流しそうめん
ブックマークありがとうございます。やる気出ます。頑張ります。
寮の裏手の広場にそれはあった。
え・・・流しそうめん?
流しそうめんは上から流れては来るのだが、らせん状になっていた。
どうやって作ったの?
「モナ、あの上の方つくったんです。」
隣、少し下目を見ると、ドワーフのモナがいた。
「え、そうなんだ。あんな形に作れるんだね。」
「うん。私たちなら楽勝だよ。」
おおー。さすがドワーフ。イメージ通りだ。
寮の中から、お皿やそうめんの付け合わせが運ばれてきた。
「どうぞー。」
と渡される。寮の食堂で働いている人たちらしい。
キャンプ場の東側に、寮で働いている人たちが住める場所があるらしい。
そうして、流しそうめんが始まった。
ホースもないのに水が流れている。そうめんを流す場所は上からなのに、はしごも何もないなと思っていたら、飛んで流していた。
わあ、ファンタジー。
そうめんも心なしか光っている気がした。
「水川先生、食べてますか?」
「あ、食べます。」
幻想的な光景に、と言ってもジャージやエプロンを付けたファンタジーな人々だが、ぼーっとしてしまっていた。アレックス先生に覗き込まれてはっとした。急いで目の前を通り過ようとしているそうめんをすくった。
「おいしい!」
家でそうめんを食べるよりもおいしいと思った。水が違うのか?
「よかった。」
アレックス先生とお話ししたり、生徒たちと話したり時間を過ごす。
向こうの方で、ジンと、ジンより一回り小さい狼がいた。かわいい。もふもふだ。
小さい色とりどりの光が漂っている。こんな幻想的な光景が現実なんだなとしみじみ感じた。
そうめんも食べ終わり、あたりは真っ暗だ。さっき見た光が余計輝いて見える。お片付けも終わり、そろそろ帰ろうと思う。
「そろそろ、失礼します。」
「あ、そう?送っていくよ。」
アレックス先生が送ってくれるそうだ。
「じゃあ、みなさんさようなら」
「さようなら」
「先生、また明日ー」
「またねー」
口々に見送ってくれる。
学校まで来ると、さっきの幻想的な光景が嘘のようだ。夢から醒めた気分だ。
隣を歩くアレックス先生を見上げる。
「ん?どうしたの?」
「あ、さっきの光景が夢みたいに思えて。」
「そっか。」
アレックス先生は笑った。手が触れ合うか触れ合わないかの距離だ。心臓の音は聞こえやしないだろうか。学校のことなど他愛ないことを話す。マンションの下に着いた。急に手を引かれたと思ったら、おでこに何かがあたった。
「瑠衣さん、じゃあまた明日ね。」
「・・・はい」
返事をするのが精一杯だ。ほんと、私の心は忙しい。そわそわする。
アレックス先生が見えなくなったあと、自室に駆け込みソファに飛び込むと、クッションに顔をうずめて叫んだ。言葉にならない。
もう無理!!ときめきなんて言葉じゃ言い切れない!
読んでくださってありがとうございます。




