↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪いをかけられ婚約破棄をされた伯爵令嬢は仕事に生きます!なのに運命がグイグイ来る。  作者: みなみのうさぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/63

13 托卵令嬢

 次の日中庭でレオを待ったが彼はこなかった。


 不思議に思いながらも執務室へ向かうと皆物いいたげな顔で挨拶をしてきた。戸惑いながらリリーは部屋へ入った。


 席につくとアレクサンダーがリリーを呼んだ。

 今日も美しい顔をしたこの国の王太子は少し気まずそうな顔で切り出した。


「ダミアン。君アデノフォラ家のご令嬢をしっているね?」


「?はい。確かお二人いらっしゃいましたね」


「婚約許可願いが回ってきたんだが許可してよいか一応君に聞いておこうと思って」


「え?何故私に?」


「皆が君の相手はアデノフォラ家のご令嬢だと言うから」


「はぁ?初耳です!!」


「?そうなのか?じゃあ何故君はご令嬢の部屋へ通っているんだ?」


(!!そういうことか!!)


 リリーが与えられた自室へ男装姿で出入りしているところを誰かに見られたんだとリリーは納得した。

 運命の相手だから結婚してほしいと言ってきたのが行方不明の不名誉な過去を持つリリーだと思ったんだろう。


 たしかに普通にしていては結婚相手が見つからない傷物令嬢ならダサいダミアンに結婚してほしいとせまってきそうだ。


(わかっていたけれど改めて現実をつきつけられると悲しいわね)


 リリーは少し気落ちした。


 ここで自分が男装している令嬢だとばらしてもまずくはないと思うのだが、とりあえず書類を見てみないことには何がおこっているのかわからない。


「その婚約許可願い見せていただいてよろしいでしょうか?」


「これだよ」


「……」


 リリーは言葉を失った。そこにあるのはリリフォリア・アデノフォラとアルフォンス・ランズフートの婚約許可願い。元婚約者ともう一度正式に婚約し直したいという旨が書かれていた。なぜかランズフート家でもアデノフォラ家でもなくオーベアライヒ侯爵家が急ぎの添え状を書いて申請している。


「?」


(わけがわからない。なんでアルが私と?オーベアライヒ家がなんで?)


「性急にと頼まれたんだがアデノフォラ嬢がダミアンの恋人ならお前の気持ちも汲んでやりたいし。ご令嬢と話をしたいなら今日は仕事を休んでも大丈夫だぞ」


「いえ、このハインリッヒ・オーベアライヒ侯爵はなぜそんなに急いでらっしゃるんでしょうか」


「それがな、令嬢の名誉に関わるから一日でも早く……と」


 アレクは気まずそうにリリーを見つめた。

 部屋が静寂に包まれる。リリーは周りの視線が一段深く同情の気配をまとったのに気づいた。


(つまりアデノフォラ嬢が妊娠しているっていいたいの?)


「はぁ????」


 王太子への礼儀も忘れて叫んだリリーだったがその無礼を誰も咎めはしなかった。


 妊娠していることに気づいたリリーが父親として格下の子爵令息を選んだ。『運命だ』と性急に結婚しようとする話の筋が通る。


 てひどい恋の裏切りにあった年下の同僚をみんなが優しく見守っていた。


(行方不明令嬢の次のあだ名は托卵令嬢だわ……)


 くらりと目が回りそうだったがリリーは自らの将来がやはり修道院行きしかないと覚悟を決めた。


 そうとなれば。


(せめて不名誉ははらさせていただきましょう)










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。