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AIを使うと馬鹿になる?――その答えをAIと一緒に考えてみた  作者: 山田りく


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22/22

第22章「なろう系終了のお知らせ」――あれ? その物語、なろう系じゃね?

「なろう系はもう終わった」


そんな言説が、KADOKAWAの業績悪化をきっかけにネット上で飛び交っている。


KADOKAWAは実際に、国内出版事業について「既存の勝ちパターンへの過度な依存」を収益性悪化の要因として挙げている。


その中には、「なろう・異世界系」など実績のあるジャンルへの偏重、市場飽和、企画の類型化、刊行点数を増やしてもヒット作につながらないことなどが含まれている。


そして、それを見た人たちが言う。


「ほら、なろう系は終わった!」


……ちょっと待ってほしい。


何が?


小説家になろうが終了したのか。


なろう発作品が終了したのか。


異世界ファンタジーが終了したのか。


ライトノベル市場が終了したのか。


KADOKAWAが「なろう系なら何でも売れる」という戦略を終了したのか。


それとも、単に「自分が嫌いな作品が売れる時代が終わってほしい」という願望なのか。


ここを全部ひとまとめにして、


«KADOKAWAが赤字

なろう系に偏重していた

なろう系が原因だった

なろう系は終了した»


としてしまうと、途中の論理が何段も飛んでいる。


しかし、もっと面白い現象がある。


その「なろう系終了」という物語そのものが、あまりにもなろう系なのである。


---


悪役KADOKAWA、ついに「ざまぁ」される


構造だけ抜き出してみよう。


かつて成功していた大企業がある。


大量に作品を投入し、人気ジャンルに集中する。


しかし、やがて市場が飽和する。


作品は類型化し、ヒット作も小粒化する。


そして業績が悪化。


会社は方針転換を迫られる。


それを見た読者たちが、


「ざまぁwww」


と歓喜する。


……これ、どこかで見たことがないだろうか。


そう。


「追放された主人公を馬鹿にしていた連中が、後から没落する」


あの構造である。


もちろん、「ざまぁ」という感情自体は、なろう系が発明したものではない。


勧善懲悪、復讐劇、時代劇、昔話。


「調子に乗っていた奴が最後に痛い目を見る」という構造は、昔から存在する。


だからこそ、ここで重要なのは、


「ざまぁ=なろう系」という話ではない。


そうではなく、


「なろう系は幼稚だ」「テンプレばかりでつまらない」と批判していた人たちが、現実の企業ニュースを見た瞬間には、


強者→失敗→没落→勝利宣言


という非常に分かりやすい物語に変換して消費していることだ。


つまり、ニュースを分析しているようで、いつの間にか物語を読んでいる。


---


「事実」から「ざまぁ」まで、どこで物語になったのか


ここを整理すると、もっと分かりやすい。


まず、


事実


KADOKAWAの国内出版事業の収益性が悪化した。


次に、


会社側の分析


既存の勝ちパターンへの過度な依存があり、その中には「なろう・異世界系」などへの偏重もあった。


ここまでは、会社の決算・経営計画から確認できる話だ。


ところが、そこから、


解釈


「なろう系に頼ったからKADOKAWAは自滅した」


となり、


さらに、


一般化


「なろう系そのものが終わった」


となる。


そして最後に、


感情


「ざまぁwww」


が乗る。


この最後の部分まで来ると、もはや決算分析ではない。


自分が見たい物語に、現実を当てはめているだけである。


---


これ、AIを使うときにも起きる


そして、ここが「AIを使うと馬鹿になる?」という話につながってくる。


AIは、こういうとき非常に便利だ。


大量の情報を短時間で読ませる。


要約させる。


因果関係を整理させる。


それらしい結論を出させる。


すると、人間は「理解した気」になれる。


しかし、本当に危険なのは、情報量が増えることではない。


自分が欲しい結論に至るまでの途中を、省略してしまうことだ。


「KADOKAWAが赤字になった」



「なろう系に偏重していた」



「なろう系が終わった」


この三つの文章は、それぞれ意味が違う。


ところが、途中の接続を確認しないと、一つの因果関係に見えてしまう。


そして一度「なろう系終了」という物語が完成すると、今度はニュースの一つ一つが、その物語を補強する材料に見えてくる。


