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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第1章】トンネルを抜けたら異世界でした
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【01-06】これからの名前を決めよう

「ところで光莉ちゃん。」

「なに?」

「あのゲームで習得して、この世界でも使える(予定)のスキルの確認は後にして。あたしたちの名前って、このままでいいのかな?」

「ああ、その問題があったね。」


そういえば、その問題も解決しておかないといけないね。そう、世界物ではたいていの日本人が言われるあの言葉。


『お名前は何ですか?』

『俺か?俺の名前は倉雄正司くらおしょうじ(仮)だ。』

『クラオがお名前で、ショウジが家名ですね。何処かのお貴族様ですか?』

『いや、貴族でも王族でもなく、ただの平民だ。それと、クラオが家名で、ショウジが名前になるな。』

『そうなると、極東にある島国のご出身ですか?』

『ふ~~~ん、この世界にも、日本みたいな国がるのか。』

『二ホンっていう国はありませんよ?その島にあるのは〇〇という国ですね。』


そんな会話を、何処かの誰かと繰り出す事が、異世界のテンプレになってきている気がするが、そもそもどこの異世界にも、大陸の端っこ、・・・・それも東の端っこにある島国で、日本みたいな文化を持っている国があってたまるかと。

異世界に流れてくるのは、日本人だけではないはずだ。

しかし、日本だけ優遇されているような感じの国家配置など、あってたまるかと私は常々思っているのだ。そして、その島国にだけ、お米やみそなどの日本の食文化が根付いているのも、これまた異世界の7不思議に入れてもいい要素でもある。


まあ、そんなどうでもいい事(人によってはどうでもいい事ではないとは思うが)は置いておいて。


「そうだね~~~~。この世界には、・・・・というか、たいていの世界には、国ごとによって名称は異なっているとは思うけど、王族・貴族・平民・奴隷の4つの身分は存在するよね?

ところで光莉ちゃん。

なんで例として出てきた名前が、私達の名前ではなく、倉雄正司(仮)さんなの?その名前、何処から出てきたのかな?」

「うん、そうだね。その4に身分は、何処の世界にも必ずあると思うよ。もっと細かく分類されているとは思うけどね。

あと、出てきた倉雄正司(仮)さんは、何かのラノベで出てきた主人公だね。なんとなくだけど、不意に思い出しただけでこれといった他意はないよ?」


軽く流していこうとした例題に、コトリがまさかの名前の部分で食いついてくる。私も言い訳したように、唐突に頭の中に出てきた名前で、他意は全くない。確かこの主人公が出てきたラノベは・・・・・。


「・・・・ああ、あの『ドキドキ♡恋愛大作戦!!異世界転移でハーレム勇者やってたら、実はクラス転生していいた元クラスメイトでした』っていう名のラノベの主人公さんか。

あらすじは確か・・・・・。」


寿李も唐突に思い出したのか、そのラノベの題名を言い当ててきた。


この『ドキドキ♡恋愛大作戦!!異世界転移でハーレム勇者やってたら、実はクラス転生していいた元クラスメイトでした』というラノベのあらすじはこうだ。


ある日、学校の始業時間に、自然災害や交通機関の遅れでもなく、おもいきり遅刻(すでに2時間目が終了する事に学校に到着するほど)した主人公の倉雄正司君。

学校の校門をくぐった際に、足元に魔法陣が現れて異世界転移してしまう。テンプレのごとくその異世界で勇者として魔王討伐の旅に出る事を強制され、仲間を集めながら魔王城まで旅していくというストーリーだ。


なお、この話にはサイドストーリーが存在している。

倉雄正司君が転移した瞬間、実は彼のクラスに、この世界の魔王から送り込まれた、魔族と魔物の軍勢により襲撃されており、その結果クラスメイトが全員死亡してしまう。この魔族軍は、指定されていた教室内にいた全員を殺害後、意気揚々と元の世界に帰還する。まさか、勇者として召喚される人物を、生かしていたなど夢にも思わずに。

これは、人族側の異世界(勇者)召喚を事前に察知した魔王が、勇者として召喚される人物を、事前に殺害しておこうと計画した結果だった。そして何時いつ、何処の世界の何処か(ほぼピンポイントで場所まで特定)から、召喚されるのかは事前に判明していたが、相手は異世界の住民。

まさか、勇者になる本人が遅刻してくるなど、想像すらできなかったのだ。


さて、そんな巻き込まれる感じで殺されてしまったクラスメイト達(先生含む)を哀れんだ神様が、その世界の(人族側の)住民として転生する事になった。

この時、転生させた事実を魔王に隠すため、召喚時から数えて15~20年前のタイムラグを設け、元の性別は関係なく、たまたまその時死産が確定していた胎児に宿していく。そうして転生させたカレラ・彼女らは、とある条件を元に前世の記憶が戻るまじないをかけており、その条件に適合しない限り、ちょっとチートな力を持っただけの普通の人生を送る事になる。


さて、勇者としての基礎訓練を終えた倉雄正司君は、まずはその国にある神殿を訪ね、1人目の仲間である聖女様をゲット。倉雄正司君(勇者)と出会った瞬間に、前世の記憶がよみがえった聖女様は、実はクラスメイトで、彼とは結構仲の良かったクラス委員長だった。

こうして、仲間として出会う人物が実はクラスメイトで、中には(男女問わず)TS転生してしまった者もいたという物語だ。


閑話休題。


噂のラノベなあらすじは、(2人の意見の総意を持って)ここいらで終了するとして。

話を本線に戻して、話の続きをしていこうか。


「まあね。この4つの身分を基本として、その下に枝分別れしていくのが、たいていの身分での基本形態だけどね。

でだ。今のあたしたちの現状を鑑みるに、王族と貴族には絶対なれないよね。」


寿李も、やっぱりそう考えるよね。勇者や聖女として召喚されているのなら、王侯貴族と知り合いになってその後ゴールインできるかもしれないけど、今の私たちにはそんな事は考えるだけ無駄だ。

なので私も、寿李の意見に賛同して話を付け加えていく。


「そうだね、王侯貴族(その2つ)の身分を得ようとすれば、ちょっとしたコネが必要だと私も思うよ。

奴隷に関しては・・・・・・、なんとも言えないけど、借金をするか、犯罪者になるか、親が奴隷だったとか、奴隷狩りに遭ったとか。この4つの事例でない限りは奴隷にはならないよね?

