私は魔王!なの!とってもすごいの!
とある放課後にて。
「今週末は3連休だね」
「うん」
週明けが学校の創立記念日なので、休日も含めると3日間お休みになる。
「みなさまでどこかに行きませんこと?」
「それいいね!」
Sクラスのみんなと遊ぶの面白そう!
「僕も賛成だけど、どこに行こうか?」
「そうですわね…せっかくのお休みですから、遠出してみたいですわ」
「アスとリブは?」
「私はみんなで遊べるならどこでもいい!!」
「うん…ついていくよ…」
「スーは…聞くまでもないな」
「( ˘ω˘)スヤァ」
「メアとユアは?」
「どこがいいかな?メアちゃん」
「ん…」
楽しいところがいいよね。
みんなで行って楽しそうなところ…そうだ!
「温泉なんてどうかな?」
「「「「「温泉?」」」」」
「私の知り合いで温泉を経営しているお姉さんがいるんだ!とっても気持ちよくて、みんなにも入ってほしい!」
「いいですわね!裸の付き合いというものですわね!」
「でもこの街に温泉なんてないよね?」
「北の街にあるんだ!」
「北の街!?何か月もかかるよ!?」
「大丈夫!メアちゃんのママが転移魔法で送ってくれるから!」
「転移魔法!?あのスキルポイントがやたら高くて誰も覚えられないスキルの…」
「メアくんとユアくんはお母さんも規格外なんだね…」
「街の外に出たことないから楽しみ~!!」
「みんなと一緒なら…大丈夫…かな?ちょっと不安だけど」
「スーちゃんも行けるよね?」
「むにゃ…ぅん」
「では週末はクラス全員で遊ぶってことで」
「賛成!」
うー!楽しみ!早く週末にならないかなー!
そんなこんなで待ちに待った週末。
私の家に集合することになったんだけれど、ユイカ先生も同伴することになった。
「ユアとメアの親御さんだけに生徒を任せるのは申し訳ないからな。私も同伴して面倒を見よう」
とのことで。
ユイカ先生がスーちゃんと一番乗りで来て、そのままママたちとおしゃべりしている。
「ユアとメアは学校でどうですか?」
「いじめられてないですかぁ~?」
「ユアもメアも生徒会に入ってからますます成長して、先生として自慢の生徒になっています」
「「「「おお~」」」」
「さすがだな!」
「ちょっとママたち!今日はそういうのいいから!」
恥ずかしいなぁ。もう。
あ、チャイム鳴った!
「私がでる!」
玄関のドアを開けるとみんなが勢揃いしていた。
「ユアちゃん!おはよう!」
「おっきいお家だね!!」
「わたくしの屋敷に負けず劣らずのお家ですわね!」
「ありがとう!あがって!」
4人をお家に招待する。
「お!ユアの友だち来た!」
「「「おじゃまします!」」」
「いらっしゃい」
「メアちゃんと仲よくしてくれてありがとう~」
「いえいえ。こちらこそ」
「芽衣母さん。やめて」
「メアちゃん。友達は大事にするんだよ~」
「わかってる」
「あの!これ私のお母さんが持っていきなさいって!どうぞ!」
「お。おいしそう!わざわざありがとね」
「は、はい」
アスちゃんとリブちゃんはお菓子を持ってきてくれたみたい。
朝日ママが嬉しそうに受け取ってる。
そんな朝日ママをぼ~っと見ていたアスちゃんがはっと我に返って私のところまできて耳打ちしてくる。なんだろう?
「(ユアちゃんのお母さんすっごい美人だね!!)」
「(うん。よく言われる)」
「(ものすごく若いし、子が子なら親も親かぁ)」
「(?よくわからないけどありがとう!)」
自分のママが褒められるのは嬉しいよね!ちょっと恥ずかしいけど。
「これで全員揃ったのかな?」
「うん」
「じゃあ早速行こうか。スイナさんに話しは通しているから」
「よろしくお願いします!」
「ん。人数多いから。密着して」
全員で手を繋いで転移する。
居間にいたのに一瞬でスイナさんの宿のロビーへと景色が変わった。
家族以外のみんなは驚いてきょろきょろしている。
「この人数を一度に転移させるとは…どれだけの魔力量があれば可能なんだ…?」
「メアちゃんのお母さまは伝説の魔法使いとかなのかな?」
「一般人」
「「「「(いやいや)」」」」
私も一般人ではないと思う…
みんなの心が一つになったところでスイナさんがこちらに出迎えに来てくれた。
「ようこそあたしの自慢の宿へ。今日は存分にゆっくりしていってくれのう」
「あ。スイナさん!」
「お久しぶりです」
「おお。ユアちゃんにメアちゃんか。また一段と大きくなってめんこくなったの」
スイナさんはかわいいのに相変わらず話し方が年寄りっぽい。
そこがいいところなんだけども。
「北の街に初めてくる子もいると聞いたからの。楽しんでくりゃれ」
「「「「「はい!」」」」」
「よーし!みんな!早速温泉入りにいこっか!」
「「「「「おー!」」」」」
わらわらと脱衣所まで全員で向かう(フェル君だけ男湯)。
それから服をぱぱっと脱いでみんなが脱ぎ終わるのを体重を測ったりしながら待つ。
あ、また体重増えた。ががーん。
「リルちゃん。尻尾触ってもいい?」
「だ、だめですよお」
「ちょっとだけ!もふりたい!」
「後ろに回り込もうとしないで!」
いつものように朝日ママとリルちゃんが激しい攻防を繰り広げている。
「ちょっと朝日!ユアの友達もいるんだから自重しなさい」
「はっ!リルちゃんのしっぽを見るとつい」
「まったくもう」
うん。朝日ママはもうちょっと落ち着きを持ってほしいね!
