表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/85

リヒトの謎2

 腹が満たされた俺達はそれぞれの部屋に戻る。エールによく合う料理だったため少し飲みすぎたかもしれない。アーシェもほんのり頬に赤みが差していた。


『ミツハル……。飲み過ぎですよ。僕の身体なんですから……』


「おいおい、まだまだこんなもんじゃないぞ?医学部出身は酒に強いんだよ」


 そうだ。医学部では先輩医師や教授連中に誘われて、毎日飲み歩く。学生のうちから高級料理やバカ高い酒を飲みまくるのだ。


 という事で、葡萄酒と干し肉を分けてもらい、部屋で独り二次会をする。


「なぁ、リヒト……。お前が入ってた迷宮ってどんなだった?」


 全然関係のない話から自然に話しかける。


『フォーリアの迷宮は、ここより少しだけ小さいですかね。ただ、中は魔物が多く、恐らくはメトより強いですよ!これは僕の予想なんですけど、迷宮が小さい分、魔物に多くの魔力が流れているためだと思うんですよ』


 ウンチク魔王のリヒトが得意げに教えてくれる。ご丁寧に自分の見解まで話してくれた。


「やっぱり、迷宮に行った事あるんじゃねーか。なんで隠してるんだ?」


『あ……』


「もう隠しても無駄だからな?教えてくれよ」


『はぁ……。しょうがないですね……。ズルいですよミツハルは。そうです。僕は五年前から迷宮に行ってました。そして最下層まで攻略した事もあります』


 迷宮に行ってた事だけでなく、すでに攻略済みという事らしい。


「攻略済みって、何層まであるんだ?」


『たぶん迷宮によって違うのかもしれませんが、フォーリアの迷宮は九五層で行き止まりでした。僕の捜していた人がいなかったんです。ですから、僕は見つけるまですべての迷宮を攻略しなければなりません』


 そういえば、龍の神子を解放するとか言ってたっけ。


『そうです。僕が捜しているのは龍の神子です。解放してファフニールを見つけ出します』


「おいおい、ファフニールってのは迷宮にいるんだろ?龍の神子を捜さなくても、いずれどこかの迷宮で見つかるんじゃないのか?それに龍の神子はファフニールの居場所は知らないって言ってたぞ?」


『龍の神子に会ったことがあるんですか!?』


「ん?お前はないの?俺の頭の中にいたと思うんだが」


『あの時いたもう一人の人が龍の神子……。こんなに近くにいたなんて』


「あー。それと……。お前の捜してる神子さんは迷宮じゃなくて、メトの神殿にいるらしいぞ?すっかり忘れてたよ」


『!?』


「あー。うん。泣くなよ?迷宮攻略して強くなれたんだからいいじゃないか。神殿の事はわからないからなぁ。アーシェにでも聞くしかないかな」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