#017:旅行、移動、街道
人間の歩く速度は時速3~5Km、年代や男女差だけでなく、住んでいる地域による差も大きい。
集団になれば遅い人に合わせることになるために、さらに遅くなることも考えられる。
より速く、遠くまで、多くのものを持って、安全で楽に移動するために様々な工夫をしてきた。
それは乗り物だけでなく、道にたいしても同じこと。
古代ローマ帝国は侵略する際にそこまでの街道を作ったという。
帝国の崩壊とともに整備する技術が失われ、中世ヨーロッパでは整備の不十分なままの街道を利用していた。
サスやゴムタイヤの無い馬車でそのような道を走ればどうなるか。
乗り心地が悪いだけでなく、故障を引き起こしやすいということは、考えるまでも無いでしょう。
未発達な道や車は、旅行することに多くの時間と費用を必要とした。
それゆえに、中世ヨーロッパでは、生まれた村で一生を過ごす人も少なくなかった。
ゲームでは、街道が描かれていない作品も多いが、レベルや難易度調整のためで街道が存在しないと言うことでは無いだろう。
街への移動は、2回目以降は即時移動手段が用意されているものが多い。
小説などでは、初めての旅こそ丁寧に書かれても、以降は大きな変化が無い限りは省略されることが多い。
逆に、丁寧な描写はイベントが発生する合図ともいえる。
非日常でありながら、登場キャラ数が大きく制限されるために、イベントの発生頻度や、内容まで制限されてしまう。
時間や費用のことも考えると、旅をさせるにはそれなりの理由が欲しくなる。
通信や流通、交通の技術レベルは国土の広さにも影響をあたえる。
地方で発生した事件に対し中央の兵がどれだけの時間で駆けつけることが出来るのか。あまりにも時間がかかるのなら、災害救助にも反乱鎮圧にも間に合わない。
ゲーム風世界なら、通信ラグ無く情報が伝わり、瞬間移動の魔法や施設で即時対応が可能でもおかしくない。
ただ、これらの技術がどこまで浸透しているのかを考えておく必要がある。
一部の人にしか使えないのなら、使える人の下に金と力が集まる。
誰にでも使えるなら、旅に対する考え方が全く違うものとなっているだろう。