ゴルフ勝負お嬢様ズ!(3)
さて。いよいよカロナの番だ。
カロナは18番ホールを選んでいたが、このティーグラウンドにはゴブリンが登ってこれる程に危険度が高い場所だ。
そこにカロナはミスリル傘のメリーちゃんを構えて立つ。
「1打目を打ったら計測開始だよ」
「では行きますわよー!」
スライムがカロナの足元に来たのを確認し、メリーちゃんを振りかぶって――振り抜いた。直後、ゴブリンの頭が飛んだ。
「ナイスショット。さぁ、攻撃を仕掛けたからにはゴブリンたちがどんどん来るよ? 見せてくれたまえカロナ君。君のゴルフを!」
「ちょっと! 外野がうるさいのはマナー違反じゃないの!?」
「おっと失礼アカリ君」
[アカリンゴゥ]:”珍しく正論で草”
[俺氏0436]:”珍しいんだ……”
[@tam323]:”でもアカリパイセンのがうるさくないですかねw”
[アカリーゴン]:”確かにそうであるw”
「せーのっ、はっ、やっ! とっ! たぁ!!」
「! 素晴らしい、構えが全然ゴルフではなくまるでヌンチャクを振り回すかのようだが、近寄るゴブリンを全く寄せ付けない!」
「的が近寄ってくれるなら、むしろ当てやすくて楽ですわぁーーーーッ!」
カロナはグルングルンと左右に向きを変えて、横にした8の字を描くようなスイングでスライムを飛ばし、ゴブリンを射抜いていく。
「これは……デンプシーロール!!」
「しっているの、ソラ!?」
「ああ。ボクシング漫画であったんだが、殴った反動をも利用して体重の乗ったスピーディーなフックを叩きつける連続攻撃だ。カロナの動きはまさにこのデンプシーロールの原理を踏襲している……!」
「カロナちゃん、そのボクシング漫画を読んでいたってこと!?」
「え? でんぷ……知りませんでしたわ!!」
[リエル]:”お嬢w”
[@beruki]:”知ってた。お嬢だもんなー”
[@smallwind]:”草ぁ、リンゴの木生えるw”
[コムートン]:”ソラ様、そう言う古典漫画も好きよね”
しかしゴブリンたちは容赦なく近寄ってくる。撃破数のペースでは勝っているが――このままでは、ゴブリンがティーグラウンドに登って、カロナを襲うだろう。
「あ、危ない! カロナちゃん!」
「正面だから当然見えてますわよ。計算の内ですわ、そぉい!!」
ぐぐっと力を入れたカロナのスイング。その力強いショットは、ゴブリンの頭を貫いて――さらに、後ろのゴブリンの頭も破壊した。
「お優雅な2枚抜きですわー!」
「ニマイヌーキィ! なんということだ、もはやゴルフではなく別の競技になっているぞカロナ君!!」
「そもそもこれはゴルフではなく、『スライムゴルフ』でしてよクロナ様!」
「……確かにそうだな! この場は君の方が正解、ということか!」
次のショットはゴブリンの側頭を破壊しつつ、跳弾してもう1体を撃破した。
こうして、時間いっぱいまでカロナはゴブリンを撃破し続け――
――その場に湧いていた100体のゴブリンを、カロナは全て屠り切った。




