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異世界放浪記~ここは異世界テラフォーリア~  作者: ai-emu
【第3章】異世界に来てから最初の町です
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【03-04】朝のまったりとしたひと時

今日は、『NMDC23667年7月26日(月経歴4月12日)』となる。ちなみに、この世界に来てから118日目で、サクラピアスに来てから2日目である。

今日は前日の予定通り、私は日の出の鐘の音とともに起き、ミツハさんと共に近くの市場へと出かけている。なお、コトリはほかの面々を叩き起こして、朝から家中の掃除を行っている。

なお、予定通りに女子組は全員メイド服着用だ。


「ここが市場ね。ここサクラピアスには、4つの区画されたブロックの内、庶民街となっているブルックの中心部に市場があるの。ここでは、周辺の畑や村々から、毎日新鮮な野菜が朝・昼・夕と届くからね。基本は毎食ごとに野菜は購入していくのかな?魚は昼過ぎから夕方にかけてで、肉類は昨日捌いたモノが朝に並ぶね。朝の市場は、門が開くのが日の出だから、速く行ったって仕方ないからね。

ヒカリちゃんの場合は、毎朝日の出くらいに家を出て、冒険者ギルドでその日の依頼を受けた後に市場に出向くのが、一番効率がいいんじゃない?その後、朝食を作ってお仕事に向かえば、いいと私は思うよ。」

「そうですね。そのルートが、一番私にとっては効率がよさそうです。他のみんなもたたき起こして、冒険者ギルドだけは一緒に行くか、それとも私が代表して依頼を取ってくるかは悩むところですが・・・・・。」

「そのあたりは、皆で商談して決めればいいんじゃない?」


そんな会話をしながら、冒険者ギルド経由で市場に向かう私とミツハさん。

なお、3つの市場にはそれぞれ特徴があり、魔境に近い北西の市場は肉類が豊富で、港に近い北東の市場は野菜と魚が豊富に並んでいる。南東の市場は、領都方面に近いという事で、行商人が多く店を開いているため、サクラピアス近郊では取れないモノや、生産されていないモノが数多く並んでいるんだそうだ。

主食であるパンについては、メインストリート上に十数軒パン屋さんがあるらしく、その中で奥様方それぞれの行きつけがある。つまり、パン屋さん毎に、微妙にパンの硬さや味付けが異なっているんだろう。


「それでヒカリちゃんは、自分でパンを焼く派?それとも購入派?」


いきなり、そんな事を聞いてくるミツハさん。


「焼くか、購入かと言われれば焼く派ですが、おいしければ購入してもいいと思っています。パンを焼くには、たぶん時間がないでしょうしね。あれは結構時間がかかりますから。ところで、ミツハさんのおすすめのパン屋って何処ですか?」


ミツハさんの質問に、そんな風に応える私。そして、重ねて質問。


「私は近所のパン屋さんね。毎朝7時ごろ(朝1つの鐘が鳴る頃)に届けてくれるのよ。」

「じゃあ私も、今まででいいですよ。近所づきあいは大切にしておきませんとね。」


北東の市場で買い出しをしてから家に戻り、早速朝食の準備を始める私。朝から肉料理はちょっとね、という気持ちなのだ。依頼を受けて外で昼食になるのなら、少し考えないでもないが、今日明日あたりはそんな予定はないのです。お昼は帰ってこないけど、そこら辺にある食堂か屋台で食べれば済む話なのだ。


さて、まずは大量に購入した玉ねぎを刻んで鍋に投入。山にいる時(遭難中)に収穫しておいたキノコなどを投入してグツグツと煮込んでいきます。

その傍らでは、たまたま捕獲して【アイテムボックス】の中で飼育しているコカトリスの卵を使って、スクランブルエッグを作っていきます。具材は、コカトリスの卵と、グリーンピースみたいな豆、ニンジンやネギのみじん切りで、塩コショウを使って軽く味付け。そのままフワトロのスクランブルエッグにしていきます。

あとは、何の肉かはわからないけど、市場でベーコンがブロックで売っていたので購入。このベーコンを薄切りにして、カリカリになるまで塩コショウで焼いていきます。これに、綺麗な黄金色に透き通ったオニオンスープと、先ほど届いたパンを加えれば、今日の朝食の出来上がり。


