JK4人の異世界暮らし!
ナナシさんとの戦いから数日が経過した。
ナナシさんは私たちの家で暮らすことになり、初日こそ馴染めていなかったものの、今では仲良く(?)過ごせている…はず。
「ナナシの姉ちゃん!俺たちの特訓に付き合ってくれよ!」
「…やだ」
「ナナシおねえちゃーん!お願い!」
「…むり」
ナナシさんの両手を掴んでぐいぐい引っ張るフェル君とリルちゃん。
こ、怖いもの知らずか!
そんな恐ろしい光景を隣で夕陽がぼーっと眺めている。
「…」
「夕陽?また考え事?」
「ええ。いろいろありすぎて頭がパンク寸前よ」
「そっかー」
夕陽はあの日以来考え事が多くなったらしい。時折奇声も発している。
あと、夕陽は悩み事があると凝った料理を作る癖があるのでそこは嬉しい。
でも夜も考え事をしているからイチャイチャできない!なんとかしなくては!
「葵ちゃ~ん」
「なに?」
「ぎゅってしていい?」
「ん」
逆に葵と芽衣はあの日以来、より親密な関係になったようだ。
私にとっても衝撃的だったけど二人はなんと神様で、お互いそのことに気づいていなかったらしい。
そしてこの際だからということで隠し事を全部話して、お互い後ろめたい気持ちが一切なくなったのか、いつでもどこでもイチャイチャしている。
「まったく。母さんたちは娘の気も知らないで…」
「メアちゃんも神様ってことなのかな?」
「ユアとは違う…私も人間がよかったのに」
芽衣と葵の正体に一番動揺したのはメアちゃんだった。
思春期だからね。思うところもあるよね。
自分がもし突然親からお前は神様の娘だから人間じゃないよ。って言われたらどうだろうか…
本当の親じゃないのよ…って言われるより衝撃的だね!
と。まあ私たちの家庭はこんな感じかな。
ちなみに、あの後ルコアさんと勇者レインは少し話し合ったみたいで、後日改めて魔王城で会談するようだ。その時は私たちも同席することになっている。戦いには発展してほしくないからね!
サシャはルコアさんにお持ち帰りされたけど。
たぶん今頃サシャは脱走しようとしているだろう。
あとは…そうそう。王都が無くなった影響で他の街がそれぞれどうなったのか気になったので近況を確認してきた。
西の街では領主さんの対応が上手なのか、あまり混乱は起きていないようだった。
私たちがお世話になった宿、銀波亭は連日満室で、女将のサーシャが嬉しい悲鳴を上げていた。
北の街は情報が届いていなかったのか、突然の大量の難民を空前の温泉ブームのせいだとスイナさんが勘違いし、急遽温泉宿を増設しまくっていた。
結果的に難民は救済されてるし、北の街も黒字らしいし、これでよかったのかもしれない。
ただ、ミユちゃんは貸し切りの温泉でぼーっと入るのが一番のお気に入りだったらしく、連日大賑わいで人が多い状況に憤慨していた。せっかく魔王城に温泉を作ったんだから、これを機にそっちをもっと使えばいいんじゃないかなって思う。
東の街はサキさんとイルキさんが事前に情報をしっかり入手していたみたいだった。
今回発生した難民を上手く使って大規模なワイン工場を作る計画を立てていたようで、むしろ人手が増えることを歓迎していたようだ。難民も喜んで協力しているらしい。流石は人心掌握術に長けているサキュバスとインキュバスなだけはある。
あと、私たちが訪問している間にまた勇者のショータくんがサキさんに勝負を挑んでいたけどいいようにあしらわれていた。私の見立てが正しければ、ショータくんはサキさんのことが気になってしょうがないように見える。青春だねー。
そして、現在私たちが住んでいる南の街では、騎士団長のユイカさんの迅速な対応のおかげでスムーズに難民の対処を行えているみたい。学園を居住スペースに利用したり、簡易宿を作ったりして好評のようだ。
あとは私たちが王都を再建すれば完璧かな。
そんな世界の状況を考えているとテレン♪とスマホが鳴る。
電源を付けると女神様からラインが来ていた。
神)イベントクエスト、お疲れー
神)ナナシ…山根しずかを救ってくれたこと、感謝感謝
神)報酬の「願いの叶う箱」は葵のアイテムボックスに入れておいたよー
ナナシさんの前世の名前が明らかに!
そういえば、女神様クエストのアプリ起動するのをすっかり忘れていたよ。
朝)またイベントクエストあれば頑張ります!
