第1話 新入生と、少しだけ騒がしい春①
春。
桜が咲き誇る季節。
大学という場所において、春は一年の中でも特別な季節だ。
新しい学生。
新しい授業。
新しいサークル。
そして――新しい人間関係。
俺にとっては、去年と何も変わらない春のはずだった。
「……眠い」
俺――藤堂晃は、大学の正門をくぐりながら小さく呟いた。
目の前には、広大なキャンパスが広がっている。
星ヶ丘大学。
私立大学としてはかなり規模が大きく、敷地内には複数の校舎が並んでいる。
文学部や法学部、経済学部、理工学部、教育学部、国際学部。
学部の数も多い。
カフェや食堂、図書館、体育館まで揃っている。
自由な校風でも有名で、学生が自主的に企画するイベントも多い。
その代わり――。
「おーい! 晃ー!」
朝から元気な声が聞こえてきた。
振り返る。
そこには、こちらへ走ってくる男がいた。
「朝から走るなよ、颯太」
「だってお前が先に行くんだもん!」
桐生颯太。
俺の友人。
明るくて、人付き合いが上手くて、いわゆる陽キャというやつだ。
「今日から二年生だぞ! もっとテンション上げていこうぜ!」
「朝からそんな元気出ない」
「お前、去年からずっとそれ言ってるよな」
「事実だからな」
「はぁ……」
颯太が大きくため息をつく。
その後ろから、もう一人の男が歩いてきた。
「朝からうるさいぞ、桐生」
「直人まで!」
相沢直人。
真面目で、俺たち三人の中では一番の常識人。
「藤堂も、もう少し桐生を止めてくれ」
「無理だろ」
「即答するな」
そんなくだらない会話をしながら、俺たちはキャンパスを歩いていく。
去年も、こうして三人で歩いた。
そして今年も。
たぶん、何も変わらない。
そう思っていた。
――このときまでは。
記念すべき一作目です!!!
大学でのハーレム小説ということでこれからの展開をお楽しみに!!!
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