「では、いただきます。」

『いただきます!』


私の唱和に合わせて皆が合掌し、私の作った朝食を食べていく。


「ヒカリちゃん、卵なんて購入していたかしら?」

「その卵、私の【アイテムボックス】の中で飼育しているコカトリスの卵ですよ。」

「そういやいたね、コカトリス。」


コカトリスの集落を襲った時、そばにいたコトリがそんな風に懐述する。ちなみに、コトリの【アイテムボックス】の中にも、いろいろな生き物が飼育されており、その生き物のリーダーがコクト(私の方はハクト)である。まあ、私の方も同じようなモノで、あの中の生態系は結構カオスなのだ。


「コカトリス?あんな化け物、よく捕獲できたね。ヒカリちゃんの持っている【アイテムボックス】の中身を、一度確認してみたい気分だわ。」


と言いながらも、ニコニコとスクランブルエッグを堪能するミツハさん。


「それはやめた方がいいですよ。常識が多分崩壊します。『知らぬが仏』という言葉を、お送りします。」


その答えとして、私はこう言い放った。あのカオスな空間は、見ない方がいいし、聞かない方が身のためです。知ってしまえば話してしまうのが、人間の悪い癖だからね。


知らぬが仏

見ざる・聞かざる・知らざる


これに限りますね。知らない事が、日々の生活を守っていく事になりますので・・・・・。


「コカトリスってお前、Aランクでも苦労する魔物の筆頭だぞ。それを捕獲して、あまつさえ飼育しているとは。それと、コカトリスの卵は、ここサクラピアスでも1個5000テラはする高級食材だぞ。新鮮なままカエデテラスやロンドリアにもっていけば、1万テラ以上で買い取ってもらえるからな。」


へえ~~~~、そんな高価な高級食材だったんですね、・・・・・この卵。

まあ実際、普通の鶏(鶏の形をした『ウッコッケイ』という名の魔物の卵)でも、1個50~100テラで市場で売っていましたからね。実はこの『ウッコッケイ』という名の魔物は、とてもおとなしく、条件さえ整えば飼育する事も可能な魔物の1つである。

実際、ここサクラピアスの近郊の村で、ウッコッケイは大量に飼育されており、庶民価格で肉や卵が販売されている。卵が1個50~100テラなのは、鮮度の問題ではなく流通の問題である。


「そういえばヒカリちゃん?」


何やら、懇願したそうな顔つきで頼んでくるミツハさん。ああ、これはあれですね。


「【アイテムボックス】なら何時でも付与できますが、その際には私が考えた試練を受けてくださいね。誰でも彼でも付与してしまうと、それだけで私の1日が終わってしまいます。」


何を頼もうとするのかは想像す出来ているので、私の方から釘をさしておく。試練については、まだ考えていませんが・・・・。


「そうだよね~~~~~。私にとっては懐かしいあのゲームの中でも、ヒカリちゃんたち『スキルマスター』の面々は、スキルや魔術の付与に対して、それ相応の試練を与えていたからね。中にはゲーム内の習得クエストを、普通にクリアーした方が早く済む試練もあったからね。」


と、あのゲームの事を懐かしむミツハさん。確かに、5年も前の事なら、すでに懐かしい思い出ですよね。


「そういや俺たち、言語と文字のスキルを付与してもらった時、何も試練を受けていなかったな。あれななんでだ?ヒカリちゃん?」


その流れでこう聞いてきたのはヨシナリだった。


「ああ、言語と文字はね。はっきり言ってしまえば、何処の世界の文字や言語でもいいから、3か国語以上マスターしてしまえば、わりかし簡単に取る事ができるんだよ。つまり、私たちはすでに日本語と英語は普通に話したり書いたりできるよね?

あと1つの言語、つまりここコロラド王国の標準言語をマスターすれば、この2つのスキルは入手可能なわけ。だから、遅かれ早かれとれるわけだし、試練の内容も『3か国語以上をマスターする事』だから、別にどうでもいいっていや、どうでもよかったわけ。


あと、どうせ聞かれるだろうから先に言っておきますけど。

【アイテムボックス】を付与するための条件は、次の2つのうちのどちらかです。

1つ目。自分の持っているスキルの内、少なくとも半分以上はカンストさせる事。

2つ目。私と親しい関係になって、『この人物なら付与しても構わない』と思わせる事。

このどちらか1つをクリアーしていただければ、何時でも【アイテムボックス】を付与しますよ。」


それに対し私は、こう答える。ついでにこの流れでは聞かれるだろうと、【アイテムボックス】の扶養条件も伝えておく。この条件に対し、皆が少し考える。


「1つ目については、たぶん無理な条件になるな。

現状ステータス画面を視る事もできない以上、現在度のスキルがどれだけ成長しているのかが分からない。俺自身そうだが、あのゲームの中で、特に細々したスキルをどう取得していたのかも覚えていない。よく使っていたスキルは、だいたいの成長度合いは覚えているがな。」


