…」

懐かしく思うと共にまたあの歌を聞きたいと思った。

気になった男は少女の活動を検索した。すると何件かこの近くで仕事があるらしい。

男は(追っかけみたいだな…でも昔もこんなことしてたな…)と少し恥ずかしく感じていた。

そしてイベントのある日会場には以外にも多くの人が集まっていた。

そして彼女のパフォーマンスが始まった。

何年前の曲なのだろうか、彼女の曲を聞かなくなって久しい男が初めて聞く曲だった。

だがそれでも男を感動させるには十分すぎるものだった。

周りの観客も、元々は興味がそれほどなかったようだが、とても引き込まれていた。

そして最後は大きな拍手で賞賛された。

その拍手にお辞儀をした時、少女がこちらを見てくれた。一瞬驚いたようだが、その後、満面の笑みで手を振りながら舞台袖へと行ってしまった。

男はそのイベントの帰り道、また会えないだろうか、また私だけに歌を聞かせてくれないだろうか。と考えていた。

だがこの考えが傲慢なものだと気が付き、反省した。

それでもまた喋ってみたいな、と思った。

数日後、会社の帰りにコンビニによってお茶を2本買っていた。別にまた会える保証もないのに、と自虐的に考えながらも、どこか期待をしていた。

そして、公園に近づいた時、あの声が聞こえてきた。

男は軽い足取りで公園に向かっていった。

歌姫に会うために。


今回で完結です。

初投稿なので(ry

とりあえず楽しんでいただけたなら幸いです。

今後ともどうかよろしくお願いします。

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