「ほら。スー。ばんざい」
「んー…」
「パンツは自分で脱いでおくれよ」
「んー…」
ユイカ先生は寝ぼけているスーちゃんの服を脱がせている。
こうしてみると親子みたい。…親子じゃないよね?
「これでよし。みんな待たせたな。行こうか」
温泉久しぶりだから楽しみ!
扉を開けると色とりどりの温泉!
いつみてもテンション上がる!
クラスのみんなも初めての温泉に大興奮している。
「ひろーい!」
「ワクワクするね」
「これはどれから入るか迷ってしまうな」
「ユアちゃんたちのおすすめは?」
「やっぱり露天風呂かな!」
「露天風呂とはなんだい?」
「お外に温泉あるの!」
「外!?」
「いこいこ!」
「こら~!走っちゃダメ~!」
「先に身体洗いなさい!」
「子供は元気だなぁ」
「スーも行きなさい」
「うん」
とてとてスーちゃんがついてくる。
流石に温泉では寝れないよね。よかった。
露天風呂に続く扉を開けて、お湯に入ろうとすると先客がいた。
なんとたくさんのペンギンとその真ん中に北の魔王であるミユちゃんが。
「なんだ!?なんか温泉にいる!」
「かわいいですわね」
「かわいい~!!」
「え…怖い…」
「ミユちゃん!」
「ん…ユアにメア…と誰…?なの?」
「ユアくんとメアくんの知り合いかい?ずいぶんかわいらしい子だけれど」
「北の魔王のミユちゃん」
「よろしくなの」
「「「「ま、魔王?」」」」
「そうなの」
立ち上がり腰に手を当てえっへんとドヤ顔するミユちゃん。
そのかわいらしい仕草のせいかみんな冗談だと捉えてしまったみたい。
「そっかぁ。ミユくん?初めまして。ボクはマコトだよ。魔王なんてすごいじゃないか!」
「私はアス!こっちがリブ!よろしくね!魔王ってどんな仕事するの?」
「そうなの。すごいの。魔王の仕事は…世界の平和を守ること…なの(どやぁ)」
「「「かっこいい~」」」
あ、もう完璧にみんな信じてない。
まぁ楽しそうだからいっか!
「それでそれでミユちゃん!このペンギンさんたちは?」
「私の家来なの。最近この子たちと温泉に浸かるのがマイブームなの」
『ぺん!』
「かわいいね!一緒に入ってもいい?」
「もちろんなの。風邪ひくから早く入るの」
ペンギンさんたちにスペースを開けてもらって温泉に入る。
「ふわぁ~。きもちぃ~」
「ふにゃぁってなりますわね~」
「外で入るのもいいものだね」
「いい湯だね!リブ!」
「ん~…悪くないかも…ペンギンがつついてきそうで怖いけど」
「そんなことしないの」
『ぺんぺん!』
「頭なでなでしてもいい?」
『ペン!』
「よしよし」
ちゃんと頭を傾けてくれて賢い。
「ん~いい気持ち…眠くなるぅ~」
「ちょ!スー!潜っちゃってるから!」
「急ににぎやかになったの」
みんなで温泉楽しい!
それからみんなで全種類の温泉に入ろうってことになったけど、途中でフラフラしてきたのでまた今度チャレンジすることになった。
「また来ようね!」
「もちろんですわ!」
「ペンギン可愛かったぁ」
「お。あがってきたのう」
「スイナさん!いいお湯でした!」
「そうかそうか。これを持って帰りなさい。北の街の名物のまんじゅうじゃ」
「わぁ。ありがとうございます!」
「わたくしたちも貰ってもいいのですか?」
「ああ。また機会があればいつでも遊びに来るとええ」
「ありがとうございます!」
1人一箱温泉まんじゅうを貰って帰ることに。
ミユちゃんにも会えたし、今日は楽しかったー!
それから残りの3連休も満喫して、学校生活にまた戻ってしばらく経った頃。
その日はいつも時間に厳しいユイカ先生がチャイムが鳴っても来なかった。
「遅いね」
「こんなこと今までなかったのにね」
「あ、来たよ」
険しい顔をしたユイカ先生が扉を開けて入ってくる。
何かあったのかな?
「みんな遅れてすまない。それと…今日はすまないが自習をしていてくれ。先生はこれから出かけなくてはいけなくなった」
「どうしたんですか?」
「うん。実は王都で問題が発生したらしくてな…詳しい話は王都から逃亡してきたものにいま聞きに行くのだが…難民が各街に大量に押し寄せてきている。しばらく学校も休みになるかもしれないから覚えておいてくれ。お昼には戻ってくるから、その時にホームルームをして今日は帰ってくれて構わない」
先生の顔からかなり深刻そうなのは伝わってきた。
自習をして、お昼に先生が帰ってきてより詳しい情報を教えてくれた。
どうやら王都はなくなってしまったらしい。
騎士団は総出で難民の保護に動くため学校は無期限の休校。
なんだか言いようのない不安が脳裏によぎる。




