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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【わきみち】12人ではじまる異世界生活(その1)
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(2)能力の確認をしよう

「貴族関連のごたごたに巻き込まれない為にも、下の名前で呼び合っていこう。」


好きでも無い異性同士で、下の名前で呼びあう事に抵抗感があるのか、そう決まってもなかなか呼び合えなかった僕たちだが、2~3日経ったあたりからは自然に呼びあうようになっていた。

その間も、しっかりと各自の能力チェックをしており、その結果次のように各自が持っている能力が分かってきた。もちろん、この場所でできる事は、既に実証済みとなっている。


まずは1人目、横山道真よこやまみちざね。現在の名をミチザネという。

僕の持っている能力は、生産系では2つ以上のモノを合成したり分解したりして全く新しいモノを創り出す『錬金術』と、薬草などから薬を作る『製薬』。そして、この2つを組み合わせた『錬金薬』だ。戦闘系では風属性魔術と水属性魔術を使う後衛職である。

錬金術を嗜んでいる関係で結構魔力もあるみたいで、少々の事では魔力切れを起こさない事も解っている。

ここで試したのは、生活魔術6種(【火種ファイアー】・【水出しウォーター】・【湯出しホット】・【清浄クリーン】・【乾燥ドライ】・【光源ライト】)と、風属性魔術と水属性魔術の中級程度(使用する魔力量とイメージの難易度で、初級・下級・中級・上級・戦略級・神話級の6種にゲーム内では分類されていた)までの魔術と、そこら辺の素材を使用した錬金術だ。制約に関しては、元となる薬草が見つからなかったため、現状では保留扱いになっている。


2人目、河合邦弘かわいくにひろ。現在の名をクニヒロという。

クニヒロの能力は、前衛職の脳筋剣術士だ。本人も、『脳筋』という枕詞を付けても怒らないほどの脳筋ぷりで、生産系には一切手を付けていないほどの脳筋野郎である。

ただしその分、剣術に属するスキルはカンストしているらしく、そこら辺に落ちていた木の枝を一振りするだけで、目の前にあった大木が斬り倒されるという、非科学的で、物理法則を丸っきり無視した現象すらもおこす事ができるほどだ。

当然、僕たちのグループ内では(今のところ)傭兵的立場である。


3人目、緋村香華ひむらきょうか。現在の名をキョウカという。

キョウカの能力は、様々な徒手空拳を使った物理攻撃。実は彼女、『今津流格闘総合武術』の道場に通っており、その道場で我が学園の生徒会長であった今宮光莉いまみやひかりちゃんを師に持っている。ヒカリちゃんもたぶんこの世界に来ているとは思うが、いったい何処にいるのかは解らない(実は、滝壺側にいれば、あの後すぐに再会できたことを後から知った)。

今津流格闘総合武術において、キョウカさんは3段だったので、この中では一番素手での闘いを熟知している。僕たちは、キョウカさんに素手での戦闘方法や、必要最低限の自己防衛手段を学んでいたりする。

ちなみに彼女は、テンプレ?通りに生活系スキルは皆無である。


4人目、来栖早苗くるすさなえ。現在の名をサナエという。

サナエさんの能力は、家事全般を極めている事。極めているといっても、未だ過程においての最高レベルだり、それで仕事ができるほどではないと本人は言っているが、このメンバーの中では一番料理がうまいのは確かだ。

ゲームの中でのそちら側のスキルを磨いていたそうで、戦闘方面はからきしである。しかし現状では、料理ができる事は、戦闘ができる事よりも上だと僕は思っている。食材や調味料等が少ない中でも、彼女の料理は随所に工夫の跡がみられているのだから・・・・・。


5人目、井野神信哉いのかみしんや。現在の名をシンヤという。

シンヤ君の能力は、戦闘面では弓矢を使った狩人プレイを楽しんでいた。弓矢を扱うための関連スキルはすべてカンストしており、一部は派生型すらもカンストしているみたいだ。

生産面では、消耗品である矢を作るためのスキル構成をしており、その過程で培った各種細工技術には目を見張るものがある。


6人目、安室浩二あむろこうじ。現在の名をコウジという。

コウジ君の能力は、あらゆる罠を設置しする狩人プレイヤーであり、その過程で、採掘や採取などにも手を出している。また戦闘面では、タワーシールドとロングソードで闘う騎士型の楯である。生産面では、サバイバル技術に精通しているため、どんな場所でもある程度快適な寝床などを造ってしまう能力がある。そのため、現状の僕たちにとっては、なくてはならない存在になってしまっているほどだ。


