別れ
二人は用を済ませてベッドに座っている。
「あーちゃん、今日はさせてくれるんでしょ?」
「ん、うん、まぁ、そう、だな。」
「じゃあ、服脱いで?」
「え?」
「自分で脱いでほしい。それが嫌なら私は手を出さないから。」
アルファは栄と目を逸らしている。
「分かった。」
栄はすぐに服を脱ぎ始めた。アルファは唖然としている。そして栄は服を脱ぎ終わる。
「な、なんだよ…脱げっておまえが言ったんだろ?」
「あ、うん。」
アルファは栄を押し倒した。そのまま甘い口づけをする。
(嬉しい…まだ諦めなくていいかもしれない…)
アルファはいつもより激しくそして丁寧に栄をいじめた。
「ア、ア、アルファ、そろそろ仕事…ん、」
「………」
アルファは行為に夢中で気がついていない。
栄はアルファを少し遠ざけた。
「仕事、だって。」
「あ、ごめん。」
二人はその後も毎日似たような日々を繰り返し、そして別れの日になった。栄はアルファの家の前にいる。
「なんか、寂しいな。こんなに早く会えると思ってなかったし、長くいれるとも思ってなかったよ。」
「アルファ、私から最後に言っておくことがある。」
「何?」
栄はポケットからイヤリングを取り出した。
「左耳貸して。」
「うん。」
栄はアルファの左耳に1つイヤリングをつけ、自分の右耳にもう片方のイヤリングをつけた。
「ほら、おそろい。」
「うん。」
アルファは嬉しさ半分謎半分。
「……イヤリングは2つで1セットだろ?だから、私とアルファでその…」
「え?待って待って待って?え?」
「私とアルファで1つだって言いたいんだ…だから、その、あの返事は
「待って!」
アルファは深呼吸した。アルファは栄と手を繋ぐ。
「じゃ、じゃあ、あーちゃん、私と結婚してくれますか?」
「………はい。」
「あ、そうなんだ、そうだったんだ…」
アルファはボロボロと涙を流す。
「私てっきり諦めなきゃいけないのかなって思ってた。こんなに嬉しいことはないよ〜。」
「うん。」
「嘘じゃない?」
「うん。」
「あ、あ、どうしよう、急すぎて何も用意してないよ。」
「アルファ、こっち向いて?」
「え?な
栄はアルファと口を合わせた。
「また会いに来るから。おまえが来れなくても私が来るよ。」
「あーちゃん、ありがとう!!!」
アルファは栄を抱きしめた。
その1ヶ月後、栄に届いたのはアルファの訃報であった。




