自由なこころ その3
明け方近く、レンシーはヒュドラが居ないことに気付いた。
眠ってしまってからどれくらい時間が経ったのか分からないが、窓から見えるのは太陽が昇る少し前の明るさだった。
レ「ヒュドラはまだ帰ってきてないですね。ふーむ。」
少し考えたがとりあえず外の空気を吸いに出ようと思った。
ヒュドラに関しては心配はしていないが、エモ達がどうなったのかが気がかりだった。
きっとヒュドラも向かったんでしょう、私も見に行きますか。
レンシーはホテルへ向かい歩き出した。
レンシーがホテルへ到着する数時間前にヒュドラは捕まえた男を教会へ引き渡す為、従業員ではない男の人と一緒に歩いていた。
ヒュ「なるほどなるほど。それなら安心だな。それにしても苦労してるよなあんたも」
「慣れてますから」
従業員ではない男はため息をつきながら遠くを見つめていた。
ヒュ「縛り付けておいたほうがいいな、行動力は尊敬できるんだがな」
「そうしたいのは山々なのですが、どうやっても逃げ出してしまうのです」
ヒュ「今回ばかりは少し考えたんじゃないか?こんなことが起こったんだし」
「そうだといいんですがね」
愛想笑いしかできないヒュドラであった。
レ「あれ?誰もいないですね。エモの所行ってみましょうか」
夜は明け、エモならもう起きていると思ったレンシーはホテルの従業員に事情を説明し中へ入った。
扉を叩き声をかける。
レ「私です、開けてください」
「誰だ?」
中から声が聞こえる
レ「レンシーです」
「本当にレンシーか?」
レ「ええ、開けてください」
「本当にレンシーなら手に持ってる物を言ってみろ」
レ「いや、何も持ってませんけど」
「嘘だ!本当のレンシーならロウソクと鞭を持ってるはず」
レ「いやいや、今は持ってませんよ」
「・・・」
レ「棍棒は持ってますよ。ほら」
「・・・」
ガチャ、と扉があいた。
エ「やぱりレンシーだ」
レ「何ですこのやり取りは。どうです?大丈夫でしたか?」
エ「大丈夫だけど、んん、少し眠いかな」
レ「そうですか、良かった。ところでヒュドラは来ませんでしたか?」
エ「来てないよ」
レ「そうですか。どこ行ったんだろう」
エ「あー、あの子のマネージャーが朝来るって言ってた。それまでここで待つ?」
レ「そうですね、ちょっと私は飲み物持ってきます」
エ「うん」
レ「鍵は閉めておいてくださいよ」
レンシーは階段を降りていくとホテルのロビーにヒュドラを見つけた。
誰かと話していたが、レンシーに気づくと手をあげ呼び寄せた。
レ「どこ行ってたんですか?」
ヒュ「いろいろとな、ってかレンシーまだ寝てればよかったのに」
レ「そうもいきませんよ。もう朝ですからね」
ヒュ「俺は今一仕事して眠いから後で寝させてもらうぞ」
レ「何かあったんですか?」
ヒュ「あった」
レ「それは何です?」
ヒュ「詳しくはこの人から聞いてくれ」
とヒュドラは従業員ではない男を指差した後椅子に座り眠ってしまった。
レンシーが眠り込んでいる間に何かあったらしい。
前回の件で迷惑をかけた分レンシーが何か貢献できることをしたいと思っていたのだが、どうやら実現できそうにないようだ。
早速と男の話を聞き、驚いた表情を浮かべるレンシー、そして成程と頷いた。