これはAIに限った話ではない。


人間はもともと、自分にとって分かりやすい物語へ情報を圧縮する。


AIは、その圧縮をものすごい速度で手伝うことができる。


だからこそ、


「AIに要約してもらったから理解した」


ではなく、


「その要約で、何が省略された?」


と考える必要がある。


---


そして最大の皮肉


「なろう系は、主人公に都合よく世界が動くからつまらない」


そう批判する人がいる。


ところが、


「KADOKAWAが業績悪化した」


という現実を見た瞬間、


「自分たちが嫌いだったなろう系が市場に負けた」


という、自分たちに都合のいい物語へ変換してしまう。


KADOKAWAの決算が証明したのは、


「自分が嫌いなジャンルが消滅したこと」


ではない。


まして、


「なろう系終了のお知らせ」


というタイトルでもない。


証明されたのは、少なくともKADOKAWA自身が、


「既存の勝ちパターンに依存しすぎたので、戦略を見直す必要がある」


と判断したことだ。


そこから先は、読む側が付け加えた物語である。


そして、その物語が、


「悪役が没落して読者がスカッとする」


というものだったなら――


あれ?


お前ら、なろう系嫌いじゃなかったん?w


「なろう系は終わった」というニュースを、誰よりも「なろう系らしい物語」として楽しんでいた。


そう考えると、今回の騒動はなかなか皮肉である。


そして何より、


現実を自分の好きな物語に変換してしまう。


その瞬間、人は「情報を得た」のではなく、


物語を消費しただけなのかもしれない。



※作者文

AIにまとめてもらいました。

もともと、『なろう系終了』みたいなエッセイを読んだのが、これを書こうと思ったきっかけです。

最初は単純に、

「KADOKAWAが赤字」

「なろう系終了」

という話を見て、

「……ん? 小説家になろうってKADOKAWA運営だっけ?」

という、盛大なボケをかましていました。

そこから、

「そもそもKADOKAWAの赤字って、なんで?」

と調べてみると、確かにKADOKAWA自身が、国内出版事業の収益性悪化の要因として、「なろう・異世界系」など実績のあるジャンルへの偏重を挙げていました。

同社が、ね。

ここが個人的には重要でした。

じゃあ、

「KADOKAWAがなろう系に偏重していた」

「なろう系市場そのものが終わった」

なのか?

発表されている数字から考えてみよう、とAIと議論しながら調べていきました。

では、他の会社はどうなのか。

アルファポリス社さんや、オーバーラップ社さんなどを見てみる。

……黒字やん。

となると、

「KADOKAWAの赤字=なろう系市場の終焉」

と単純に結びつけるのは、ちょっと無理がある。

もちろん、各社それぞれに事業規模も戦略も違います。

なので、一概に「KADOKAWAの戦略が失敗した」とまで言うつもりもありません。

ただ、KADOKAWA自身が挙げている「既存の勝ちパターンへの過度な依存」や、刊行点数の増加、作品の小粒化、市場飽和などを見ると、少なくとも**「なろう系というジャンルそのものが消滅した」という話ではなさそうだ**、というところまでは言えそうです。

そこで次に出てきた疑問が、

「じゃあ、『なろう系終了』って言っている人は、何を根拠に、何が終わったと言っているんだ?」

でした。

そもそも「終わった」という言葉自体が曖昧です。

何を指しているのか。

どの数字を見ているのか。

いつと比較しているのか。

どこまで縮小したら「終了」なのか。

そこが定義されていません。

だから、こちらの想像が入っている部分もかなりあります。

浅い記事を読んで、そのまま結論を出したのか。

あるいは、全部分かったうえで煽っているのか。

正直、それは私には分かりません。

ただ、一つだけ言えるのは、

「KADOKAWAの業績悪化」という事実から、「なろう系終了」という結論を出すには、情報が足りなくない?

ということです。

そして、そこまで考えていたら、

「……あれ?」

となりました。

「なろう系はテンプレばかりでつまらない」

と言っていた人たちが、

「KADOKAWAが落ちぶれた! なろう系終了! ざまぁ!」

という、ものすごく分かりやすい物語を楽しんでいる。

……それ、めちゃくちゃ「なろう系」じゃね?w

そんなことを調べて、AIと雑談しながら書き上げました。

長くなってしまいましたが、楽しんでもらえれば幸いです。

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