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第22話 掲示板回&ジルサイド

 ダンジョン配信総合スレ12381


 187:名無し探索者さん

 いや~、昨日のコラボ配信は凄かったな……


 188:名無し探索者さん

 途中でコメント欄が飛んだせいで、ここが避難所代わりになったもんな

 一日で100スレ消化とかハンパないって


 189:名無し探索者さん

 最終的に同接どこまで行ったの?


 190:名無し探索者さん

 280万らしい


 191:名無し探索者さん

 ファーーーwww


 192:名無し探索者さん

 今期の世界記録で草


 193:名無し探索者さん

 それどころか、”エスペランサ”がドラおじの獲得に動いているらしいぞ!


 194:名無し探索者さん

 マジかよ……ガチの世界ランカーギルドじゃねえか


 195:名無し探索者さん

 海外のポイッター、#DoraOjiがトレンド入り!


 196:名無し探索者さん

 俺たちのドラおじはどこまで行くんだ……


 197:名無し探索者さん

 おい、キーファちゃんねるで緊急の発表があるらしいぞ!!


 198:名無し探索者さん

 マジか!?

 もしかして、エスペランサ移籍?


 199:名無し探索者さん

 まってくれ!

 オレはカナとの進展を見たいんだああああぁぁ!


 200:名無し探索者さん

 お、おう


 201:名無し探索者さん

 来たっ!!

 ……って、キーファたんのアクスタ発売のお知らせwwwwww


 202:名無し探索者さん

 そっちかよ!!


 203:名無し探索者さん

 草


 204:名無し探索者さん

 パパぶれなさすぎて惚れる


 205:名無し探索者さん

 ダンジョンポイントを投げるとカナとのスペシャルコラボバージョンが買えるらしい


 206:名無し探索者さん

 なんそれwww


 207:名無し探索者さん

 キーファたんのアクスタ、10個買った


 208:名無し探索者さん

 >>207

 通報した



 ***  ***


 同日、緋城プロダクション執務室


「……以上が先日の配信の結果報告となります。

 緋城カナのフォロワー数は167万人に上昇……上々の成果かと」


「ふむ」


 カナのマネージャーを務めるレニィの報告を聞いて、満足げに巨体をソファーに沈めるジル。

【イレギュラー】の力量を計るのが主目的ではあったが、これほどの好影響を義娘カナにもたらしてくれるとは。


「先方に提示した諸条件の件……本当によろしかったのですか?」


「ん?」


 それなのに、レニィの表情は僅かに不満気だ。


「緋城カナのスケジュールを大きく押さえる必要があり、すでにいくつかの企業案件を断っています。プロダクションの収益に与える影響が、いささか大きいのですが……」


「ああ、そんなもの。

 君が気にする必要はない」


 この優秀なエルフは心配性だ。

 ジルは立ち上がり、レニィの肩を抱く。


「じ、ジル様?」


 レニィは僅かに動揺し、頬に朱が散る。


「プロジェクト・イシュタルに比べれば、配信事業など」


 ジルの野望が成就した暁には、莫大な富をもたらしてくれる予定だ。

 一時的な配信事業の減収など、気にするレベルではなかった。


(それに、イレギュラーと奴の娘の存在……)


 現時点での”贄”候補はあくまで義娘カナだが……。


(使えるかもしれぬ……素晴らしい”素材”を発掘してくれたものだな、凛よ)


「あ、ジル様……♡」


 レニィをソファーの上に組み伏せながら、かつて自分のギルドに所属していた女性探索者のことに想いをはせるジルなのだった。



 ***  **


 同時刻、桜下プロダクション執務室


「こんなにすぐ、次のコラボ依頼が来るとは……」


 先日のコラボ配信は大成功だった。

 同時接続数は今期世界記録の280万人を超え、大量の投げ銭とダンジョンポイントが投げられた。


 桜下プロダクションへの好影響も大きく、国内だけでなく国外からもたくさんの案件が舞い込んでいる。


『うおおおおお、こんなにダンジョンポイントが!?

 次の配信はいつします? 来週ですか? 俺としては明日でもいいですよ!!』


 大量のダンジョンポイントを手に入れたケントたちのやる気は天井突破で、いつでもダンジョン配信をしてくれるそうだ。


『ところで折り入って相談なのですが……』


 そう言われた時は心臓が止まりそうになった。

 ケントたちの元には数百を超えるオファーが殺到していた。

 その中には世界ランカーからのオファーもあり、提案された規定を遥かに超える破格の移籍金……本人の意思があれば断ることは出来そうにない。


『キーファのアクスタを作りましょう!!』

『わ~い!!』


 実際は、あまりに可愛いお願いでずっこけたのだが。


「それよりも、ケントさんが見せた新世代のダンジョン攻略の方が問題ね」


 ダンジョンポイントを攻撃に使う……発想もさることながら、

 いくら緋城カナがAAランクの探索者とはいえ、あっさりと彼女にもその技術を習得させた。


 その革新的なスキルに、ダンジョン界隈は震撼しっぱなしである。


 数多の探索者養成校やギルドから技術指導のオファーが届いているのだが……。


「まずは自分の所を優先させてもらいましょう」


 ジルの思惑はいまだ不明ではあるが……。


 もともと予定していた桜下プロダクションが経営する探索者養成校での臨時講座。

 それをカナとのコラボとして開催する事を、プロダクションのサイトで発表するのだった。



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書籍版1巻の立ち読みができるようになっています! エモエモなケントとキーファの挿絵も見れますのでぜひっ!
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