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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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代えの利かない隊員

 ただ、変わったのは日本近辺の状況だけであり、欧州やアジアの戦況は、史実と全く同じであった。

 伸ばし過ぎた戦線により自滅していった陸軍のハンガーバトルは行われていたが、厳龍がいくら未来から来た強力な兵器だとしても、それら全てを防ぐのは、物理的に不可能であった。

 変わらぬ歴史もあれば少しずつ変わっていく歴史もある。その元凶は全て厳龍が作り出していた。

 だが、偶然タイムスリップに巻き込まれた彼等にとっては、日本海軍での日々は酷なものであった。

 沖田は、そんな彼等のメンタルケアに力を入れており、調子の上向かない隊員がいれば、カウンセリングを幹部に指示し、隊員の為に出来るだけストレスの無いように、力を注視した。

 その理由は、変わりが利かない配置が多数あるという事であった。現代の平時にたっぷりと訓練されていなければ、ハイテク装置の塊である厳龍を動かす事は出来ない。

 日本海軍の軍人に彼等の変わりを務められる人材は居らず、海上自衛隊の自衛官だからこそ出来る事だった。

 だが、それは日本海軍が劣っているという事では決してない。1945年と2012年の67年ものギャップが、そこにはあったからだ。厳龍に限らず2012年以降の人類の生み出す兵器は、そのほとんどが人智を踏み越えたハイテク兵器である。

 米内大臣に沖田がしつこく言われたのは、その部分だった。変わりがいないならいる人間で何とかする。ただそれは、最悪のシナリオだ。これは米内大臣の口ぐせであった。

 いくら最新鋭の兵器でも、動かす人間がいなければ鉄の葉巻に過ぎない。沖田がクルーのメンタルやヘルスに気を配るのはその為であった。

 とは言え、厳龍はほぼ休む間もなく、潜航を続けてアメリカ海軍の艦船を撃破し続けていたが、隊員たちは米内大臣や沖田の心配するほど、弱くはなく精強な働きブリを見せていた。

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