↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

第三話:お姉ちゃんと登校

第四話

 私たちの家から駅までは結構近い。

 ここで電車に乗って数駅先で降り、そこから徒歩で向かう。


 今年私が高校に入学してからは、お姉ちゃんと一緒に登校している。

 小学校の頃も中学校の頃もそうだった。

 運のいいことに中学校への道のりの途中に小学校があったので今までは困らなかったんだけど、昨年は初めてお姉ちゃんと別々の登校を経験することになった。


 あの一年を思い出すと苦痛でしかなかった。

 だってそうでしょ?

 登下校でお姉ちゃんに会えない。

 学校に着いても、どこを探しても、お姉ちゃんはいない。

 いないいないいないいないいないいないいない……。


 私に出来ることと言ったら、休み時間や授業中を利用して出来る限り宿題や勉強を終わらせ、家では目一杯お姉ちゃん分を補給することくらいだった。

 一応、スマホの中には容量ギリギリまで厳選したお姉ちゃんの秘蔵写真(残りはクラウド保管)があるから多少は誤魔化せるけど、やっぱり生のお姉ちゃんには到底かなわない。

 学校で寂しさを紛らわすために写真に見入ってしまって、家で触れ合えないなんて本末転倒もいいところだ。


 クラスメイトや担当教諭なんかはすごく受験勉強を頑張ってると思われてたみたいだからあまり邪魔はされなかったし、お父さんやお母さんは受験生のわりに家であまり勉強しない私を不思議がっていたけど、保護者面談で学校の様子を聞かされたら納得したみたい。


 実は私は結構勉強が出来る。

 中学校ではずっと学年トップを維持し続けたし、高校に入ってから受けた数回のテストだって学年トップは変わらなかった。

 それもこれも、全部お姉ちゃんのおかげだ。

 お姉ちゃんへの愛を自覚してからというもの、将来はお姉ちゃんに楽をさせてあげたくて必死に努力してきたのだ。

 そのおかげで進学校に入学を決めたお姉ちゃんと、こうして同じ高校に入ることが出来た。


 ちなみに、お姉ちゃん自身はあまり言わないけれど、お姉ちゃんは進学校にいるというのに、学年で一桁順位をキープしているらしい。

 さっすがお姉ちゃん!

 私には勉強をする大きな(お姉ちゃんという)動機があったから出来て当然だけど、お姉ちゃんは将来どうせ私と一緒に家で過ごすんだから勉強なんて出来なくてもいいのに、それでも一桁ってどういうこと? そんなすごい人、他にいる? ……いないよね。お姉ちゃん以上の人なんているわけないもん。




 心を弾ませつつお姉ちゃんと会話しながら歩いて行くと、やがて駅についた。

 改札を抜けてホームで並んで立っていると、電車がやって来た。

 乗り込むと、今日は比較的空いているのかひとつだけ空席があった。

 

「凛、席空いてるよ。座ったら?」

「ううん。私はいいよ。お姉ちゃんこそ座って?」

「私は朝ゆっくり寝かせてもらってるから平気。だから凛が座りなよ。もし寝ちゃったりしたら、私が起こしてあげるから」

「じゃあお言葉に甘えて……」


 私は頷き、薦められるがまま席に座った。

 はぁ……。本当にお姉ちゃんってば、どれだけ優しいの?

 電車に乗ったら我先にと空席に向かってダッシュする人が多いのにまさか私に譲ってくれるなんて。


 そのまま座らずに二人で並んで立つのもいいかなと思ったけど、なんといってもお姉ちゃんに起こしてもらえるのだ。そんな特典は逃せない。

 正直、お姉ちゃんと一緒にいるときは心臓が高鳴りっぱなしで眠気の欠片もないから寝たふりをするしかないんだけど、目を瞑ったまま声をかけられるのを今か今かと待つのって……なんかすっごくドキドキしそう!

 楽しみにしてるね、お姉ちゃん♡


 ――そんな至福の時間に身を委ねていると、声が聞こえてきた。


「あ、澪だ! おっはよー!」

お読みいただき、ありがとうございます。


下の方から評価★★★★★と、ブックマークをいただけたら嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。