表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/29

14.5 三谷 英二

18.5三谷 英二


 代々、俺の家系はこの日本国にっぽんこくつかえてきた。

 高祖父こうそふは日清戦争を経験したとかしていないとか、曽祖父そうそふは官僚だったと聞く。祖父ちゃんは航空自衛隊のパイロットだった。親父も陸上りくじの第一空挺団を経験しているから、その経験も相まって、俺は祖父ちゃんの武勇伝をたくさん聞いて育った。祖父ちゃんは戦後も戦闘機乗りをしていたが、年齢と共に心臓が悪くなり、パイロットから技術者に転身、二〇〇〇年代に入るとAEDエーイーディつまり人工の心臓を移植してその職務をまっとうした。それから数年後には退職し、今は老人ホームで暮らしている。親父が祖父ちゃんの武勇伝を話しているときは、キラキラと子どものような目をしていた。親父も親父で、十八歳のとき、第一空挺団の落下傘部隊を経て、そのあとは出世コースを歩んだ。田園都市ユートピアに移住したのも親父の影響が大きい。

 啓示現象については教えてくれなかったが、今思えば、この現象が起きることを知っていたんだろう。

 

 俺も親父たちと同じようにこの国に仕えるだろう。それがどんな形であれ、日本人として誇りを持ち、この国を守っていきたいと思う。


 そんな志を買われたのか、氏家先生から田園都市ユートピアに暮らしていて、自分の生活圏で怪しい奴がいれば報告するようにと言われた。怪しい奴というのは、つまり、脅威になりそうな反社会的勢力のことだ。最初、作間さくま 淳平じゅんぺいがそうだと思っていたが、色々と話していくうちに良い奴だとすぐにわかった。生まれや育った環境で人のことを判断するのは、偏見であり、あらためなきゃいけないことだと思い知った。

 今、それよりも怪しい奴と言えば、田中たなか 彩芽あやめだ。彼女は何かを隠している。上っ面は大人しげで控えめなものだが、その素性は何一つわからない。違和感、───というものを感じるのだ。みんなで輪になって自己紹介したときも慎重に言葉選びをしているような、何か隠しているような感じを受けた。メモ帳の件といい、確実に何かがある。今度の花火大会でさぐりを入れてみるか。


 それはそうと、俺は氏家先生と約束したことがある。毎日、五キロのランニングと筋トレをしなければいけない。毎朝、午前六時に起きて街中を走ることにした。夏休み一日目、したらどうだ、葵と街中で出会でくわした。ルートも一緒、走り終えた場所も公園だったから、その流れでこれから毎朝一緒に走ることになった。葵も氏家先生から毎日走ることを約束したんだとか。



─────────────────────


 転送開始可能日まで、───残り343日。


─────────────────────


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