基本的には。

平民の身分を得る事に関しては、結構簡単だと思うけどね。」

「まあね。特殊な例として、『異世界人は皆奴隷だ』なんて世界もあるにはあるけど・・・・。

そういった世界では、召喚後にすぐ奴隷になるか、転移後、何処かの町に入った瞬間に奴隷になるかのどちらかだ。この世界がそうであった場合は、そうならない対策が今ならできると思うよ。」


その対策とは、・・・・・この世界の平民になりすます事。そして、向こうが『異世界人はすぐさま奴隷に』を実行するならば、こちら側が平民に成りすまして知れっと輪の中に入り込む。

こんな感じの対策が、すぐに頭に思いつく。

別に問題はないとおもう。だって、これをやるのは、奴隷にならないための自衛手段の1つだから。

『異世界人はすぐさま奴隷に』という世界でないのなら、平民の身分を得る事はそんなに難しい問題でもない。地球の先進国家のように、しっかりとした戸籍が存在しているのならともかく、自分の足元で暮らす民の総数すら、正確に把握できていないだろう世界ならば、平民の身分ならば欲をかかなければ簡単に手に入るモノだ。


「平民に成りすます・・・・・、という事は、苗字なんかを名乗っていたらいけないよね。」

「そういう事。だからこれから先私は今宮の家名を捨てる。コトリも、天璋院の家名を捨てるといいよ。」

「そうだね、そうするよ。せめて平民が、苗字を名乗っているかどうかが判明するまではね。それと、ヒカリちゃんもあたしも、名前の方は変えなくても、別に問題はないよね?」

「まあ、ヒカリもコトリも、日本人っぽい名前だけど、海外でもありそうな名前だからね。そこまで改名する必要はないと思うよ。何なら、思い切り海外風の名前に改名してしまっても、今の私達ならこれといった問題ではないよね。

どうする?寿李?

ヒカリとコトリでもいいし、全く新しい名前を名乗ってもいいし。新しく名前を作るなら、あのゲーム内で名乗っていた名前、私は『アトラス』と、寿李は『レムリア』とでもしておこうか。新しく名前を作るのだから別にどうでもいいけど、やっぱりそれなりに使っていてすぐに反応できる名前の方がいいしね。」

「アトラスとレムリアか。たしか両方とも伝説の大陸や文明を基にしていたよね。でもその名前にすると、今の容姿的には合わないような・・・・。ゲームに中では光莉ちゃんは金髪で、あたしは銀髪だったからそのまま絵でも似合っていたけどね。」

「ああ、確かに、黒髪黒目じゃこの名前は似合わないよね。でも、この名前にすると決まったら、容姿程度は魔術でなんとでもなるからね。どうでもいいといえばどうでもいいけど、もしそうなった場合は、もう五度とこの容姿に戻る事は出来なくなるよね。」


私が使って云や魔術の中には、容姿を自分好みにカスタマイズできるモノが存在している。

全属性の魔術を習得した際、頑張ってできるように研究したのだ。確か、性別すらも変更可能で、この魔術における現実世界での第1被験者は確か・・・・・、松林真琴まつばやしまこと君っていう男の娘で、私の前族室事件メイドさんだった子だ。ゲーム内では、いろいろと問題行動を起こしていた何処かのクランメンバーだっか気がする。

そういえば、ほかのクラスの面々は、今頃どこで何をしているのだろうか?

不意に思い出してしまい、ちょっと干渉に浸ってしまった。


「そうだったね。まあ、そっちの名前には簡単にできるんだから、今は光莉ちゃん『ヒカリ』に、あたしは『コトリ』でいいんじゃない?

ここでこう決めてしまえば、たぶんこのままで突き進むような気がするけどね。」

「まあ、コトリがそれでいいのならいいよ。」


という事で、たった今から私たちは、『今宮光莉』から『ヒカリ』に、『天璋院寿李』から『コトリ』に名前を改名する事になった。解明といっても、苗字・・・・所謂家名を捨てるだけなんだけどね。

そしてコトリが言っていたように、このヒカリとコトリっていう名までは、この世界でずっと名乗っていくんだろうなあと、私自身も思っている。そして、この名前で行くのならば、容姿はこのままでもいいっかと思ってしまう。


「それじゃあ、名前の問題もなくなった事ですし、さっそく能力?スキル?の確認をしようか、ヒカリちゃん。」


名前の問題?はとりあえずこんなところでいいだろう。

次はリアルメーカーあのゲームで習得して、この世界でも使える(予定)のスキルの確認となるが、多種多様なスキル群の内、どれから確認していくか。それによってはやり方も変わってくる。

さてさて、そのスキルカテゴリーから行こうかな?そして、現実世界に持ってこれなかったスキルに関しても、使う事ができるかどうかも確認がいるからね。


「そうだね、コトリちゃん。どれから行く?

生活系?趣味系?生産系?魔術系?戦闘系?それとも、耐性系?」


本当に、どれから先に確認していこうあな。優先順位を決めておかないと、無駄に時間が過ぎ去っていく気がするから、・・・・・・・怖いんだよね。

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