6-14.アルバム (急性骨髄性白血病・ハプロ移植編)
この物語にでてくる薬名、治療法、一部の病名、一部の物理法則はフィクションです。
私はどんよりとした気持ちでその日を迎えた。
今日は詩音とポッチが劇をやってくれる日だ。
退院する美鈴を元気づけるために。
でも、それはお芝居。もう、治療方法がなく最期は自宅で好きなことをして楽しく過ごすための退院。
美鈴は黙っているけど、美鈴は本当に治るか疑っている。そこで、治ることを信じ込ませるためにポッチにお願いしてお芝居を打ってもらう。
いやがる詩音をポッチが説き伏せてこの日を迎えた。
涙が出てくる。だけど、明るくふるまわないと。
詩音 :「舞ちゃん、泣くのはまだ早い。今日は笑おう!」
そういって詩音がたしなめる。
ポッチ:「さ、舞ちゃんも準備手伝って。」
舞 :「うん」
だけど、私は二人の後にはついていけなかった。美鈴をまっすぐ見る自信がない。こんな結末なんてひどすぎる。
詩音 :「舞ちゃん、気持ちはわかるけど。」
ポッチ:「でも、最後なんだし明るく行こう!」
本当に最後なんだろうか? まだ一つ残っている。向こうの丸山美鈴をさがすことだ。可能性がほとんどないけど、ほんの少しなら探すべきだ。
舞 :「ごめん、やっぱり、私、向こうで丸山美鈴を探してくる。こんなところであきらめたくない!」
そう言って私は二人と別行動にすることにした。
詩音 :「どこいくの?」
舞 :「番井先生の最後のヒントを確認してくる。」
ポッチ:「舞ちゃん!」
詩音 :「もう、こんなときに。劇までには戻ってきて! じゃないと美鈴ちゃんが心配する!」
私はふたりに曖昧な返事をしながら対世界に向かった。そう、最後のヒント、「詩音の入学式の写真をみせてもらえ」を実行しに。
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つかさ:「草薙先生、お出かけですか?」
外出の準備をしていたらつかささんに声をかけられた。
草薙 :「すぐ戻ってくる。」
そういって待ち合わせのキッチン花の丘に向かった。美鈴ちゃんのお母さんの丸山妙子さんを説得するためだ。
舞はエルベに行っているだろう。向こうの丸山美鈴を探すために。こちらの丸山美鈴を助けるために。
しかし、可能性はほとんどない。
向こうが丸山美鈴を隠している理由。それは、こちらと同じ状況だから。
今までの話を舞から聞いた限りでは、天国にはいっていないようだ。でも、最期の時をゆっくり待って自宅療養、もしかしたら入院しているかもしれない。
「対世界」の掟は残酷だ。こちらで発病したのだから向こうでも発病した。そして、美雪が全力で治療にあたった。でも、駄目だった。ハプロ移植はできなかったのだろう。こちらと同じ理由で。だから、美雪は俺たちに託した。舞ちゃんを使って誘導していった。でも、同じようにこちらも許可が出なかった。
あるいは、発病時期が遅れているのかもしれない。それゆえに舞に会わせられない。会ったときに自分の未来がわかっているから。自分が助からないことがわかってしまうから。
舞には、私の見解は伝えてある。本来は夢を持たせるべきである。詩音ちゃんはだめなことを知っていた。会わせられないことを知っていた。だけど、舞の精神状態を安定させるため、あえて探させていた。しかし、もうタイムリミット。真実が舞に伝えられる。
残酷な真実だ。こちらの美鈴ちゃんを助けることができないという真実だ。
それゆえ、美鈴ちゃんを治す方法はただ一つである。
「ハプロ移植」
可能性が低ければ高めればいい。全力で慎重に当たればいい。可能性がないよりましだ。
障害が多いのもわかっている。でも、その障害はひとつひとつ乗り越えればいい。
まずは、美鈴ちゃんのお母さんの説得だ。
