↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/105

-幕間- とある世界、傭兵の想い

彼です。次回はいよいよ……となるはず。きっと(震え)

※ユニークPV1000突破! ありがとうございます!!

「今だ!! 魔法部隊撃てえー!!」


 その声を合図に一斉に魔法が放たれる。初級魔法、中級魔法と色々な魔法が飛び交う戦場に俺はいる。


 言葉の通り、生まれた時から一緒だった。兄弟と呼んだ友を失い、聖剣を失い、目的を失った。


 得たものは九死に一生、誰かを犠牲にして自分が生き残ったという結果だけだ。


 聖剣を失ってからの俺の能力は格段に下がったと言っていい。今も魔物討伐のために集められた冒険者、傭兵の中の一人でしかない。


 本当は仇討ちも考え、三人で旅を続けることを提案したが、コウを失ったシャルの落ち込みようは凄まじく、到底旅など出来る状態ではなかった。


 ミリィにしろ、今回の顛末を国に報告する義務があるといって別れたきりだ。


 それからというもの、勇者でなくなったとしてもこの手で拾える命があるならと、今までと同じように旅を続けてきた。


 だが一人の旅というものは決して楽しい物ではなく、また今までと同じようにはいかないことがたくさんあった。


 今になって仲間というもののありがたみを痛感する。そして自分はこんなにも一人では何も出来ない存在だったのかと思い知らされる。


 それでも俺は生き延びたのだから、やれることがあるなら前に進む。正しいのか、正しくないのかも分からないまま、それがせめてもの償いであると思って。


 せめて強くなろう、そう決めてから各地を転々とし続け、ある時は冒険者、ある時は傭兵として、ひたすらに魔物の討伐に参加してきた。


 発揮出来る身体能力は3年前に近づいてきたが、それでも攻撃手段である剣の質があまりにも違う。今までは一撃で葬り去ることが出来たワイバーンにしても、金貨五枚程度の剣では何度も何度も攻撃を繰り返し、鱗を削りながら、露出した肌に剣を突き立て、急所を狙うという動作が必要となった。


 それでも一人でワイバーンを倒せるようになったことは大きい。不本意ながらもそれなりの評価を受け、今では『銀閃』と呼ばれるようになった。


 大げさな名前だとは思うが、俺の使っている銀製のロングソードと、光刃を使っていた癖か、横薙ぎの斬撃を使用する頻度が多く、いくつかの戦場で見知った顔に会うこともあり、傭兵仲間の中でそう呼ばれるようになっていった。


 俺が勇者と呼ばれていたことを知る人間は今や少ない。そして俺を勇者を呼ぶ人間はもういない。


 魔王城より脱出したものの、肝心の魔王は倒せず、聖剣は失った。ミリィの助けもあってか、俺を糾弾する人はほんの一部の貴族や教会関係者だけであり、民衆は時が経つにつれて勇者という存在を忘れていった。


 今となっては勇者の象徴が聖剣であったのか、はたまた聖剣の象徴が勇者であったのか疑問に思えるが、次第にそれもどうでもよくなっていった。


 こんな時、アイツならなんというだろうか。そうだな、きっとこう言うだろう。


「聖剣なんてただの武器でしかない。勇者なんて周りが呼んでるだけでアランはアランでしかないんだから、俺が勇者様って言えばお前はそれだけで勇者なんだろうよ。難しいことは知らないし、知る必要もないんじゃないか? 別になりたくてなったわけでもないんだし」


 アイツはそういう奴だった。聖剣に選ばれてからも俺を俺として見てくれていた。ただの幼馴染として以上の扱いはしてこなかった。それに何度救われたかは分からない。


 俺達が生き延びたこともそうだ。魔王と話の場を設け、多少なりとも縁を持つことが出来たからこそ、魔王に助けられた。それはきっとアイツでしか成し得なかったことで、アイツがいなければ俺達は全滅していただろうと断言出来る。


 しかし今となってはその恩を返すことも叶わない。


 人が一人いなくなっただけで世界は急激に色を変える。それが良しか悪しかは本人のみぞ知る。


 今の俺はどんな顔をしているんだろう。ただひたすらに強さを追い求め、戦場を求めて彷徨う俺の姿はどう映るんだろう。


 そして俺はどこを目指し、何をすればいいんだろう。


 --誰か、教えてくれ。

さて次回は待望のイガさん無双です。お楽しみに!!(何

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。