第2部完結 ジャングル大帝
「手塚治虫氏の『ジャングル大帝』は素晴らしいものでした。それを模倣して『ライオンキング』とするなど、換骨奪胎なのは明らかです」と、オババが言ってます。
「か、かんこつだったい? それって、カンって骨をうったことで、どっかから、脱退したんですか」
「アメ」
「は!」
「自分で言うて、虚しくならんか。骨を打って、どこから脱退するつもりか」
「あの、まあ、話の流れ的には元の映画から」
「考えたな」
「いえ、それほどでも」って照れた。
「照れとる場合か、換骨奪胎とは、うむ、グーグルで検索!」
へ? 説明できんのかい。
グーグル先生によれば、
『先人の文章を取り入れ、それを、独自の工夫を加えて新しい作品とすること。最近では模倣の意味で使われることもあります』
だそうです。
「知的所有権とか偉そうに言うとる国が、自分のことはダンマリはない」
「しかし、それでも」
「それはそれ、これはこれじゃ。槍もて!」
槍なんてないし。
てか、な、な、な、なぜに、オババ、ここにいる!
叔母の離婚問題が解決して、アメ家のリビングにちょこんと座り、お茶しながら、『ジャングル大帝』のアニメ版を見てる!
「槍を持って、どうするおつもりで」
「ことによっては、米国のランドへいく。ランドへ行って、少々、話し合いが必要かとも思っている。ともかく手塚治虫先生は漫画の神様です。ときわ荘時代から、この人の漫画はちがうと思っておりました」
オババが問題にしているのは、手塚治虫の漫画『ジャングル大帝』と『ライオンキング』が酷似している点。
米国でも問題になった、映画『ライオンキング』との模倣問題だ。
その時だった。電話が鳴った。
「もしもし」
受話器の向こう側で、がちゃがちゃって騒音がして、電話、いきなり切れた。
ツーツーツーって、虚しい音が聞こえます。
なんだろうか?
履歴をみると、スマホの見なれない番号。
と、再び鳴った。
「もしもし」
「あ、アメさん?」
外からかけているのか、車の騒音が聞こえてくる。
「そうですけど」
「あ、あの、オレ、あの……、オレです」
オレオレ詐欺か!
私、ちょっち身構えた。
「太郎です」
叔母の娘優ちゃんの駆け落ち相手。動揺した声だった。
「い、いま、病院で。すみません」
「太郎くん、どうしたの」
私の声が激しかったのか、オババが映画を消して、隣に来た。
「優ちゃんが、優ちゃんが、倒れて……」
「優ちゃんが倒れた?」
オババが受話器をとった。
「どうした、救急で病院? わかった、場所は……。すぐ行く」
「アメ」
「は!」
「行くぞ」
いったい、何が起きてるの?
第2部完
第3部につづく
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ここまで、お読みいただいて、本当にありがとうございます。
第3部は、来月に再開します。
ハッピーエンドになりますので、また、お読みいただければ、とても嬉しいです。
申し訳ございません。お待ちくださいませ。