夕)私も頑張ります
芽)私も~(‘ω’)ノ
葵)頑張る
神)ありがとう。また何かあればよろしくー
スマホを閉じて、目の前で芽衣とイチャイチャしている葵に今回の報酬の箱を出してもらう。
「葵。願いの叶う箱出してよ」
「ん」
出てきたのは何の変哲もない箱だった。
両手で何とか運べるくらいの大きさの木の箱が4つ床に置かれる。
「これかぁ」
「お!なんでも願い事が叶うってやつか!」
「いいな~!私も使いたーい!」
「私の箱使う?」
「え?いいの?」
だってねえ。特に欲しいものがあるわけでもないしなー。それならリルちゃんに喜んでもらったほうがいいかな?
「ありがとう!う~んでも…今回私何もできなかったから…やっぱり朝日お姉ちゃんが使って!」
「いいの?」
「うん!」
いい子だな~リルちゃん。
頭を撫でてあげるとえへへとはにかんでくれる。かわいい。
「夕陽はもう何願うか決めた?」
「…私はまだ使わないわ。葵。私の分は仕舞っていいわよ」
「ん」
夕陽は保留か。
「芽衣は?」
「私は世界中のケーキ!」
「お!いいね!」
ケーキはこの世界に来てから食べれなかったからおすそ分けしてもらおう。
「葵は?」
「じゃあ漫画とラノベ世に出てる分全部」
「マジっすか…いったい何冊あるんだろ…」
暇つぶしはこれで完璧だね。
「朝日ちゃんは?」
「私?…私は…これからも家族みんなで楽しく過ごせますよーに!」
「ふふ。なにそれ?」
「いいんじゃない?立派なお願い事だよ~」
「朝日らしい」
「あと子供もそろそろ欲しいです!」
「あ!それ私も~」
「私お姉ちゃんになるの!?」
「そうだよー。ユアが面倒見るんだよー」
「妹欲しい!」
「オッケーオッケー!夕陽が頑張るから!」
「夕陽ママ頑張って!」
「え。ええ…」
よし。願い事は決まった。
「じゃあ三人で一斉に開けようよ」
「いいよ~。願い事を箱の前で言ってから開ければいいんだよね」
「ん」
3人で箱の前に立つ。
いや、夕陽も来て私の横で箱を覗いてるから4人で並んでいる形だ。うん。やっぱりこの4人じゃないと。
「それじゃあ言うよ~。世界中のケーキが欲しい!」
「世に出ているすべての漫画とラノベ」
「これからも家族みんなで過ごせますよーに!」
「「「「せーの!」」」」
…………
『また何かあればよろしくーっと』
『あら。また女神様ごっこをやっているの?そんな何役もやって何が楽しいの?』
『やあヘル。ってか。ごっこじゃないよ。真剣だよ』
『名前なんだっけ?』
『女神ユリレーズ』
『めっちゃふざけてるじゃない』
『ボクのネーミングセンスにケチ付けないでよ』
『それで?あなたのアルズワルドはどんな塩梅?』
『思ったより平和だね』
『あらそうなの』
『だからもうしばらくしたら…ヘルやフェンリルに出張ってもらおうかなー』
『今すぐでもいいわよ?』
『んー。今はそっとしてあげたいかな』
『のんきねえ』
『終わらせるのは、もう少し世界が成熟してからがいい。…さてさて。次は何を起こそうかなー?』
おわり
ここまで読んでくださった読者の皆様。本当にありがとうございます。ブックマーク登録や評価、感想を付けていただいたことがモチベーションに繋がり、最終話まで書き切ることができました。
作者の初作品でしたので、評価が気になるところですが…作者的には満足いく作品となりました。
というのも。初期の構想が「JK4人を中心に、4者の魔王と勇者をストーリーに絡めつつ4部構成で終わりたい」でして(なぜ4ばかり…)、それらが概ね達成できたからです。1部25話目安で100話までやりたいなーとも思っていたので、そちらもギリギリクリアということで。
ですが読者様の中には「え?これで終わり?」と思っている方もいるかもしれません。
私も王都再建編やら、神様修行編やら、ユアとメアのJK編及び騎士団入団編、VSロキ(ロキを中心とした神々や神話生物)、VSマリィ(相容れない性癖)、サシャのスピンオフ等々、やりたい話はまだまだあります。
なのでいずれ続編は書きます。
ただ…文章力や構成力をもっと上げたいので、何作か全く違う世界観、ストーリーの作品を投稿します。その後にパワーアップしたJK4人の異世界暮らし2!を!!
というわけで、新作
ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚
明後日(2017/10/18日)投稿予定です。こちらも是非!ご覧いただけると嬉しいです。
それでは改めて…最後まで読んでくださってありがとうございました!!




