20話
「さて。説明してもらえるんですよね?美和先輩」
俺は少し強気で言ってみた。
「ただ侑大くんに助けてもらおうと、思っただけよ」
俺の横からそんな言葉が飛んでくる。
「それより、早く離れてください」
「嫌よ」
美和先輩は、今だに俺の腕にしがみついているのだ。そして最初より柔らかい感触を強く感じる。
本当にやめて欲しい。
「・・・本当に離れてください」
「どうして?」
美和先輩が首を傾げて聞いてくる。
「どうしてって・・・そりゃぁ・・・」
俺はチラリと美和先輩こ胸を見る。それを見た美和先輩が悪魔のよいな笑みを浮かべ、口を開いた。
「もしかして、私の胸に興味があるの?」
「!?」
悪魔の笑みを浮かべた状態で、俺の顔を見てくる。
やばい!このまま認めて仕舞えば非常にやばい。どうにかして否定せねば。
「そんなけあるじゃないですか。ハハ」
「ふぅん」
美和先輩は未だに笑みをくずさない。
「じゃあこのままいいわね」
鬼のような事を言ってきた。
「な、何でですか?」
「だって侑大くん、私の胸に興味ないんでしょ?だったらいいわよね?」
「・・・・・・」
くそ!
どうしたらいんだ。認めれば腕から離れてくらるんたろうが、認めたら認めたで絶対めんどくさいだろう。
本当にどうする?認めずに、このまま腕を固定されるか、素直に認めて離してもらうか?・・・・・・・・考えた結果
「・・・認めます」
認める事にしたのだ。このまま腕を固定されたら、さらに目立ってしまうと判断したからだ。
「そう。侑大くんのエッチ」
そう言って美和先輩は、俺の腕から離れ、わざとらしく両腕で胸を抑えていた。相変わらず笑顔である。
「はいはい。俺はエッチですよ」
こういう時は素直に相手をしない方がいいのだ。会話を流すのが1番いい。
「侑大くん、面白くないわね」
そう言って手の位置も元に戻していた。本当に面白く無かったのか、面白くなさそうな顔をしていた。
このままでは、不味いと思った俺は、この状況を乗り越える為に少し考えた。そして・・・・・・
「美和先輩」
「何よ?」
「今日の服装とても似合ってますね」
俺は恥ずかしながら言った。
今日の美和先輩の服装は、白のパーカーに、黒のミニスカートと言うまだ肌寒いこの季節にピッタリな服装だった。下がミニスカートなので、視線が太ももにもいってしまう。
「フフ。ありがとう」
先程までの、面白くなさそうな顔はもうしてない。今では満足したような顔をしていた。
「言うのが遅いのよ」
「すいません」
「まぁ。それも侑大くんらしくて、私は好きよ」
「!?」
不意打ちで言ってきた。
「侑大くん顔赤いわよ」
「誰のせいですか!?」
「フフ。さぁ行くわよ」
そう言って美和先輩は歩き出した。
今さっき言った言葉が、本当か嘘かはわからなかったが、これからも美和先輩に振り回されていくんだろうなと思った。
「待ってください」
俺も美和先輩の後を追うのだった。
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