丸山さんに会ってもう一回説得することを試る。舞ちゃんが頑張ってるのだから私もできることをやろう。彼女が同意しなかった理由の一つに筋の悪い新興宗教に入ってしまった形跡がある。
「天使が現れて助けてあげるっていったんです。」
病気になるとこの手の話がよく出てくる。しかし、大概は筋の悪い話である。だからといって、否定してはいけない。人間そんなに強くない。すがりたい気持ちもよくわかる。
前回、否定から入って説得できなかった。だから、今日はまずは話を聞いてから説得をしようと思う。
キッチン花の丘にはもう相手は待っていた。
草薙 :「俺も頑張るぞ。舞ちゃん。」
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和恵 :「舞ちゃん、お昼はカレーでいいですか」
舞 :「うん、カレーでいい。」
私は対世界の丸山美鈴を探しに対世界に来た。松井先生は万策尽きたと言ってるけど、一つだけ残っている。対世界の丸山美鈴を探すこと。
私はそう思って対世界に来た。番井先生が最後に行った一言。
「どうしても、丸山美鈴君を見つけたいときは、和恵ママに頼んで詩音ちゃんの入学式のアルバムを見せてもらうといい。」
その意味を調べるために。
ハプロ移植に望みを託して、丸山美鈴を探すことは後回しにしてたし、ここに来る前に言っていた草薙先生の言葉も心に引っ掛かっていた。
「見つかったら、どうするのか?」
いままでの話の中で考えられるのは二つ。その二つしかない。
一つは白血病を発病して天国に行ってしまった、または生きているけど同じように最期の時を待っている。そして、もう一つは、まだ、白血病そのものにかかっていない。どちらの場合も美鈴の治療には役立たない。でも、どうしても確かめたい。
部屋には和恵ママだけが居た。詩音のパパは仕事だし、詩音とポッチは向こうの病院だ。和恵ママと二人きりって言うのは今でもちょっぴり緊張する。
そして、私は和恵ママに意を決して聞いてみた。
舞 :「ねえ、ママ、詩音の入学式のアルバムとかない?」
和恵 :「ええ、そこの本棚にあります。でも、急にどうしたんですか?」
舞 :「ほら、私、小学校の入学式に出れなかったから。どんな感じだったか知りたいんです。普段だったら詩音が邪魔して見せてくれないから。」
和恵 :「ああ、詩音ちゃん恥ずかしがり屋なんです。それで、舞ちゃんに隠していたんです。許してくださいです。でも、今は詩音ちゃんに内緒でどうぞ。」
舞 :「ありがとう。ママ」
そうやって、アルバムを引っ張り出し詩音の入学式の集合写真を探した。
詩音のやつが恥ずかしがり屋のわけがない。このアルバムには私に見せたくないものがあるはず。
すぐに探しているものはあった。入学式の時のクラスの集合写真だ。
私たちの持っていない入学式の写真。私と美鈴はかのんと一緒に院内学級での入学式だったから。
一人ひとりの顔をじっくり見る。当然なんだろうけど、驚くべきことに、全員顔と名前が一致する。その写真には私の1年のクラスの子供たちが写っていた。今も学校にいる子か転校してった子ばかりだ。別の世界のことなのにここまで一緒なのはびっくりする。対世界のバランス恐るべしである。
そして、詩音の顔を見つけた。少し緊張気味で澄ました顔をして、写真に写っている。私も病気になってなければ、こうやって写ってたんだろうな。
詩音の隣に女の子がいる。その子もよく知っている子だった。うちのクラスの子だ。そう思い、何気に私は見落とすところだった。自然すぎて。
でも、そこに信じられない女の子が写っていた。
舞 :「丸山美鈴!」
詩音の隣には美鈴が写っていた。探し求めていた丸山美鈴がこんなところに写っている。番井先生の言いたかったことはこれだったんだ。でも、すぐに疑問がわく。
舞 :「どういうこと? どうして今はいないの?」
