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戦いの後

ちょっとほのぼのムードです。こういう場面も読んでて面白い文章がかけるようにしたい。

「イガさん、銀閃、お疲れ様。二人とも息ピッタリだったじゃないか」

「何言ってやがる。オレ達は弱ったところにトドメを刺しただけだ。誰がどう見ても決定打はボウズの魔法だろうよ」

「あぁ、俺もそう思う。今まであんな魔法は見たことも聞いたこともない」

「そりゃまぁ自作だからなぁ」

「自作!? あの黒い膜も、ベヒモスをの身体を溶かした魔法も、自分で作ったっていうのか!?」

「うん、ぶっちゃけぶっつけ本番だったけど上手くいってよかったよホント」

「あの魔物相手に初めての魔法を使ったっていうのか……無茶苦茶だな」

「おう、ボウズは昔から無茶苦茶なことばっかりしてたぜ」


 なんかひどい評価をされている。褒められるのか? いやこれは褒めてるとは言わないだろう。


「小僧!! やってくれたな!! ガッハッハ! やっぱりお前は無茶苦茶だ!!」


 あ、ここにも同じこと言う奴がいた。俺ってそんなに無茶苦茶なのかな? つかガッハッハて。


「いや確かに俺の魔法も聞いただろうけど、それでもイガさんと銀閃も凄かったじゃないか。二人とも身体が光ってたけど、アレハはなんなんだ?」

「おお、そういえば確かにイガラシも銀閃も光ってたな。ワシも気になったがアレはなんだ?」


 やはりそう見えたのは俺だけじゃないみたいだ。団長も同じ感想を抱いたらしい。


「分からん。絶対に死んでやらねえ!! と思って無我夢中だったからな。オレの身体がおかしかったのか?」

「いや、めっちゃ光ってたよ。物理的に」

「マジでか」


 自覚なかったのか。めっちゃ光ってたけど。


「アレは光属性の魔法の一つだ」


 と、声の主を見ると、先の戦闘時のように身体を光で包んだ銀閃がいた。


「銀閃は自分で発動出来るのか。ところで光属性の魔法って?」

「俺も教えてもらっただけだから詳しくは知らない。師匠曰く、回復魔法と同様の光属性は体内で魔力に変換した後、放出せずに身体に纏わせることが出来るんだそうだ。なんでも光属性は体内に循環する魔力の器を活性化させる効果があると教わった」

「そりゃ初耳だ。というか回復魔法が光属性なのも最近知ったばかりだしな……」

「回復魔法も身体の回復能力を活性化させて傷を癒すらしい。確かにそう言われてみれば、と思って無理矢理に納得したよ」


 と言って苦笑する銀閃、相変わらず髪の毛は伸びっぱなしだが、どこか爽やかさを感じる笑顔だった。


「じゃあワシにも使えるということだな!! 銀閃!! 早速教えてくれんか!?」

「アンタは初対面だって言ってたくせに図々しいな!?」


 なんで俺の回りはこう戦闘狂ばっかりなんだろう。つか華やかさゼロかよ。


「教えるのは構わないが、使えるかどうかは光属性の魔法に適正のある人間じゃないと難しいらしいぞ。現に俺は使えるようになったが、同じく師匠に教えを受けた傭兵連中でもほとんど使える人間はいないらしい」

「ふむ? その適正というのは回復魔法が上手く使えるかどうか、ということか?」

「それも一つの適正かもしれないが、光属性の魔力は自覚して変換するのが難しいらしい。他属性と違って生まれ持った物だから、自覚がないうちに魔力に変換してしまっているらしいんだ。だから光属性の魔力を感じることが出来るかが適正ということらしい」

「なにそれ、考えるんじゃない、感じろってことか」

「そういうことだろうな。俺は昔あるきっかけがあって光属性の魔力を感じることが出来ていたが、イガラシといったか。君が発動出来た理由は俺にも分からない」

「オレにも分からん。だが集中力を高めてもっと早く動け、もっと強く斬りつけろと身体に命じたら力が沸いてきたような感じだったが……」


 イガさんの件はなんとなく予想がつく。今までイガさんは魔素を取り込んだことがないはずだし、たまたまイメージした魔法(本人の自覚はないだろうが)に必要な属性魔力が光属性だったからこそ、ほぼ無意識のうちに魔力変換し、発動したんだろう。あくまで推測に過ぎないが。


 今回は偶発的な物だっただろうが、魔素を取り込む感覚と、属性魔力への変換の感触を掴めば、イガさんも銀閃のように自分の意思で発動出来るのかもしれない。


「まぁオレにも出来たくらいだし、ボウズにも出来るんじゃないか? ボウズは底無しなんだろ?」

「うわぁその言い方引っ掛かるわぁ。うーん、そもそも俺は光属性の魔力は使えないから無理かな」

「「「は?」」」


 三人が何言ってんだこいつ? みたいな目で見てくる。


「いや、ヴィエラが言ってたのよ。俺は闇属性の魔力が使える代わりに、光属性の魔力は使えないって」

「闇属性の魔力が使える……だと?」

「うん、さっきベヒモスで使ってた膜が闇属性魔法。まだ慣れてないからほとんど魔法は使えないけどね」

「小僧、いくらなんでもそれは無茶苦茶だ……闇属性の魔法を使える人間なぞ聞いたことがないぞ」

「んなこと言われてもなぁ……」


 使えるものは使えるんだから仕方ないじゃないか。


「ともかく、ベヒモスも倒したことだし、一度王都に戻るぞ。流石に今回の件は王に報告しないわけにもいかぬ。疲れているだろうが、貴様等にもついてきてもらう必要がある。すまんが了承してくれ」

「うん、まぁそんな気はしてた。俺はついてくよ。イガさんも大丈夫だとは思うけど、銀閃は?」

「長居するつもりはなかったが、ここまで関わってしまった以上知らん振りも出来ないな。もうしばらくだけ王都に滞在することにするさ」

「すまぬ。代わりといってはなんだが王都に滞在する間の宿泊費くらいは負担させてもらう」

「それはありがたい。あまり余裕があるわけでもないから、素直に甘えさせてもらう」

「団長!! 俺も俺も!!」

「ついでに腕の良い研ぎ師も付けよう。好きに使ってくれて構わんぞ」

「なんで!? ひどくない!?」


 きっとそれ俺のことだろ。おのれ団長(オッサン)、人を勝手に私物化しやがって。


 戦闘の余韻もそこそこに、俺達は王都に戻るのだった。






うちの娘が幼稚園に合格しました!! 別にお受験があったわけじゃないけどね!!

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