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chapter 00 [dream]
この章の話は「夏」×「夜」というテーマの縛りで書いた作品です。
ちょっと不思議で、でも優しい感じの作品を目指して書いてみました。
良かったらどうぞ(*^-^*)。
僕は生まれた時から罪人だった。
家族は父と二人きり。身体の弱かった母は僕を産み、すぐに亡くなった。
父は母と生き写しの僕を恨み、憎む。
村の皆は僕のことを人殺しだと責め立てる。
母を殺し、生を受けた自分には自ら命を絶つことも許されない。
僕には――居場所がない。
だけど夢の中は違う。
彼はいつだって人殺しの僕を抱きしめてくれる。
いつからだろう。彼の夢を見るようになったのは――。
オリーブ色の瞳に象牙色の肌。腰まであるブロンドの髪。彼はお伽噺に出てくる王子様のようにハンサムだ。
現実は苦しくて辛いことばかりだけれど夢の中へひとたび入れば彼がいる。
だから平気。だから悲しくない。
そう自分に言い聞かせて必死に生きてきた。
彼の正体を知るまでは――。




