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参話_お食事券で雇用されてもいいかもしんない!!



「おや? そのおさるはなんです? 晴彦さん?」

「ああ、未央奈。こいつ、僕の古なじみでね。成宮尊っていうんだ?」

「おや、そうでしたの。ご実家はいずこの家門の?」

「成宮って言えばさ。古代の防人の総括をしていた、まあ防人頭の侍の家系だって話。尊はそんなことはどうでもいいって言っているけれどね」

「感心できませんわね? 家門と血脈を軽んじるというのは。尊くん? ご先祖はお嫌い?」


 ぬはう!! なんだなんだなんだ!! 金持ちが俺に話しかけてきたぞ!! ネルシャツがよれよれで、お昼のカツサンドのパン粉とソースでよごれているこの俺に!!


「きらいっつーか。わからん!!」

「は?」

「朝から晩まで日がな木刀を振り続けて。何であれで食えているんだよウチは?」

「えっと?」

「成宮流って剣術の道場でよ、うち。祖父さんの叡尊(えいそん)っていうのが当主なんだけど。俺も中二までは真面目に祖父さんに従って、木刀振っていたけど。あほらしくなったんだ」

「まあ、ご立派なおじい様がいらっしゃるのですね」

「ご立派かぁ?」

「はい、求道者とは必ず素晴らしいものですよ」


 むむむぬう。そんな事を言ってくる奴らは知っている。いわゆるHighソサエティ組。この蔵山未央奈はやっぱそっちかあ。


「あっはん? 尊が食えているのはさぁ? お父さんの双尊(そうそん)さんのお陰でしょ? あの必殺ソードヒットマンの」


 おう?! 焔の奴が成宮家ファミリ―シークレットをブッパしやがった!!


「アメリカのハーレム街区のダウンタウンでさ? SP二人に護られた要人を逃がすために、ポン刀二刀流で要人の政敵が寄こした兵隊五百人まとめて葬ったって、ヤバい噂。知っている奴なら知っているしねぇ~♬」


 やめろおおおおお!! ほむらぁ!! 鼻にグミ突っ込むぞコノヤロウ!!


「あら? そうなのですの? 晴彦さん?」

「うん、そうだね、未央奈。尊の父君の双尊さまは。二刀流の怪物剣士。日本では怖がられるだけの存在だけども、海外からの評価はひどく高いソードマンだよ」

「あら? あーらぁー。くすすすすす……」


 おわたー!! 尊くんオワター!! キリングマンの息子ってことばれたぁ!!


「マネージャー。皆様にお食事を。好みを聞いて、過不足なく致しなさい」


 未央奈は? 俺の事を追い出すかと思ったら? 店のマネージャーを呼び出して、接待の用意? 何考えてるんだ?


    * * *


 ロブスト・ロブスター・ロブステストォ―――――――――――――!!!

うめええええ!! ステーキハウスくらやまの『ロブスター&ステーキセット¥4,800(今日は奢られ)』うめえええええええええ!!!


「どうですか? 悪くないでしょう? うちの店、くらやまのお味は。ねえ、尊くん?」

「うめえええええええ!!」

「それでなんですけれど」

「うめえええええええ!!」

「美味しいですか?」

「うめえええええええ!!」

「月に何度も食べたいですか?」

「?! あたりまえだあああああ!!」

「強く望みますか?」

「熱望いたす!!」

「では、その為に働けますか?」

「イエス・サー!!」

「あらら、あらあら♬ では、そのお皿をお片付けしたら。お話にしましょう」

「うめえええええええ!!」


    * * *


 コーラごくごく。瓶コーラが出てくるあたりすげえなこの店。銚子港に遊びに行った時の自販機ぐらいでしか見たことねえぞこんなの……。


「ご満足いたしましたか? 尊くん、焔さん」

「うめかたよ、未央奈ちゃん!!」

「あら、よかったです。焔さん」


 ああ、なんていうか……。


「尊くん、満足いたしましたか?」

「……するわけない!!」

「え?!」

「たりない」

「……くくくくくく!! コレを見なさい尊くん!!」

「?!!!」

「【ステーキハウスくらやま:お食事券5000円券10枚チケット】!!」


 うおおおおおおおお!! ミオエもーん!! 貴様はエンゼルMarkかあ!!?


「これをあなたにあげますから。月に31日働けますか!!」

「ジャパニーズビジネスマーン!!」


 うおおおお!! もらっちったもらっちった!! やったぜこんにゃろう!!


 はたらくぞお!! 何させられるのかわかんないけど!!


           3話   END


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