違い
「あーちゃんと仕事なんて久しぶりだなぁ。」
薄暗い中二人は街の中を歩いていた。
「そうだな。」
「この辺はあんまりブロッカー出ないから、厳重警戒じゃなくて良いよ。」
「ん?あぁ、そうなのか。ありがとう。」
「あーちゃん、槍持ってるけど免許取ったの?」
「取ってない。」
「えー、怒られるよ?」
「でも、私ら討伐部隊は暗黙の了解で見逃してくれるからなぁ。」
「ちなみに私は持ってるよ。」
「は?」
「色々役に立つかなって。」
「あ、そう…私も頑張ろ…」
「それが良いと思うよ。怒られないから。」
「それより、今日の指令は何だ?」
「今日はね、ここ最近この辺で見つけられたブロッカーを討伐だって。これがそのブロッカーの全体図。」
アルファはブロッカーの全体図を空中に映し出した。
「へー、なかなかゴツイな。ということは、骨が折れるような気がする…」
「私とあーちゃんなら楽勝だよ!さぁ、早く倒してあーちゃんのご飯が食べたい!」
「私のかよ。まぁ、良いけど。」
「えへへ、ありがとう。」
その後数時間探し続けるが一向に見つからない。もうすぐ日も暮れそうな時間になる。
「あーちゃん、どうしていないの?」
「欲しい時にいなくて、いらない時に出る。まさに人類の永遠の謎だな。」
「何言ってるの?」
「ちょっとな、よし。」
栄は槍を地面に突き刺した。
「?」
それを思いっきり蹴る。ただそれだけのこと。それでも、辺りに突風が吹く。
「うわっ!!」
サイボーグのアルファでさえ、もたつくほどの突風、視界には砂。だんだんと収まり始める。
「もうあーちゃん、何するの?」
「んー、出てこなかったか。」
「何?」
「いやな、私の地域でこれをするとブロッカーが何匹かパッと出てくるんだけど。」
「ここは都会だからね?見てよ、窓ガラス所々割れてるよ?謝らないと。」
栄とアルファは各建物に謝罪を入れた。もう夜は遅い。
「はぁ…いないなぁ、あ、連絡がきた。」
「なんて?」
「夕方の突風でブロッカーが山の方に逃げたのが確認されたから、明日討伐してくれって。今日は帰って良いって。」
「そうなんだ。」
アルファたちは家に戻った。
「んふふー、あーちゃんのご飯かぁ、後でそのあーちゃんも食べるし、満腹だよ〜。」
「まだ、食べてもないのに満腹って、はい、今日は和食にしておいたよ。」
「ありがとう!」
アルファと栄はゆっくりとそれを食べた。その後ソファでまったりとしていた。
「んー、あーちゃん、お風呂ー、入ろー?」
「アルファ、眠たいなら寝たほうがいい。私は明日もいるから。明日でいいか?」
「んー、いいよー。じゃあ、私お風呂入ってくるねー。」
(あれ?でも、あーちゃんから提案なんて……珍しいな、)
「ふぁー。」
(アルファのやつ、疲れが溜まってるな。いくら体が疲れなくても精神や思考回路は別だから休ませてあげないと。)
「あーちゃん、私寝るねー、おやすみー。」「おやすみ。」
アルファはすぐに寝息を立てる。
「……さて、」
栄は高嶺に通信をとる。
「あ、高嶺?悪いな、夜遅くに。」
「いえ、大丈夫ですよ。何用ですか?」
「私がいなくて大丈夫か?」
「はい、先輩が残してくれたボルたちがいるので、助かってますよ。」
「そう、ならいいんだけど。」
「そもそもの話、いくらサイボーグで守られていると言っても、圧倒的に数が足りないので、いつもと変わらない気もしますね。」
「今はサイボーグのいるところにしか人はいないから大丈夫だと思うけど、この先だよなぁ。」
「それは私達の方で考えますよ。先輩は討伐に尽力してください。」
「うん、じゃあ、
「あっ、待って。」
「なんだ?」
「アルファに伝えた?」
「お、おまえ、そ、そういうことは、私のタイミングでやるからいい!!」
「……俺だって、茜ちゃんから理由を聞いて諦めたんだ。だったら、せめてアルファに叶えてもらわないと。アルファに決めたんだよね?」
「………うん。私はアルファと……うん。」
「んー、あーちゃんどうしたのー?」
「あ、ごめんな?まだ朝じゃないよ。」
「そう?おやすみ。」
「……とにかく、アルファに伝えてから帰ってくること。そうじゃなきゃ、許さないから。」
「分かってるよ…じゃあな、おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
「すぅ、はぁ…….」
(YESの返事は緊張するなぁ。)