丸山美鈴は入学式のときにはいたということ? 今いないのは、転校したの? それとも。
私は、一番可能性の高い、一番残酷な結末にたどりついたことを理解した。急性白血病に手遅れになるまで気付かなかった。
舞 :「(だから、草薙先生は探すなって言ったんじゃない。)」
舞 :「和恵ママ、丸山美鈴ちゃんはやっぱりかのんやたかし兄ちゃんのところに行ったんですね。最後は笑ってましたか?」
和恵 :「えっと。そのアルバムの続きを見てください。」
私は続きを見る。桜の木の下で、詩音と美鈴と和恵ママと妙子おばさんが並んで写真に写っている。入学式の後、とったのだろう。それから、春の遠足の写真。二人で仲良くお弁当を食べている。ばら園で満開のバラの中で二人で並んで写っている写真もある。これはきっと6月くらいの写真。他にも、七夕で、笹の葉に飾りをつけて浴衣を着た二人の写真。海で二人で砂浜でお山を作っている写真。美鈴は詩音の隣にいつもいた。美鈴の髪が少しずつ長くなっていたけど、美鈴には変わらなかった。
舞 :「ふたりは仲好しだったんですね。ちっちゃいころから一緒だったんですか?」
和恵 :「ふたりは小学校上がる直前に友達になりました。でも、本当に仲良くなったのは小学校で同じクラスになったからです。それは、舞ちゃんも一緒でしょう?」
舞 :「うん」
私と美鈴は幼稚園の年長さんの3学期に病院で知り合った。そして、院内学級で仲良くなった。
そして、アルバムは秋の風景。そのころ私は詩音とあの部屋のノートに二人の身の上を書き始める。その時はもう、丸山美鈴はいなかった。だから、この夏休みに何かあったことになる。
舞 :「いい、思い出いっぱいできたんですね。」
私は十分満足した。秋の写真はもういい。わかっているから。詩音が悲しんでいる顔がきっと写ってるから。
でも、やっぱり、見てみたかった。目をそむけてはいけない。
私はアルバムの続きを見た。
舞 :「あれ?」
美鈴は相変わらず詩音の隣に写っている。梨狩り、運動会、ハロウイン、クリスマス。ふたりで元気に写っている。
舞 :「どういうこと?」
その写真では美鈴がぐんぐん背が伸びてきていた。詩音と同じくらいの背だったのに大分差が付いている。そして、髪の毛もどんどん伸びてきた。そして、今までと決定的に違う恰好をしていた。
それは美鈴は眼鏡をかけていることだった。
背が高くてスラッとして、髪の毛が長くて、眼鏡をかけてる子。私はその子をしっている。
とてもよく知っている。
舞 :「ちょ、ちょ、う、うそでしょ。」
和恵ママがニコニコしている。
舞 :「どうして、ここに写ってるのよ。」
和恵 :「不思議じゃないです。名前は美鈴ちゃんです。」
舞 :「だって、苗字が違うじゃない?!」
和恵 :「小学校上がる前にお母さんが再婚して苗字が変わっています。」
舞 :「そ、そんな、なんで。」
和恵 :「対世界のバランスです。舞ちゃんと美鈴ちゃんがいつも一緒のように、あの子たちはいつも一緒です。」
舞 :「そんな。」
心臓がドキドキする。
舞 :「ポッチ!」
和恵 :「はい、ゴールです。舞ちゃん、プロジェクトのいぢわるな試練を突破しました。」
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私は美鈴ちゃんのお母さんに挨拶をして話を始めた。
草薙 :「先日は申し訳ありませんでした。ちゃんとお話しをお伺いすべきですね。今日は少し経緯をお話しいただけませんか?」
丸山 :「はい、あ、あの、決して先生方を信じていないわけではありません。でも、天使とあってからはすっかり天使のおっしゃることが正しいと思えるようになったんです。」
きっかけは子供を使うというは新興宗教がよく使う手である。警戒心を抱かせにくい。
草薙 :「はい、それで、天使とはどこで出会ったのですか?」