7人目、末樹義春まつきよしはる。現在の名をヨシハルという。

ヨシハルの戦闘面での能力は、槍と楯を使う騎士様スタイルである。当然鎧もフルプレートであり、ノブオと共に(僕たちのパーティ)タンクを務める事で同意している。ノブオと違い、彼は不動型タンクなので、主に非戦闘職や後衛職を守る事になっている。

馬上戦術にも手を出しており、その一環で御者のスキルも手に入れているそうだ。そのため、馬車さえ手に入れば、僕たちの御者をしてくれるそうだ。なお、生産スキルは、何も持っていないという話である。


8人目、加藤利喜子かとうときこ。現在の名をトキコという。

トキコさんの能力は、4属性(風・水・火・地)を操る魔術師さんだった。ちなみに珍しく、無属性を持っていない事も、本人申告で判明している。あのゲームの仕様上、無属性がないと派生属性を扱う事ができないが、彼女はそれを物理・科学的知識でもって補完し、疑似的にでも派生属性を操る事ができている。

なお、光属性がないため、どう頑張っても治癒・回復系統の魔術だけは使用できないとの事。知識はあってもどうにもできない事はあるのだと、この時皆の意見が揃った瞬間でもあったわけだが・・・・・。

生産面では、商人プレイをしていたそうなので、商業系のスキルはすべて手に入れており、半分くらいはカンストしていたそうだ。


9人目、十和田久美子とわだくみこ。現在の名をクミコという。

クミコさんの戦闘面での能力は、その小ささとすばしっこさ(クラスの中では、ミオちゃんと背丈で勝負するほど小さくすばしっこい)を生かした速度型の斥候である。武器は取り回しのきく短剣を2本装備した双剣士スタイルである。

生産面では、製糸から機織り、その後の縫製まで糸や布に関してのすべての作業を、1人で1行う事ができる。ちなみに、すべての作業を1人で1行うために、錬金術にも手を出しているんだとか。

現在、糸が手に入らないため何もできないが、蜘蛛系の魔物か、糸を出す芋虫系の魔物がいた場合は、真っ先に討伐対象となっている僕たちである。

糸さえ手に入れば、どんな服でも作ってくれるそうなので・・・・・。


10人目、植松直人うえまつなおと。現在の名をナオトという。

ナオトの戦闘面での能力は、クニヒロと同じ剣を得意とした物理アタッカーである。ただし、脳筋一辺倒のクニヒロと違い、火属性と地属性の魔術も多用した魔法剣士ハイブリッド型の戦闘方法となっている。下手を打てば器用貧乏となる魔法剣士だが、そのあたりの欠点もうまく克服している感じで、見ていても頼りになるほどである。

なお、生産面の能力は革を扱えば、僕たちの中では右に出る者はいないというほどの腕前である。また皮を剥ぐための解体にも精通しており、道具さえあればどんなモノでも解体できると豪語しているほどだ。

先ほども、検証において討伐した熊みたいな生き物を、適当に作った石製の解体ナイフを使って見事に解体。皮と骨、肉、素材にきれいに別けてしまった。


11人目、星野聖華ほしのせいか。現在の名をセイカという。

セイカさんは、鷺宮市内で有名は神社の娘で、自身もその神社で巫女さんをしている。そして、鷺宮学園では有名だった『光莉ちゃんパーティ』と呼ばれている、総勢12人の男女混成パーティのメンバーの1人だった。嘘のような本当の話だが地球(向こう)では、怨霊を祓い土地を浄化する役目を担っていたらしい。もちろん、グループ内にいた寺岡真奈美てらおかまなみちゃんには及ばないものの、治癒・回復系統の力も持っていたらしい。

そんな事情があるため、僕たちのパーティでは、唯一の回復・支援系統の魔術が使用出来るヒーラーである。もちろん料理もできるので、サナエさんと共に僕たち12人の胃袋の支配者として君臨している。


そして最後12人目、渡瀬信雄わたせのぶお。現在の名をノブオという。

ノブオの持つ能力は、戦闘面では皆を守る物理楯。つまるところ、大型重量武器を振り回すパワーハイターである。生産面では、(ゲーム内では)鍛冶師プレイをしており、その界隈では結構な知名度を持っていたらしい。もっとも、僕とは活動していた場所が異なっていたためあまり詳しくは知らないが、一緒にプレイしていたクミコさん、ナオト、ヨシハルは彼の常連さんだったらしい。

