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いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで【コミカライズ2巻 2026/04/28発売!】  作者: 鬼影スパナ


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マルチダンジョン『スライムの滝』(3)


 それからしばらく、第一の型「ゴルフ」の練習をするダンジョンブレイバーのヤマト達。


「もうちょっと右ですわね。少し距離が近いですわ、10cmほど下がってみてくださいな」

「む、そうか?……おお! 上手く飛んだぞ!」


 カロナのアドバイスをうけ下がって打つと、スライムがボールのようにポーンと飛んで行った。うまいこと手加減も成功したらしい。


「ええ。よろしくてよヤマトさん。スライムの大きさと、スイングしたときの位置。これが大事ですわ」

「カロナ嬢ー、こっちもみてくれ。結構飛ぶようになった!」

「あ、ユウタだけじゃなくて私もみてカロナちゃん!」

「はいはい、順番ですわよー」


 《竜胆寺カロナちゃんねる:コメント》

”おー、だいぶうまくなってきたな”

”案外普通に練習してて地味”

”結構お嬢の指摘的確だな。ふむ、立ち位置が大事なんだなぁ”


 《ダンジョンブレイバー:コメント》

”いいね。飛んでるじゃん”

”そろそろ免許皆伝か?”

”あ、サクラがコア割った。あーあ、スライム君昇天”


 ダンジョンブレイバー達が順調にスライムゴルフを習得し、カロナもルンルンと嬉しくなり軽くスキップする。


 事前の契約では技能の習得にかかわらず授業料ということで報酬が貰える約束であった。だが、もし教えるのに失敗して、ヤマト達がなにも得られなかったとなったら、小心者のカロナは心苦しくてたまらないところだっただろう。

 無料で二回目のゴルフ教室を開いた可能性もある。


「そろそろ、次の型――バットと行きましょうか」

「バット? ということは野球か。それなら自信があるぞ。なぁユウタ」

「ヤマトと俺、昔は野球部だったもんな」

「あら。そうなんですの?」


 ならバットから教えるべきでしたかしら。とカロナはとりあえずスライムを持ち上げた。ぶにょーん、と手の中でぐってりしているスライム。完全に力が抜けている。ちょっと猫っぽさを感じた。


「それにしてもここのスライムはやたら大人しいですわねぇ。こんなにボコボコしてるのに、全然襲い掛かってこないだなんて……」

「さすがミコトが見つけたダンジョン、ってとこだな」


 カロナはスライムをつんつんとつつく。すると、ダレていた身体がしゃきっと丸くなった。


「このように、コアめがけてつっつくと少し硬くなるのですわ。で、これを……こうですわっ!!」


 少し硬くなったスライムを、ぽーんと上に投げて、カキーン!! と打った。スライムがぽーんと飛んで行った。


「これも、力を抜けばスライムがぽーんと飛んでいきますの。ゴルフと同じく」

「ふむ。こっちの方がやりやすいかもしれない」

「ノックと同じ要領だな、これなら得意だ、と思う」

「ねぇ、バドミントンの型はないの? バドミントン。私元バド部なのよ」


 と、ヤマトとユウタがスライムを持ち上げてつっついている横でサクラが言う。


「テニスの型とかありますけど、バドミントンでも通用すると思いますわ。私が突っついて硬くしたスライムを横から投げるので、スマッシュしてくださいまし」

「わかったわ、やってみる! あ、正面には立たないでね、そっちに打ち返しちゃうから」

「お。じゃあ俺達はちょっと今のノックやってるよサクラ。ユウタ、投げてくれ」

「あいよ。ちょっとべちょるけど」


 と、カロナがサクラに付き切りで練習を行う。ばちゅん! とコアが勢いよく地面にスマッシュされた。

 一方で、ヤマトとユウタはきれいにスライムのコアを打ち抜き、ホームランを飛ばしていた。


「……おお! ついフルスイングしちまったが、これはもう普通に使い物になるレベルだな!」

「だな。この勢いなら結構ダメージ出せるんじゃないか?」


 ヤマトとユウタは調子がよさそうだ。カロナも横目で見て満足気だ。


「うんうん。最低限使い物になりそうでなによりですわ。……サクラさん、もっとこう、前に飛ばす感じで。地面に向かってしまっては飛距離がでませんわ」

「むむむ! バドは相手のコートに叩きつけるカンジだから……頑張るわっ!」


 《竜胆寺カロナちゃんねる:コメント》

”サクラちゃんぇ……”


 《ダンジョンブレイバー:コメント》

”まぁこれがサクラよな。案外脳筋だったりするぜ?”


 こうして、講義時間は過ぎていき――無事、ダンジョンブレイバーの面々はスライムを打てるようになった。





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