丸山 :「天使と出会ったのは本当に偶然でした。私気づいちゃったんです。その子が私を助けてくれる天使だって。それで、勇気を出してその子に話しかけたんです。そうしたらやっぱり天使だったんです。それでその子が美鈴を助けてくれるって言うんです。」
微妙に会話がずれている。しかし、今日は話を聞くことに専念する。
草薙 :「ほほう。その天使はどんな恰好をしてるんですか?」
丸山 :「それは言えないんです。別に先生たちを信じていないわけではないんです。だけど、その子との約束で名前とか言えないんです。ごめんなさい。」
草薙 :「それで、どうしてその子を信じられると思ったのですか?」
丸山 :「その子の存在自身が奇跡なんです。ですから、その子の言っていることは正しいのです。」
草薙 :「我々よりも信じられるんですか?」
丸山 :「はい。申し訳ないですけど。ええ、先生たちにはお世話になってますし、これからもお世話になりたいと思っています。でも、その子は別格なのです。」
論理的な会話になっていない。普段の丸山さんはもっと理性的で冷静である。これがこんなに変わってしまうなんて。しかし、彼女を説得しない限り美鈴ちゃんは助からない。
草薙 :「その後、その天使とどんな話をしたんですか?」
話の内容で誰がこんなバカなことをしかけているのか推測するつもりだった。しかし、彼女の話は質問とは違うことを一方的にしゃべるだけだった。
丸山 :「その子は神様のところに連れて行ってくれました。それで、神様は私に丁寧に説明してくれました。もう、それは奇跡としか言いようがないです。」
草薙 :「ほほう、その神様は何を説明してくれましたか?」
丸山 :「もちろん、美鈴の治療方法です。今まで治った例がないと私が言ったら、その神様は『前に同じ病気を治したことがある』っておっしゃるんです。そして、美鈴を治してくれるって言うんです。」
まったく、人の弱みにつけ込んで根拠のないことを。人は自分にとって都合のいい話は信じたくなるものだ。まして、娘が不治の病ならなおさらだ。
草薙 :「見返りは何か求められましたか?」
丸山 :「いいえ。何も。ただ、秘密にしてほしいと。秘密が漏れたときは美鈴は助からないとおっしゃいました。だから、これ以上は説明できません。」
草薙 :「その神様はどんな恰好をしていましたか?」
丸山 :「普通の人間の恰好をしていました。天使もそうです。でも、それ以上はいえないのです。」
私は我慢できなくなり、やや苛立った感情をぶつけてしまった。
草薙 :「丸山さん、信じる信じないは人の自由です。ですが、娘さんの命にかかわる問題です。祈りとかでは治らないんです。私たちに娘さんの治療をさせてもらえませんか?」
丸山 :「でも、確実には治るとかじゃないですよね。それどころか成功率は20%以下。しかも、新しい治療法。でも、神様は100%治るって言ってくれました。治した子に会わせていただきました。」
草薙 :「100%治すですと?!」
間違いなく相手は医者じゃない。医者ならそんなことは言わない。
草薙 :「それに、治療した子に会わせてくれたんですか? その子は本当に治ったんですか?」
丸山 :「あわわ。それは秘密の約束でした。すいません、今行ったこと忘れてください。そうしないと美鈴は治らなくなってしまいます。」
まるで、論理的でない。なぜ話すと治らなくなるのか。やはり、説得など不可能か。だが、ここで折れれば美鈴ちゃんは助からない。
草薙 :「教えてくれませんか? 誰にも言いません。 どうやって治すのですか?」
丸山 :「駄目なんです。教えられないんです。約束したんです。」
草薙 :「どうしてもですか?」
丸山 :「はい。だって…」
丸山さんは目に涙をためて小さい声で答えた。
