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多言失言遺言  作者: シャバゲナイト老婆
first season
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10/49

スクロールの可能性

ゴールが見えない

 僕はバスに乗っている。

 正直な話、八話も消費しておいて、未だに話の本筋に入れていないのはどうだろうか。

 それもこれも、僕がテキパキと進んでいないからだろうが。

 せめて、このバスの中ぐらいでは、サッサと話を進めたいものだ。

 旭川空港から旭川の中心部までいくのに、僕はてっきり直通のバスに乗ってブーンとできるのだと思っていたが、どうやら普通に旭川空港発、旭川駅着のバスだったようで、途中のバス停では人が乗ってきている。

 その中に、面白い人がいた。

 それは僕だ。

 僕かよ。

 さて、僕の見た目はどうなっているでしょうか。

 まず、旅行カバンを持っている。

 まあ、これは旭川空港発のバスだから当然であろう。

 そして、手には北海道お土産である、蔵生と北海道農学校を持っている。

 旭川空港行きのバスならともかく、旭川空港発のバスで北海道土産を持っているのは、どうだろうか。

 だが、案外、お土産というものは、地元の人でも買ってしまうことは結構あるものだから、これは問題ないだろう。

 ふむふむ。

(・_・D フムフム

 ここで顔文字の再登場。

 今の時代、小説はオールフリースタイルと化しているので、顔文字を使おうが、(笑)を使おうが、(爆)を使おうがURLを張ろうが、それは小説として問題はない。

 へえ。

 じゃあ僕も顔文字を使おう。

(。◕ˇдˇ◕。)/

 ……必要な時だけ。

Σ(・ω・ノ)ノ!

 さて、話に戻るべきだろう。

 バスの中に面白い人がいて、それが僕だ。という話である。

 さて、僕が面白いポイントはどこなのだろうか。

 さて、面白いのは存外僕だけの、それが本人である僕だからなのであって、さて他人が僕と同様に面白いと思うのか。と考えると、安直に面白いとは言えないのではないか。

 人の感情というものは、必ずしも同じにはならない。

 むしろ、同じになることは、さりとて人生のうちで一度も、人間の何万年の歴史のなかで一度も、なかったりするのではないだろうか。

 さて、例えば、あるテレビ番組で芸人が面白いと思って笑う。

 それは、必ずしも自分だけが面白いと感じている訳ではない。

 テレビに映る観客、オーディエンスも笑っていたり、テレビを共に見ている家族だったり、友達だったり、はたまた、考えたくはないが、恋人だったりする人とテレビを見ていることだってあるだろう。

 僕も恋人がほしい。

 さて、僕はなぜ彼女が出来ないのだろうか。という、さてさて、誰でも考えることが出来ない問題。きっと、偉い学者が、ソクラテスとか、ガリレオや、レオナルドダヴィンチ(Leonardo da Vinci)でも解決することのできない問題を悩みはじめたら、僕はきっとバスが終点に着くまでは簡単に考えることができるだろう。

 が、今はそれが問題ではない。

 バスの中で面白い人がいて、

 いや違う。それよりも少し後に考えていたことだ。

 ああ、感情の話か。

 さて、テレビを見て面白いと笑う。

 他の人も面白いと笑う。

 さて、その面白さは本当に同じ面白さなのだろうか。

 本当に同じポイントで面白いと思っているのだろうか。

 その語彙がおもしろかったのか。

 その語彙自体はたいして面白くなかったが、その語彙をそのリズムに合わせて言うことに面白さを感じているのか。

 その語彙は聞いたことがなかったが、その聞いたことがない語彙を使用するその言葉使いが面白いと感じているのか。

 その語彙は知ってはいたが、あまり詳しく知ってはいなかった。そのあまり知らない語彙を使ってしまう。そんなことに面白さを感じているのか。

 その多様に面白いと感じたそれも、外から見れば、全て1つにまとめられる。

 芸人が言った、その言葉で笑った。となる。

 状況的に見ても、芸人が発言したタイミングで、同じタイミングで笑っているので、面白さが、面白いと思うポイントが同じと感じるのである。

 フムム。

 さて、話を戻しましょう。

 戻しましょうね。

 バスの中で面白い人がいて、早い話が、それが僕である。という話だ。

 さて、なぜ僕が面白いのでしょか。

 それは、いたって簡単。

 というか、今まで話を引き延ばしていた。

 遅延していただけであって、結局は、僕の面白いポイントは、たいして重要なことではなかった。

 それは、今までも散々に文章中に出てきたそれである。

 さて、僕が長々と自分語りを続けていて、じゃあオチをつけなさい。と言われたら、どうオチをつけるかを、理解している人は多いだろう。

 僕は、おしっこを漏らしたパンツを脱いでいなかった。

 おしっこ臭い!

 バスの中は密封されているから、臭さが目立つ!

 アハハ!

ウケる!

 泣きそうだ。

 なんも面白くない。

 旭川駅に着いたらパンツを脱ごう。

パンツを買おう。

 

 バスは一向に旭川駅に着こうとしない。

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