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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
学校編
82/82

隣国の動き

 昼食を先に済ますのは予定通り。

急かす様な真似はせずゆっくりと食べる。

ヤビィが食べているのは、此方で一応用意しておいた携帯食ではなくこの店の食事だ。

興味が有るという事と折角なのでと頼んでいた、それも凡人種用ではなく爬虫類系人種用から。

見た目は四角い固形物の塊で、まだ凡人種向けでも見かける栄養食。

私もアリスも此処で食べられる物をと頼むならこれで、食べられなくても私が食べればいいと頼んだのだが、普通に食べているな。


「ヤビィ、味は問題無いか?」

「ん……まぁあの国で食わされた物よりマシっすね。」


 それは聞かなくても判る、あの国に真面に調理された料理なんて貴族位でしか手が届かないだろうし、そもそも調味料の類が殆ど無いのも確認済みだ。


「ふむ、味に文句をつける位でいいぞ?」

「んぐっ、いや流石にそんな文句なんて……まぁちょっと故郷のインスタントを思い出す大雑把さって感じですけど、悪くはないですよ?」

「……失礼、インスタントとは何かな?」


 今は食事の時間であると強調するために料理の話題をヤビィに振ったら横からオオルフェリアス統括官が口を挟む。

今は仕事の話はしない方が良いと思うが、まぁこの国の人間の性分故致し方ないだろう。


「あー……なんて言ったらいいかな。

要は調理の手間を極限まで省いた保存食みたいな物っすね。

お湯入れて数分とか温めるだけで食べられる様に工夫された物をインスタントって僕らは言ってます。」


 調理の簡略化がされた保存食?


「それは……今まさに君が食べている固形食とはどう違うのかね?」

「インスタントといえばやっぱりラーメンとか、カレーとか……もっとこう普通の料理になるんですよ。」

「ふぅむ……」

「オリー、とりあえずそれは後で良いだろう?」


 此方も任務中の食事事情が改善されそうなので気にはなるが、今は食事中だ。


「そうですね、せっかく用意して貰った料理が冷めてしまっては勿体ない。

それに今日は別の話がありますからね。」


 そう言って食事に戻るオルフェリアス統括官だった。





 食事が終わるのを待って今日の本題に入る。

ヤビィの紹介がまだだったので紹介込みでヤビィ達の保護の経緯を先に報告してしまう。

これに関しては既に報告書は回っている筈なのでほぼ紹介と挨拶が主目的だ。

そして本題だが……


「ハルムニクススの元老院で不穏な動き……それと第三王子の介入ですか……」


 流石にアリスに聞かなければ詳細は判らないかと思ったが、案外判り易い問題の様だ。


「確か彼方の政治形態は……元老院と代議院の議会制に移行していた筈だな。」

「移行し始めてもう二十年くらいは経ちますがね、我が国と違って問題は多く、王権の介入も何度かありましたがようやく安定してきた所だったのですが……」

「安定しそうだからこそ、か……」

「此方でもそう分析しています、首謀は第三王子側でしょう……アリシアさん?」

「……そうですね、あいつならやる、そう思います。」


 つまり平時の政治に口が出せなくなった事を良く思えなかった第三王子が議会に介入し、それに元老は呼応していると。

アリスを呼び戻そうとしているのは第三王子を抑えたい代議院側と他の王族か。


「とはいえ……何故其処でアリスを呼び戻したいのかが今一つ判らないな。」

「確かにアリシアさんはハルムニクスス王家での継承順位はかなり低いですが、それ以上にこうして友好国で成果を上げていますからね。

代議院や国民から最も信頼されているのはアリシアさんだそうです。」


 他の王族は何をしているのやら……いや、話に上がってこないという事は特にこれと言ったことはしていないのだろう。

この国の王族に至っては誰かすら知られていないし、変な所で影響を受けてしまったか。


「それで……先日の手紙の内容は申し訳ないが確認させてもらいました。」


 検閲か、流石にこれは仕方ないか。


「確認だけで特に何かしたりはしていませんし、そのまま配送はしましたので其処はご安心ください。

ただ、お気付きだったとは思いますが、その手紙に反応した諜報員が些か多過ぎた。」

「……つまり?」

「彼方の国と仲良くしているこの国の者は多い、その伝手を使って近日中に何か仕掛けてくる可能性は非常に高いと見ています。

政治部、及び諜報部は現在アリシアさんを要警護対象としていますが些か信用に足りない。」

「つまりアリスの傍にいる私に万が一の時の対処を求めていると。」

「……でもそれいつも通りですよね?」


 確かにそれならいつも通りだな。


「そうですね、強いて言うなら不要な外出を当面控えて頂きたいですが……それはそれで面白くない。

諜報部とも相談の上で、敢えてアリシアさんが一人になっている状況を用意して貰いたい。」

「囮ですか。」

「えぇ、少々危険ですがこの国に紛れ込んでしまった不穏分子を炙り出す絶好の機会でもありますのでね。」

「……一人になっている様に見えれば良いのなら実際に一人にする必要は無いな?」

「その通りです、そこはドゥウェイン君の能力を当てにさせていただきたい。」


 なら問題は無い……いやそろそろ試験日が近付いているな。


「其処は問題ない、がそろそろ学部の講義が終わって単位試験があっただろう。」

「来週末ですね、成程……試験そのものは使い魔でも行けそうですか?」

「私とほぼ同じ技能を有する使い魔の制作は出来る……そうだな、試験に出る事はおそらく既に伝わっているだろうし丁度良いか。」

「では使い魔での受験が可能なように取り計らっておきます、申し訳ないがそれまでは外出を控えて頂き、連絡は……」

「諜報部に貸した使い魔越しで良いだろう。」

「ではその様に、後はヤビトさん達にその間どうして頂くかですが……」

今週から以前の更新ペースに戻るよう頑張ります

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