表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 鈴元 香奈
9/9

希望の門

 西田に再会して二年が経った。俺は三十歳になっていた。

 俺は母校の大学院修士課程を受験して、合格通知を受け取っていた。

 春からは中学校を休職して大学院生となり、科学史と理科教育を学ぶ。

「頑張ってね。教員免許が専修免許に変わるんだっけ。私もそのうち行こうかな」

 同僚の斉藤が応援してくれる。その真っ直ぐな目が眩しかった。


「先生は春から大学院に行くことになった。精一杯学んでくる。そして、おまえたちの後輩に学んだことを伝えたいと思う」

「先生、頑張れよ」

「俺たちも来年の受験頑張るから」

 寂しいと泣き出す生徒もいた。思った以上に慕われていたようで嬉しかった。

 終業式では寄せ書きと花をもらった。不覚にも泣いてしまいそうになる。


 近くに考える人の像が鎮座した門を出る。ここは地獄ではない。希望を捨てさせてはいけない。


 大学の門を再びくぐる。散り始めた桜の花びらが風に舞っている。

 ここにも希望が溢れている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