そんな風に考えた末答えたのはナオミチだった。確かに、自分がどのスキルを持っていて、どれだけ育ててちたのかを覚えていないと、この条件をクリアーする事は出来ないよね。


「1つ目の条件に付いて、大事な部分を考慮に入れていないよ。

それは、付与する術者のヒカリちゃんが、付与する相手のスキルを知らないという事。全くの自己申告だけを、鵜呑みにするヒカリちゃんじゃないから、そのあたりの問題の解決法は模索済みだろうけど、それでも少なく申告する事は可能だからね。だから1つ目の条件は、前提条件を確認できないから破綻しているわけで・・・・。その結果、絶対達成不可能という見解になるね。」


いろいろと考えた末、そう結論を出したハルナ。よくぞそこに気づきました。

この1つ目の条件は、前提条件から確認不能なわけで破たんしているのだ。つまり、この条件で試練を受けても、何の意味もないという事である。

ステータスくらいは、何時でも確認できるように頑張って研究していくつもりだが、それはいまではなくてもっとしっかりと腰を下ろした時である。


「じゃあ、残こる2つ目にかけるしかないのか。でもこれも、ヒカリちゃんの主観が多いに働く条件だから、俺たちからどうこう言えるモノではないな。ちなみにヒカリちゃん。この中では、誰がこの条件に一番近いのかな?」


おっ!2つ目の条件の問題点もしっかり理解していらっしゃるナオミチ。そしてちゃっかり、誰が今一番近くにいるのかも確認するしたたさも持っている。なかなか好感度的には、ポイントアップですね。


「そうだね。まずコトリについては、すでに【アイテムボックス】を付与済みだよ。」

「まあ、コトリちゃんは別格だからね。生まれた時からの腐れ縁で、大親友で、専属侍女だったからね。『ヒカリちゃんに一番近い人物は誰か?』と聞かれたら、真っ先に『コトリちゃん』と答えるよ、・・・・・・俺は。」


私の回答を受けて、そう答えたのはヨシナリだった。その後、話があっちに行ったりこっちに行ったりと、度々脱線しては大きく膨らんでいくが・・・・・・・・。まあ、いつもの事なので割愛していく事にする。

そうこうしているうちに、冒険者ギルドの忙しい時間が過ぎ去ったため、私たちは重い腰を上げて出かける準備を始める。

食後にまったりとお茶を楽しんでいろいろと話していたのは、ギルドが暇になるのを待っていたためだ。朝の忙しい時間帯に行くと、私たちのような要件はどのみち後回しにされて長時間待たされる事になる。どうせ待つなら、何処で待っていても同じとの事で、家の中でゆったりまったりしていたのだ。


「じゃあ、行ってくる。」

『行ってきま~~~す!』

「はいはい、行ってらっしゃい。服飾以外の荷物は、馬車毎サムに引き渡しておけばいいのよね?』

「ああ、いつものようにサムに引き渡しておいてくれ。」


そう出立の挨拶を交わして、私・コトリ・ハルナ・ミオ・マキ・ヨシナリ・ナオミチの異世界組7人と、引率であり、私たちの身元引受人であるガイストさんは、行政府と冒険者ギルド、あとは時間があれば神殿へと向かうのだった。

さてさて。

冒険者ギルドでは、所謂『冒険者ギルドでのテンプレイベント』が起こるのかな?


なお、行政府に向かうのは、ただ単純に当座の生活資金(『異界からの来訪者』は、異世界に来て初めて登録した行政府において、1ヶ月分の最低賃金である20万テラが支給される)を貰うためだけであり、それ以外の用事はない。

なお、このおカネは、最初の1回のみであり、あとは自分自身で稼いでいかないといけなくなる。そのため、商才のある者たちは商売の道へと進み、物づくりに特化している者たち(ゲームの中で職人スキルを磨いていた者たち)は、そっち方面の道へと進んでいくのだ。そういったスキルがない者は、たいていの場合冒険者として活動していく。私は、いろいろと冠すとしているので、どの道に進んでいくのかはまだ謎である。

まあ私だけは、昨日架けた橋の建設報酬を貰う事も含まれているが。

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