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決意

 親愛なるミツハルへ(ハートマーク)


 少しはこの世界での生活にも慣れたかい?


 ボクはいつもキミの事を見ていたんだ。だって、キミを連れて来たのはボクだからね!


 龍の神子を見つけてくれてありがとう!


 “あれ”があればファフニールを蘇らせる事が出来るよ!そうすればキミも元の世界に帰れる!入れ物の身体も必要ないしね。


 自分がいなくなった世界なんてどうでもいいでしょ?


 ボク達はファフニールを使ってこの世界をゼロに戻すんだ。


 ルグが余計な事をしてくれたおかげでボク達はあの部屋には入れなかったんだ。でも、キミのおかげで封印を解くヒントを見つけたよ!


 龍の神子に魔力を供給しているメトの迷宮を破壊するだけだ!一番下にある魔石を破壊するだけだよ。キミは早くメトから逃げた方がいいね!ボクが迷宮を壊してあげるから。


 世界を焼いて、ゴミみたいな人間共を駆逐して新しい世界を創造する。ボク達は本当の神になるんだよ!ワクワクするでしょ?そこにキミがいないのは残念だけどね。


 ザロちゃんことユリウスより



 手紙にはそう書かれていた。


「なんだよ!ふざけんなよ!誰だよお前は!」


 人を物のように考えているんだろう。凄まじい嫌悪感が湧いてくる。


「何が書かれているんです?」


「こいつはザロモンじゃなかった。俺をこの世界に連れて来た張本人で、ユリウスとかいうヤツらしい。ファフニールを利用して世界をぶっ壊すんだと。まずはメトの迷宮を破壊すると書いてあった」


「ヒドイ……」


「そんな事が……。それと、その蝋封印ですが、六英雄の家紋の一つで、隣国のザルフィカール帝国のものです」


 なんでもっと早く気付かなかった!よく考えればザロモンは最初から怪しかった。俺はこいつ等に躍らされていたって事か!戦争でもする気なのか!?


 今はメトの破壊を阻止しなければいけない。封印を解くのはもっと別の手段があるはずだ。


 しかし、未だ俺達は十層までしか辿り着けていない。リヒトが潜ったフォーリアの迷宮は九十五層。メトの最下層記録は四十八層。ユリウスがいつ迷宮を破壊するのかは知れないが、急がないといけない。


「アーシェ、ミーニャ。俺はこれからフルスピードで迷宮を攻略する。お前達はどうする?」


「今更聞くんですか?」


「ミーニャも一緒に行くよ!」


 これからはもっと危険な目に遭うだろう。実際、リヒトなしだと二人を護りきれるか不安もある。それでも、二人がいれば心強い。俺はもっと強くならなければ!




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