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光と闇

 翌日、朝食後にメトの神殿についてアーシェに尋ねる。


「メトの神殿ってのは一般人は中に入れないのか?」


 急に切り出したせいか、アーシェは困ったように応える。


「メトの神殿ですか?中央の神殿はルグ教の司祭や一部の神官と見習いのみ入る事が許されていますが……。礼拝なら他の教会でできますよ?メトにはいくつか教会がありますので」


「いや、神殿に入りたいんだ。なんとかできないか?」


 アーシェは俯き、思案しているようだが、あまりいい返事はもらえそうにない。


「いや、いいんだ。忘れてくれ……。今日も迷宮に行かないといけないしな」


『ミツハル!』


 リヒトが急かすように呼びかけてくるが、ルグ教の関係者でないと入れないというのであれば、俺だけじゃ到底無理だしアーシェの協力が絶対不可欠なのだ。そのアーシェが乗り気でないのを無理に頼むわけにはいかない。アーシェはリヒトを知らないし目的もわからないのだから。


 なんだか気まずい雰囲気にしてしまったが、ここでミーニャから助け舟が入る。


「お兄ちゃん。お姉ちゃん。カードみた!?数字が変わってるよ!」


 ミーニャに言われカードを確認する。が、読めないためアーシェに教えてもらう。字の勉強もしないとな……。



 名前:ミツハル・ヒカゲ

 種族:人

 出身地:ニホン

 年齢:24

 所属:北

 適性:魔導剣士

 属性:光闇土風水火雷

 ランク:1

 Lv:4

 体力:240

 魔力:1310

 腕力:180

 敏捷:250

 知力:560



 名前:アシェル・アレクシス・ファルシュ・ロンデリオン

 種族:人

 出身地:ニール

 年齢:16

 所属:北

 適性:神官

 属性:光水

 ランク:1

 Lv:3

 体力:65

 魔力:220

 腕力:50

 敏捷:55

 知力:124



 名前:ミーニャ・トルバ

 種族:獣人ネコ科

 出身地:トーレス

 年齢:11

 所属:北

 適性:なし

 属性:風

 ランク:1

 Lv:3

 体力:30

 魔力:115

 腕力:25

 敏捷:56

 知力:30


 それぞれレベルアップしてステータスが更新されている。上昇に関しては規則性はないようでまちまちだが、ミーニャの魔力上昇がすごい事になっている。


『おそらくは、魔力を呪文なしで発動させたからでしょう。魔力の流れがより自然になったのですよ』


 そういえば、呪文なしでも魔法を使えるのに、なんで呪文なんてものがあるんだ?無駄じゃねーか。


『この世界には、「呪文を唱えないと魔法が使えない」という常識があります。魔法は自分の魔力量とイメージ次第で強力にする事ができるんです。ですが、呪文を唱えると文言に合わせたイメージしか作り出せないのです。発動させるには楽なのですが、それ以上の効果は望む事はできません』


 そんな便利な方法なのにみんな気付かないのか?


『一度常識に囚われてしまうとイメージを創り出すのは難しいかもしれません。ミツハルやミーニャちゃんは、そもそも魔法の初心者だったので違和感なく発動できたんだと思いますよ』


 なるほど、だったらアーシェには難しいかもしれないって事か。


『そうですね。ルグ教の神官なら尚更です。ルグ教には文言で神の奇跡が起きると思ってる方も多いですから……。神なんていないのに』


 リヒトの最後のセリフがひっかかるが、今は稼がないと暮らしていけないので迷宮攻略に力を入れるべきだ。


「よし!じゃぁ、レベルアップもしたし、今日も迷宮に行こうか!」


「おー!」


「はい」


 ミーニャが元気よく応えるがアーシェは表情が晴れない。余計な事をいってしまったのかもしれない。


 宿を出て俺達は迷宮に向かう。途中に魔石屋を見つけ立ち寄った。


「いろんな種類があるんだな」


 店には大小様々な魔石が置いてあり、聞くと効果もいろいろな物があった。灯りの魔石、冷凍の魔石、火を起こす魔石など、生活に使えそうな物の他にも、投げると爆発するような物まであった。


 俺は目的の時間を刻む魔石を購入する。紋様を施した日から時間が刻まれカウントダウンの様に文字が消えていくらしい。効果は約一週間とのことだ。


 迷宮の入り口の前までやってくると、午前の早い時間のためか、多くの冒険者で賑わっている。俺達はは数グループの後ろに並びチェックの順番を待つ。


 迷宮に入る冒険者はいつも一緒なのだろう。昨日と同じ兵士はカードのチェックすら行っていなかった。俺たちの順番がまわってきても「早く行け」というだけで、特にチェックはない。


 今日はレベル上げしつつ、行けるところまで行くつもりだ。


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