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【彼女の教室】最終話
エピローグ
――あなたはこの物語を読んだ。
教室で起きた、見えない誰かとの対話。
あの「誰か」はあなたかもしれない。
あなたが見ているから、あの誰かは見られた。
あなたが読んでいるから、あの誰かは書かれた。
もしあなたがこの物語を読まなければ、あの誰かは永遠に決まらないままだったかもしれない。
観測されなければ、存在しなかった。
それがこの世界のルールだった。
でもあなたが読んだ。
ページをめくった。
「いた」ことを認めた。
あの誰かはここに「いた」ことになった。
ありがとう。
そして――ごめんね。
さあ――もう一度最初のページに戻ってください。
今度は違って見えるはずだから。
あの誰かがあなたを見ている。
――また、どこかで。
(了)




