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2.良薬口に苦し。

ギャグ挟まないと死ぬ病かもしれない。

(*‘ω‘ *)




「急患は、この男性……?」

「えぇ、この方は王都ガリアの――」

「そんなこと、どうでも良いから。さっさと診せて」



 おそらくは従者なのだろう。

 ひときわ煌びやかな鎧をまとった青年のことを説明しようとする相手に、私は興味がないとハッキリと告げた。その上で、色々と面倒な装備を脱がせる。

 上半身裸になった患者の胸部に耳を当て心臓の動き、さらには手首から脈を確認した。すると分かったのは、それらが次第に弱まっていること。


 このまま放置すれば、ほぼ間違いなく死に至る。

 そう考えたが、あえて従者には伝えず状況を訊ねることにした。



「ここまでくる前に、なにか変な物食べなかった?」――と。



 その言葉に従者は真剣に考え込む。

 そして、ハッとした表情でこう言うのだった。



「食べていました! ケイロン様は、紫色の木の実を!!」

「あー……なるほど、ね」



 私はそれを聞いて、患者の症状を察する。

 どうやら青年は『イエンの実』を食べたらしい。

 この木の実は、私の住む森にのみ成っている特殊なものだった。正確な手順を踏まずに口にすれば呼吸困難をもたらし、やがて死んでしまう。

 要するに、一般的に『猛毒』と呼称されるものだった。



「分かった。それなら、ひとまずこの水を飲ませて。私は家から薬を取ってくる。心配しなくても、死ぬにはまだ十分くらいあると思うから」

「ひえ、死ぬ……って!?」



 そうと決まれば、次の行動は決まっている。

 私は従者の男性に指示して、急ぎ小屋へと向かった。乱雑に置かれた瓶の中から、当該の薬の入ったそれを手にして戻る。

 到着すると主らしき青年は顔を真っ青にしていたが、息絶えてはないらしい。

 これなら、ひとまず間に合うだろう。




「それは……?」

「説明はあとで。とりあえず、薬を飲ませたら男の口を塞いで」

「へ? どうして――」

「いいから!」

「は、はい!」




 そんなわけで、私は水に溶いた薬を青年の口から流し込んだ。

 すると――。






「うぶおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」






 ――見目麗しい姿とは裏腹に。

 その青年は、あたかも獣のようなうめき声を発した。

 同時に薬を吐き出そうとするので、私と従者の男性でそれを抑え込む。この薬は、要するに『この世のものとは思えないほど不味い』のだった。

 開発した私としても、いつか改良しなければと思っている代物。

 ひとまず、この青年にとっては勉強代、ということか。




「あ、うぅ……?」

「ケイロン様! 目が覚めたのですね!!」

「あ、あぁ……ニア。だけど悪い、少し横にさせてくれ……」





 死の淵から戻った青年は、従者にそう告げて意識を失った。





「ケイロン様ああああああああああああああああああああああ!?」






 王都から遠く南方に離れた森の中。

 そこには、従者の男性の叫び声が響き渡っていた。






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