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第1章 旗無き傭兵

この世界から戦いをなくす。その使命にやとわれた傭兵たちはその運命を全うできるだろうか?

※※※

重々しい重機の音が鳴り響く一つの戦場。ただ蹂躙されるだけの民間人。

広がるのは地獄、兵士は叫び民衆は泣きわめく。

民衆はただ救世主を待っていた。

この世界は正史とは違う。本来、第2次世界大戦は連邦国側が勝ち、枢軸国が負けた。

だがこの世界は違う。ドイツが核を撃ち、連合国が敗北した日本とドイツ、イタリ…いやイタリアは生き抜くことができずにその政治体制を崩壊させた。

悪の枢軸が束ねる世界はいいものではない。日本が納める世界は軍事国家のまま。だがその

体勢をよしと思わぬドイツは日本に宣戦布告。だが日本は直後にアメリカとイギリス、ソ連

と条約を結び真珠湾、南西諸島の元欧州の植民地を課す代わりに不可侵条約、協力条約を結んだ。だが日本は連合軍が死に際にはなった原子爆弾を2つ食らっていてできれば戦争をしたないと天皇陛下からの命により自国、そして同盟国とともに再び鎖国を行い新たな連合、旭日連合を完成させいま世界では枢軸連盟と旭日連合によるにらみ合いが続き新たな戦争「冷戦」が

始まった。だがそれは間接的な武力のぶつかり合い。結局何も変わらなかった。

※※※

『任務の時間だ春嵐、AOT2357』

「Roger」

大型ヘリが上空に姿を現した。後ろの扉が開きそこから二体の影が飛び出す。

「さぁ狩りを始めよう」


「確認、敵勢力識別コード:無効化済み。――排除開始」

ひとりのアンドロイドが空から銃を構える。

精密な射撃、対物ライフル、その照準が敵主力戦車に向けられる。

大きな発砲音、破壊された戦車に、あたりは一瞬疑問を抱く。そんな中2体のアンドロイドが

ビルの上に姿を表した。そして互いの兵士は口を開く。

「なんだアイツラは!」「敵の増援部隊か?」と。

「NoFlag。これより作戦行動を開始」

静かな機械音が響く。

そして少女のような美しいアバターが声を上げる。

「戦闘を放棄してください。今すぐ両者武器を捨て交戦を中止してください」

だがそんな言葉に耳を傾ける兵士などいない。

「Operation1の失敗により、Operation2を開始します」

1人のアンドロイドの青い瞳が一瞬光を放つ。

そのアンドロイドの横から風のようにビルから降下する一つの影。

「Operation2を探知。これより殲滅活動を開始する」

着地による砂埃に反応した兵はそちらに銃を向ける。

だが構えた瞬間にすでに煙から出ていたのだ。あまりの速さに引き金を引く手が遅れる。

それによってできた僅かな時間。その時間で鋭い爪を展開し兵を切る。

兵士は呻き声を残して崩れ落ち、命の光は瞳から滑り落ちた。重い砲塔がこちらを向く。次の瞬間、爆炎が地面を舐める――が、それさえも彼女には遅すぎた。

「……動きがおかしい、あれは――兵器か!?」「後退しろ、相手にならん!」

前線にいる兵士はただ虚しい抵抗しかできなかった。


その頃両陣営は混乱の渦の中に居た。

戦闘中に所属不明の兵が二体現れ戦場に混乱をもたらしたからだ。

「申し上げます!奴らの所属がわかりました」

一国の司令室に電報が入る。その電報を見た司令官は激怒する。

「傭兵団No Flagだと?くっそどこぞの国に雇われてここに来たってことか…くっ犬どもめ…」

司令官と思われるものは戦場の兵に即座に命令を下す

「傭兵団を排除せよ」と。


地に降り立ったアンドロイドは自分の思っていたハンドガンで敵歩兵を殲滅。

向かってきた戦車に爪で斬りかかる。

爆炎の中で再びアンドロイドの攻撃が始まる。

航空部隊だろう。空からの攻撃がこちらに接近してくる。

だがビルの上のアンドロイドが照準を定め編隊飛行中の戦闘機に射撃をする。

思わぬ攻撃に編隊が崩れ戦闘機は旋回しビルの上のアンドロイドに狙いを定めた。

だが戦闘機はなすすべもなく落とされていく。


両国関係なくアンドロイドに狙いを定めた。だがその攻撃は虚しく終わりを告げた。

「さぁ革命の時間だ」

そう、これは傭兵が数多くの戦闘に介入し自分たちの正義を貫く革命団の産声だった。


※※※

戦争は一時休戦となった。

アンドロイドは敵の気づく間もなくその場から姿を消していた。

兵士はひとまずの休暇を得ることが出来た。だが国の状況はますます不安定になっていた。

「謎に介入してきた傭兵団には飼い主がいるはずだ」と。

傭兵は雇われてから行動する。いわゆる召使やスパイのようなものだ。それが単独で動くのはあまり考えられた話ではない。

傭兵には動くためのお金が必要だ。この一件もありおそらくバックに国が居なければそのお金の維持もできなくなるだろう。だからこそいち早く介入した国を探さなければならないのだ。

しかしその心配をしていたのは被害にあった二カ国だけではなかった。

このニュースを知った各国ではその行動に危機感を持っていた。

行動目的もわからぬ傭兵団が次はどこに出没するのかも、兵力もわかっていない。

もちろんバックにいる国もだ。

中には戦闘を繰り返せばやがて相手が疲弊し潰せるのではという考えもあったが、

それは自分たちへの被害も大きすぎると断念。ただひたすらに時は過ぎていくだけであった。

※※※


アンドロイドたちは戦場の引き際を悟りその場から姿を消した。

戦場から少し離れた場所にあるヘリに乗りその場から脱出したのだった。

「いや〜疲れたね〜」

1人のアンドロイドが喋りだした。

その声の持ち主は先ほどビルから狙撃をしていた「清水・春嵐」であった。

彼女は椅子に座りながら隣の席のアンドロイドに話しかける。

「まぁな。初任務ってこともあったし派手にやったのもあるしな」

横ではウサギ耳をしたアンドロイドが本を読んでいる。

このアンドロイドこそ戦車や歩兵を蹂躙していたAOT2357であった。

二人は初任務ってこともありかなり疲弊していた。

…二人はアンドロイドながらも心を手に入れたものだ。いや、元はアンドロイドではない。

人間の体で作られた春嵐と人間の脳を移植して作られたAOT2357。

二人は身勝手な研究による被害者だ。

そして不運にも行き場を失い彷徨っていたところを団長AOTに救われた。

彼の築いた傭兵団には彼のような普通の人間や身寄りもない人々を快く引き入れていた。

バックには国は居ない。だが企業が居た。

その企業は軍事企業であったが世界平和を望む矛盾しか無い企業であったが奴らは我々の

傭兵団を快く受け入れてくれた。彼らはスポンサーのようなものだ。

どう動こうともこちらの勝手だ。1つとして企業の名をバラしてはならないこと以外はほぼ

自由にやれている。

今回は自分たちの存在を世界に証明すること。そして、繰り広げられていた戦争が実にくだらないものであったこと、その前提としてこの世界が腐りきっていることであった。

この戦闘により各国はどのような反応をしても彼らのすることは変わらなかった。

「革命」の準備はできている。旗の持たぬ傭兵たちが新たな秩序の世界を築くことを夢に見て…



傭兵たちを支える企業。彼らは何を考えているでしょうか。彼らは何を望むのだろうか?

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