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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
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閑話:とある青年の叫び「この国色々とおかしいだろ」

 閑話です。

ドゥは今回の内容は自力で思い出す事にしたので、内容を他人に勉強させます。

 家を継げない、冗談なんかじゃなくて真剣(マジ)で継げそうにない。

この国は世界中で、は言い過ぎかもしれないが、少なくともこの大陸上で最も先進的な国の筈だ。


 学術研究を冠する国の名に恥じぬ研究力と開発力を誇り、工業面も農業面も他所の国の数倍以上の生産力を叩き出し、軍事に至っては兵装面で既に各国を数世紀以上先取りしているとすら言われる。

大陸の国家群で、この国を調停役として同盟や講和が行われたところも多い、大陸の抑止力の様に認知されている。


 だから、というわけではないのだろうが、とりわけこの国では国民であるために求められる要求が高い。

移民は別として、幼児と言える段階から教育の手が入り、言葉と文字、体の動かし方、数字の計算に始まり。

主要な食料になる植物と動物の育成の基本、兵隊としての心構えと体力づくり、道具の扱い方と代用法を学んでようやく基礎教育部が終わり。

そこまで済ませたら下級学部へ。

学士、兵士、魔術、農畜、工学、服飾、芸術科の中から、学士と兵士科ともう一つの合わせて三つの科を修了してようやく低証、低位国民証が貰える。


 ここまでやってようやく国民の一人だ、平均的に十数年かかる。

だがこの低証には制限がかかっていて、そのままでは仕事にもつけないどころか国内の通貨が使用できない。

中級学部に移り、下級学部の派生学科の(いず)れかで一定の評価を得られて初めてその制限が解除されるのだ。


 食料も衣服も住居も、国が最低限は用意してくれる。

他所の国ではこの制度を見て、働かなくても生きていける国だから直ぐに崩壊する、なんて噂が流れたらしいがとんでもない。

下級学部の兵士科で配給の食料を実食したし、農畜、工学、服飾、芸術科も配給される食料や衣類を実際に渡されるそうだが、あれは駄目だ。

国内の食料自給率は五倍を超えていて、友好国や同盟国の非常時支援用に備蓄される食料の古い物の処分品だ。

食べられない物は弾かれるため、食べようの無い物が混入していたりはしないが、新鮮さから遠すぎるそれは不味くてもう食べたくないと思わせるものだった。

服も古く擦り切れて寄れていたり穴が開いていたり、これ着るくらいなら自分で作ると言いたくなるような奇抜な柄や形だったり。


 国民にさえ成れれば、確かに働かなくても生きていけるが、同時に目の前に新鮮な食料が売られている中で古くて不味い食料を渡されるような環境に、ほとんど誰もが嫌だと思ってしまうのだ。

ちなみに使用されている通貨に実体はないので、スリや強盗で通貨を得ることはできない。

国民証に付与されている魔術式で管理される仮想通貨で、国民証自体が生体認証機能付きなので基本的にはどうにもならない。

他国の現金化にもその逆にも審査があり、仮想通貨は他国では使えないのが難点ではあるのだが。

そして面倒な事に仕事の業種毎に発行される通貨が違い、通貨によって購入できるものに差がある。

どうしてここまで通貨を複雑化させてしまったのか。


 ここまでだったならまだよかったが、さらにこの国独自の生活の在り方も特殊だ。

まず家を持つためには中位国民証が必要になる。

国民全体の三割もしかいないとか三割もいないとか言われる中証が必要になる理由は色々あるのだが、そもそもこの国では一つの家庭には必ず二つ以上の血の繋がりの無い他人、または遠い家族が同居しなければならない。

一世帯だけで住むと何か重大な問題が発生すると気が付きにくいという教訓から法になったらしい。

それで家を持つとなるともう一世帯はどうするのか?という答えが、使用人を雇って住み込ませるのだ。

つまり家を持つすなわち(イコール)人を雇う必要があるということで、人を雇うためには最低でも中証が必要になるのだ。

ちなみに低証で住める家はだいたい三十から五十世帯が入る共同住宅だけだ、個室はあっても一人暮らしは認められていない。


 そして私は低証しかもっていない。


 親が中証を頑張って取得し用意してくれた家なのだが、親の中証の期限が切れるのが確定した。

まぁ年齢的に更新がそろそろ厳しいのは判っていたのだが、五年以内に私が中証を取れないと退去しないといけないらしい。


 五年も猶予期間があるので、その間に頑張って中証を取れって話になって私は今猛勉強中なのだが。

中証は狭い門のそれだ、簡単に取れたら誰も苦労しないよ。


 そして中証をとるためには中級学部から上級学部への進学許可が必要で、さらにそこから上級学科でまた一定の評価を得られないといけない。

これの何がそんなに大変なのか。


 まず中級学部の内容だけで他所の国に行けば貴族にならないかと誘われると言われている。

そしてそれができてしまう程度に政治周りやその他諸々の座学が中級学部の時点で既にあるのだ。

上級学部には一国家元首に仕事変わってくれないかと言われたという実際の事件が起きたらしい。

他所の国は王政貴族政が殆どで、この国と比べて数世紀は遅れているといわれるのだから、実際にやろうとしたら出来てしまうだろう。

それが中証。


 いやもう本当に一国民にどこまで求めるというか、その要求レベルに達している人達が三割いるというのがもうおかしいだろうと言いたいがそれで止まらないのが学術研究国家所以(ゆえん)というか。

よく父はこれが取れたな!

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