第78話 アッシュの使命
最初にその危機に気付いたのはアッシュだったのだろうが、声をあげたのは剣鬼だった。
「上を見ろ!」
剣鬼の危機迫る声にアケマドーレ以外の全員が頭上を見上げ、絶句する。
頭上を覆う古代龍の群れ。彼らは主人を助けようと猛り狂っていた。
「ギャー」
「ギュー」
「あ”あ”あ”」
様々な怒号を上げて急降下してくる。
アッシュ以外の全員が死を覚悟した瞬間だった。
「お座り!」
アッシュの口から不思議な声が出た。
静か。優しく。そして抗えない。
そんな矛盾する力の声。
次の瞬間、空を埋め尽くしていた猛り狂っていた古代龍の大群は、全て地上に平伏していた。
あり得ない。
アケマドーレの言葉とその光景が重なる。
それは物理法則を完全に無視する現象だった。
その力を行使される前に自ら平伏したアケマドーレは畏怖で大きく開かれた眼を静かに閉ざす。
「我が同胞の愚かな行動を謝罪する。あなた様のあまりの偉大なる波動に我を忘れ、一族の統制を疎かにしてしまいました。
申し訳ありませぬ」
アケマドーレの声は恐怖のためか畏怖の気持ちのためか僅かに震えていた。
「ああ、ごめん。やり過ぎちゃったよ。みんな起きてよ」
アッシュがそう言うと標本の昆虫のように地面に貼り付けられていた古代龍が、恐怖で震えながら身を恐る恐る起き上がっていた。
「同胞の解放を感謝する」
アケマドーレが言う。
「うん。それよりシア殿下を返してもらってもいいの?」
アッシュがこんな状況にも関わらずブレずに尋ねた。
「そのことも、我が同胞のギガズがあなた様の作られたその可愛らしいマスコットに魅了されて姫と共に拉致してしまったのだ。
聞けば殲滅龍と一緒になってあなた様を攻撃したとか、お仕置きのために殲滅龍を閉じ込めた牢に閉じ込めておきました」
と驚きの話だ。
「そうなんだ」
アッシュは定番のとぼけた返答を返している。
「ところでアッシュ殿は、この世界の混沌を沈めるために降臨されたのでしょう?」
突然のアケマドーレの質問だ。
クラスメイトが一斉にアッシュの方を見た。どう回答するかを確かめるためだ。
「降臨? 転生のこと?」
アッシュが聞き返す。
「転生と、さすがにそこまでは我の如きでは。あなた様は輪廻の理を司っておられるのですか?」
アケマドーレは興味深そうに尋ねた。
「まあ、司ってはいないけど、転生のことは何となくね」
誤魔化すアッシュだ。
「左様ですか。さすが」
定番の勘違いが発生したようだ。
「いや。そんなの大したことじゃないよ」
重ねて定番のおとぼけが炸裂し、アケマドーレの顔が驚愕で歪む。勘違いが更に深化している。
「おお、神よ」
アケマドーレの祈りの言葉に、全古代龍が無意識に拝跪していた。
それを真似てアッシュ教徒たちも拝跪する。
「ダメだよ。立って立って」
アッシュが皆を立たせる。
クラスメイトたちがそんなアッシュと皆のやりとりを何度も首を左右に振って見比べていた。
もはや驚きを通り越して傍観者のようだ。
「あなた様の眷属には魔法生命もいるのですな」
アケマドーレがレディを見て言う。
「初めまして、魔法から生まれた龍種よ。あなたは残念な出来損ない。私と一緒にしないで欲しい」
レディが冷たく答えた。
「そうだな。我は不完全だ。大き過ぎて世界の不浄を払うには不効率過ぎた。
この子たちを作ったがまだまだ不効率だった」
アケマドーレがレディの批判を肯定した。
「アッシュ様が世界の不浄を『お掃除』されていると言うのにあなたという龍は、アッシュ様のご学友を攫って邪魔するとは、本当に呆れて言葉もありません」
レディは辛辣である。
「返す返すも申し訳ない。するとアッシュ様は、もう世界の救済を手掛けておられるのですな」
アケマドーレが尋ねた。
「当然です。この方の歩まれるところこそ、清浄な神の座」
「おお」
アケマドーレが感動の声をあげる。
「何難しいこと、話しているの? 俺がそんな凄いことをしてるはずないだろ。
ただの掃除だよ」
アッシュが言う。
「はい。滅びに瀕していた暴走するこの世界を救う。それが『お掃除』ですね」
ニコニコとレディが言う。
「掃除は掃除だよ。汗を流して綺麗にしたらみんな気持ちいいだろ?」
アッシュはどこまでも定常運転だった。
そしてアッシュは静かになった龍の棲家を見回す。そして僅かに眉を寄せる。
「ああ、ここも魔力の残滓が多いね……、さあ、みんな一緒にお掃除だよ」
(了)
後書き
最後まで読んで頂きありがとうございました。
本作はこれで終わりです。
もしよろしければ、少しだけ。
この物語はAIを使って書いた作品です。といっても文章は全て作者が書いています。
誤字脱字のチェック、表記の揺れなどを中心にAIを使いました。
AIは使い所が難しいです。表記揺れの修正は言い方を変えると個性の消失でもあります。
今回この作品は550話の作品としてプロットの作成しました。この作品には実は長く続けることができるエンジンが仕組まれています。そのカラクリはいつかどこかで明かすかもしれません。
後書きを書くつもりになったのは、この作品は私らしくない作品となってしまったのでお詫びしたかったからです。
AIによる分析を行ったため、考え過ぎて書いたためでしょう。読者のみなさんに楽しんでほしいと言う純粋な気持ちよりも物語をどう作るかばかりに意識が向いていたのではないかと反省します。
しばらく休憩したあと、やり残した未完の作品を完成させたいと思っています。
皆様の健康と益々のご繁栄を祈念しております。
ありがとうございます。