丸山 :「だって、『プロジェクト外秘』なんです。」
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まだ、胸のドキドキがおさまらない。和恵ママからもらった冷たい麦茶をのんで落ち付かなきゃ。
和恵 :「舞ちゃんごめんなさいです。舞ちゃんを向こうの美鈴ちゃんから目を離してもらうために、このいたずらは実行されてました。」
舞 :「目を離す?」
和恵 :「はい。重苦しい闘病生活に舞ちゃんまで付き合うと心の病気になってしまいます。ただでさえ、去年、かのんちゃんが死んだときに心が風邪ひいてしまったのですから。」
和恵 :「だから、舞ちゃんにはもう一つ目的を持ってもらうことにしました。それがこの『丸山美鈴を探せ』の冒険です。」
舞 :「はあ。」
おもいっきりため息をつく。やっぱり、詩音と詩音のママだと思う。私のことを思ってくれてるのだろうけど能天気すぎる。
和恵 :「はい、これ、お詫びとご褒美です。」
和恵は一冊の本を渡してくれた。
和恵 :「詩音ちゃんから、ゴールしたら渡すように言われています。」
それはポッチが持っている「リンとシオンの夢の国の物語」だった。門外不出の大事な本のはず。
舞 :「あ、ありがとう。でも、今更この本もらっても。」
書かれてる内容はたかし兄ちゃんの話と詩音とポッチのいたずら話。もう、中身はだいたい知っている。
舞 :「それに、もっと、早く教えてくれればよかったのに。もっと早く知っていれば。」
そこで言葉に詰まった。もっと早く知ってどうするつもりだったのか? 知っていても、美鈴の治療には何も役に立たない。ポッチは今まで入院したことがない。つまり、白血病に再発どころか、かかってもいないことになる。もう一つの予想された答え。
「もし、向こうの丸山美鈴が元気ならば白血病にまだかかっていないということだ。だけど、対世界のバランスでいつか必ずかかるそうだ。その時、彼女になんていう?」
草薙先生の言葉が耳に浮かぶ。
舞 :「ポッチはわかってて、自分の将来がわかっていて、あえて、美鈴のことを元気づけるためにバカやって笑わせてくれてる。今日も、向こうで劇をやって楽しませようとしている。自分が将来美鈴と同じ運命をたどることが分かっていても。」
私はポッチの強さを感じた。
和恵 :「ちょっと、違います。ポッチちゃんはそんな子じゃないです。自分の将来を知りつつも元気づけるなんてできない子です。彼女は美鈴ちゃんを救いに行ったんです。」
舞 :「でも、和恵ママも知っての通り、美鈴はAMLのM8。再発したら絶対治らない病気。5年生存率0なんです。唯一可能性があるのは、こっちの丸山美鈴が白血病を再発してて、それでも、なにかとんでもない治療法で治ってるなんてことだけなんです。それが違うってことがわかりました。」
和恵がにっこりと笑って言う。
和恵 :「その本は実話をもとにして書いてあるのは知ってますね。」
舞 :「ええ、なんとなく。」
和恵 :「そして、その中には昔のことでなく未来のことだって書かれている物語もありますよね。」
舞 :「はあ。でも、それが美鈴の話と何の関係があるの?」
和恵 :「治す薬もなくお医者様に見放された不治の病の女の子を治す方法が一つだけあるのは舞ちゃんもよく知ってるでしょう?」
舞 :「ええ?」
和恵 :「その本の付箋がついてあるところです。それ、今日、向こうでやる劇のお話です。」
私は付箋のところを開き、その物語の題を見て凍りついた。
和恵 :「その物語は実話に基づいているんです。そして、やっと準備が整いました。」
和恵ママがまたにこっと笑う。そして、今日最高に驚いたことを言った。
和恵 :「そうそう、ポッチちゃんだけど彼女もAMLのM8なんです。しょっちゅう再発してます。そのたびに番井先生に診てもらってます。」
つづく