表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
65/82

帰投

 復路は往路より楽に移動できる、そう思っていたのだが勘違いだった。

往路で無理やり車両を通して用意した道だが、そもそも車両の大きさが違うのだから大した意味はない。

四人乗りの小型車両が通れるようにした道を、三十人乗りの大型車両で通ろうというのだから復路の方が面倒なのは当たり前と言えるだろう。

 とは言えそれでも道は走れない、道の想定規模は馬車程度でしかないので大型車両では論外。

人数を分けて小型車両で走った方が良いのかもしれないが、それはそれで面倒だし移乗させるのも手間だ。

どうせ問題になるのは森の中だけなのだから、往路の時の様に木々に避けさせるのではなく、木々に道を造らせてしまえば良い。

後で隠蔽に手間を割く必要は有るが、その程度なら使い魔に任せられる。


 森の中に大型車両が通れる程の道を作るとなると、瞬間的に行うのは難しい。

新しく小型の車両を用意して使い魔を乗せて送り出しながら、二度目の休憩に止まる。

人間も生物故に生理現象は如何にもならないし、そうでなくても何時間も車両の中で同じ姿勢で居るのは辛い物があるだろう。

私もアリスも、何時間も同じ姿勢で居る事に関しては慣れているので問題無いが、後ろの大型車両から降りてきた生存者達は体を解す様に軽い運動をしている。


 一回目の休憩中にヤビィの仲間の紹介をして貰った。

ヤビィ含めて男性三人に女性四人、背丈はそれぞれ高い低いはあれど大体五尺五寸前後でその辺りの身長が民族的な平均なのだろう。

一番背が高くて髪の生えてないのがリュウト、髪を染めていたのか毛先の色が違い耳朶(みみたぶ)に小さな穴が幾つか開いているナガモト。

立ち居振る舞いが固いというべきか警戒心剝き出しなアコト、打って変わって一番気を抜いている様に振舞っているのがキリネ。

後は二人は車両から降りてこなかったので名前だけ聞いたアヤメとキョウコ……そんなに一度に挨拶されても社交界から逃げ続けている私が覚えきれる訳が無いだろう。

とりあえずヤビィと縁の深そうなリュウトとアコトとキリネだけ覚えておければ問題は無さそうだな。


 車窓の眺めを見てるのも飽きたという事で、車内でも出来る遊戯(ゲーム)として絵札を提供する。

絵柄と数字の組み合わせが多少なり似ている遊戯が有るらしく、久しぶりに文明人らしいことが出来ると喜んでいた。

生存者達の方はそんな余裕は無さそうだったので彼等と車両を分けて置いて正解だったと言えるだろう。





 夕食で一度、その後にもう一度だけ休憩で止まっただけで残りの工程は順調に進んだ。

後ろの方から岩が浮いてるとかデカい鳥が等、聞えては来たが止まる程でも無かったので予定よりかなり早めに着けるだろう。

特に使い魔を道の整備に先行させた分途中からかなり速度を上げられたのが大きい。


 後ろの乗客の殆どは寝静まっている中、振動と音を消して高速で走った結果、朝日を拝める頃にはペタ基地に辿り着いた。

予定より早めだが基地の隊員は既に動き出していて此方を迎える用意が出来ている……いや出来てないか?

出来ていないかもしれないが朝食と診断くらいなら直ぐに取り掛かれる程度には用意できている筈だ。

とりあえず到着の挨拶に行くか、アリスはまだ寝ているが起こさなくても良いだろう。

車両を降りるまでもなく直ぐに一人案内に駆け寄って来ている。


「お疲れ様です、地下駐車場を開放しますので少々お待ちください。」


 ペタ基地自体が国境上に隠蔽されているのだから重要設備も基本的に地下だ。


「ドゥさん、おはようございます。もう着いた……にしては人は居ても何もない?」


 丁度ヤビィが起きてきた様なので軽く案内しておくか。


「おはようヤビィ、此処は秘密基地だから地上部分も殆ど擬態している、よく探して見ると良い……と言ってももうすぐ地下に入るが。」

「地下基地ですか!ちょっとあいつら起こしてきます。」


 随分と楽しそうに後部座席に戻って行った、軍事系が……いや秘密という響きの持つ魅力にでも惹かれたか。

案内に誘導に従って車両を移動させる、後ろの車両も追尾を外して誘導に従う様に命令を変える必要があるな。

まぁ車両そのものも使い魔の様なものだから変な挙動はしないだろうし、半自立で大丈夫か。

 手信号に従って停止すると同時に目の前の地面が二つに割れて横に移動していく。

別に案内されなくても入口の位置は、魔素や気流の乱れで分かっていたので問題は無いし、車両自体浮遊させているので稼働する床に車両が巻き込まれたりはしないが、随分(きわ)まで寄せさせたな。

車輪で移動させていたら前輪が丁度乗るか乗らないか位の位置に見えるが、案内役の趣味だろうか。


 地下への入り口が完全に開放されたのを確認して侵入する。

傾斜は馬車の出し入れには向かない位には付いているが、其れ位なら幾らでも対応できるので問題は無い。

そのまま螺旋を描く様な通路を走らせていけば別の案内人が待っているのでそちらへ車両を寄せる。

大体地下三階位の位置だろう、地下一階二階には防衛用の兵装が設置されていて、車窓からも多少は見えただろう後部座席が少々沸き立っていた。

そのまま駐車位置へ案内されたので止める、後ろの車両は大型故に止められないようで地下四回に案内されていったが問題は無さそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