なお、どちらの能力の検証も、設備と道具がないのでできなかったが、クニヒロが木の枝で斬り倒した大木を振り回していたので、戦闘面の能力は申告通りの筋肉バカである。


閑話休題。


とりあえず、12人の能力をすべて検証し、その結果、いろいろと役割を決定していく僕たち一行。

まずは戦闘面。

前衛となるのは、次の7人。


危険をいち早く察知する斥候役シーフにクミコさん。

敵に罠を仕掛けて翻弄させる罠師であるコウジ君。


僕らのタンク職は3人もいる。そのため、基本的には防御型の陣形である。

1人目の楯は、罠師でもあり、タワーシールドとロングソードで闘う騎士型の楯でもあるコウジ君。

2人目の楯は、槍と楯を使う不動型タンクのヨシハル君。

3人目の楯は、皆を守る物理楯で、大型重量武器を振り回すパワーハイターであるノブオ君。


物理アタッカーには次の3人。

1人目は、脳筋剣術士クニヒロ君。

2人目は、様々な徒手空拳を使い、『今津流格闘総合武術』の使い手でもあるキョウカさん。

3人目は、火属性と地属性の魔術も多用した魔法剣士ハイブリッド型のナオト君。


中衛には、弓矢を使った狩人であるシンヤ君。


後衛には、次の4人。


まずは範囲攻撃の魔術師が2人。

1人目は、風属性魔術と水属性魔術を使うミチザネ事僕。

2人目は、4属性(風・水・火・地)を操り、無属性がないため扱う事ができないが、物理・科学的知識で補完し、疑似的にでも派生属性を操る事ができるトキコさん。


回復・支援系統の魔術が使用出来るヒーラーであるセイカさん。

そして、唯一戦闘面での活躍はないのがサナエさんだけだが、戦闘もできるように僕たちでいろいろと仕込む事になっている。仕込み方によっては、どう化けるのかが解らない。


生活面(生産関連も含む)になると、その形態はがらりと変化する。


まず1人目は、野営時には最強戦力となるコウジ君。サバイバル技術に精通しているため、どんな場所でもある程度快適な寝床などを造ってしまう能力がある。

2人目・3人目は、僕らの胃袋の支配者として君臨したセイカさんとサナエさんの2人。

2この3人がいなかったら、僕らのこのサバイバル生活は、すでに詰みの状態だったと豪語できる。


次は、加工関連を担う5人。

1人目は、金属加工職のノブオ君。

2人目は、木工加工職のシンヤ君。

3人目は、革関連の加工職であるナオト君。

4人目は、布連の加工職であるクミコさん。

5人目は、製薬関連の加工を担うミチザネ事僕。


そして、異色の商人さんであるトキコさんと、御者の腕前は僕たちの中では1番であるヨシハル君。


なお、ここに出てこなかったクニヒロ君とキョウカさんは、皆におんぶにだっこ状態である。ちなみに、今はこんな状態だが、2人にも何か生活関連のスキルを身につけてもらう予定である。現在、試行錯誤中だけどね。


「さてと、まずは服の調達のため、糸を作る魔物の討伐と行こうか。幸いここは森の端っこだからね。ちょっと中に入れば、蜘蛛系の魔物くらいいそうな気がするからね。」


僕は本日の予定を、朝食の後に話す。食料採取の傍らで、蜘蛛系の魔物を討伐して、(なんとかしてで)糸

を手に入れてしまおうという予定である。別に、蚕みたいな蛾の芋虫でもいい。

制服のままでは動きずらいのだ。ブレザーやセーラー服は、もともと派手に動く際の服装ではないからね。

ここ10日間ほどのサバイバル生活で、というほどそれを味わっている。ドレス姿でも問題なく戦闘ができる何処かの誰かさんたちとは違うのだ。あの子たちは、そういった訓練を積んでいるので、あんな動きにくい服装でも戦闘ができると思う。


そんなわけで、とにもかくにも動きやすい服装を確保するため、糸を吐く魔物の討伐に向かう僕たちだった。なお各自の武器については、この10日間でいろいろな魔物と戦闘しており、その過程で様々な武器を手に入れている。

それらの武器の中で、蛆が得意としている武器を選んで、当座の間は使用する事になっている。


当座の間とは、何処かの町ないし村に(安全に)入って、この世界の身分を手に入れた後になるとは思うが・・・・・。


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